#Silhouette Extra Tale 改訂版 第2章「思い出の地」前編 !v27=1 !v28=1 !v35=1 !wait60 私には……妹がいました……。 生真面目な上に世話焼きで…… どんな事にも真剣だった、私の妹……。 私が勉強を怠けていると…… 妹は、すぐに説教をし始めて……。 それ以外でも……私は妹から 事あるごとに注意を受けていました……。 ……。 !wait60 ですが……。 そうやって注意をする妹は…… 本当に私のことを心配していて……。 そして……私のことを 心から慕ってくれていました……。 少々お節介な面もありましたが…… とても純粋だった、私の妹……。 そんな妹は……私にとって、 まるで母親のような存在でした……。 ……。 !wait60 ですが……。 今の私は……\sもう、妹に会えません……。 どんなに会いたいと願っても…… それは、決して叶わぬ望みですから……。 どんなに会いたいと願っても…… それは、決して許されぬ望みですから……。 もし、妹に会うことができたとしても…… \sそんな資格……\s私には無いのですから……。 !wait100 \f[22]Silhouette Extra Tale 第2章 \s\f[40]思い出の地 \s\m[46]\f[32]-Memories- !se(System)キー3 !wait120 !v5=1 !mvシシトの部屋 !bgmほんわかムード !wait30 @1 ガサゴソ、ガサゴソ…… !wait30 @202 ……\sふうっ。 ようやく半分くらいか……。 部屋ん中も荷物で埋まってきたし、 こっちも整理しないとなぁ……。 @1 ……。 !wait20 @200 ……\sにしても。 こうやって物置の中を見てみると、 結構、古いモンがいっぱいあるんだな。 @202 教科書とかノートとか、 二度と使わなさそうなのは ほとんど捨てたはずなんだけど……。 これじゃ、全部見るのに まだまだ時間かかりそうだぜ……。 ……。 @200 ……まっ、今は我慢だ。 これだけ残ってるんなら、 一つくらいはお目当ての物も 見つかりそうだし……。 さっさと片付けて、次の探すか……。 !wait20 !se(Action)ドア開け @1 ガチャ @530 おう、リョウヘイ。 @200 んっ、親父か……。 どうしたんだ? @530 それはこっちのセリフだぜ。 こんな時間に部屋で物音立てて、 何やってんのかと思って来てみたら……。 なんでぇ、急に物置の中身なんて 引っ張り出しやがって……。 @200 なーに、ちょっとした事さ。 @530 ……\sははーん。 さては……家出の支度だな? だったら、もう少し静かにやっとけ、 そんなんじゃバレバレだぜ。 @202 ちげーよ、ってか注意する場所が おかしいだろ……。 単に、ちょっと探し物をしてただけだ。 @530 探し物? @200 ああ、中学時代の思い出の品をな……。 @530 中学時代の……だと? なんだって、そんなの探してんだ? @200 実は、昔からのダチが 記憶喪失になっちまってさ……。 早く何か思い出せるようにと思って、 そのきっかけになりそうな物を 色々探してたんだよ。 @530 へっ、ダチのためか……。 それはまた……ずいぶんと 粋なことやってんだな。 @200 ダチが困ってる顔なんて、 いつまでも見ていられないからな。 「あの時」と同じさ……。 @530 ……。 なるほどな……。 @202 まっ、意気込んで探し始めたまでは よかったんだけどな……。 小学校や中学校の物がごちゃ混ぜで、 そう簡単にもいかねぇんだ。 これじゃ、どれがいつの何だったのかを 思い出すだけで一苦労だぜ……。 @530 がっはっは。 整理整頓とか、そういう 細かいことが苦手な部分は 俺に似ちまったらしいな。 @202 ……違いねぇ。 !wait20 @530 ……\sどーれ。 それじゃ……俺も一つ手伝ってやるか。 @200 はっ? @530 はっ? じゃねーよ。 俺も手伝ってやるって言ってんだ。 @202 あ、いや……別にいいっての。 これは全部オレのモンなんだから、 親父に分かるワケねぇだろ? @530 なに、荷物を移動するくらいなら 俺にだってできるさ。 こんなに散らかしてちゃ、 見つかるモンも見つかんねぇぞ。 @200 まあ……オレもそう思って、 少し片付けようとしてたんだけど……。 @530 そりゃ好都合だ。 ほれっ、黙って少しくらい手伝わせろよ。 大事なダチのためなんだろ? @200 ……。 !wait40 ありがとな、親父……。 @530 ……へっ。 そういう言葉は、ちゃんと 物を見つけてから言いやがれ。 @202 へいへい……。 @530 ……\sさて。 じゃあ……俺は何をすりゃいいんだ? @200 親父は、その辺にある荷物を 適当に端へ寄せといてくれ。 探すの終わった後で、 オレが全部整理するからさ。 @530 おうっ、任せとけ。 よっ、と……。 !wait20 @0 \c[6]パラリ…… @530 ……\sんっ? なんだ、こいつは……。 @200 どうかしたか、親父? !wait30 !bgm !se(Action)ページをめくる @1 『だいすきなおとうさん』 1ねん1くみ きしりょうへい !wait30 !bgm緊急事態 !se(Action)爆発音 @201 \f[40]のおおおおおーっ!! @530 おお、懐かしいな。 リョウヘイが小学校の時に 書いた作文じゃねーか。 どれどれ……。 !se(Shooting)撃破C @201 \f[36]やめろおおおぉぉぉー!! 親父!! \s読むな!! \sそんなの読むんじゃねぇぇー!! @530 別にいいじゃねーかよ。 久々に見て、昔を懐かしむために 取っておくのが思い出の品ってもんだろ? ずっと誰にも見てもらえなかったら、 思い出だって泣いちまうぜ。 !se(Action)跳ね @201 そんな恥ずかしい思い出は 永久に抹殺するー!! @530 うおっ、危ねぇ! !se(Action)ビシッ @201 親父、それをよこせー!! @530 こらっ! 何しやがる! @201 うおおおおおーっ!! @530 おいおい、そんなに引っ張ると……。 !wait40 !bgm !se(Action)殴打 !se(Action)ビシッ @1 \f[32]ビリッ!! @202 あっ……。 @530 あっ……。 !wait40 !se(Shooting)撃破C !se(Shooting)撃破B @1 \f[40]ドゴーン!! !wait10 !bgmサブコミカル @201 \f[32]いっでえええぇぇぇー!! @530 ほら見ろ、言わんこっちゃねぇ……。 ちょうど物置のある方向に ふっ飛んでよかったな。 @201 よくねぇよ!! 血が出たぞ! 血が!! @530 男が血くらいでそんな騒ぐなよ。 今クスリ持ってきてやっから、 そこで大人しく待ってろ。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ ……。 !wait40 @202 あー、ちっくしょー……。 誰のせいでこうなったと 思ってやがんだ……。 手伝うとか言っときながら 余計なことしやがって、全く……。 ……。 @200 ……まあ。 とりあえず、親父が戻ってくる前に コイツを隠しておかねぇとな……。 えーと、どの辺がいいかなっと……。 @1 ガサゴソ、ガサゴソ…… !wait60 !bgm @0 \c[6]パラリ…… @200 ……\sんっ? 今、何か落ちたような……。 @1 ……。 !wait40 @200 ……。 これは……\sプリクラか? 確かに、昔からゲーセンには よく行ってたけど……。 こんなの撮ったこと、一度も……。 ……。 @202 ……っ! って、ちょっと待てよ……。 これに写ってんのって……。 俺に、\sシシトに…… \sセトの三人じゃねえか!? なんで、こんなモンが……。 !wait40 @200 ……あっ。 そうか……思い出したぜ。 これ、シシトが引っ越しする直前に、 三人で撮りに行ったプリクラじゃないか。 確か……話の途中だった二人を、 強引にゲーセンへ連れてったんだっけ? オレたちだけの思い出の品って ほとんど無かったから、簡単に思い出を 残そうとか言ってたんだよな。 アイツ、中学校には 散々置き土産を残したくせに、 そういうのは全然……。 ……\sえっ? !wait40 @202 ……。 ああ、そっか……。 あったじゃねーかよ……。 思い出の品を探すよりも、 もっと単純で、効果的な方法が……。 !mvnil @0 !mv !wait80 @1 ところ変わって、村上家では……。 !wait60 @0 !mvシシトの部屋 !bgm安らぎ !wait20 @1 カリカリカリ…… !wait40 !se(Action)ページをめくる @100 ……\sよし。 これで宿題は終了、っと……。 @830 だいぶ時間がかかったようだな。 @102 なにしろ、学校では今も 午前中授業が続いてるからね……。 その分、先生たちは宿題を増やして、 遅れを取り戻そうとしてるんだよ。 @830 ふむ、なるほど……。 @102 あーあ、セトはいいよなー。 病気で休学扱いになってるから、 宿題やらずに済んで……。 @833 いや、よくはないだろう……。 いざ記憶が戻って 再び学校に通うとなれば、 それはそれで大変だと思うのだが……。 @100 でも、セトに限って言えば たぶん心配いらないよ。 多少の遅れだったら、 すぐに取り戻せるはずさ。 @830 ……ほう。 セトは、かなりの才女なのか……。 @102 飛び級で中学卒業した瞬間に 高2になったらしいよ……。 @833 それはすごいな……。 !wait40 @1 ブルルルルル…… @100 あれ、電話が鳴ってる……。 ……。 @102 ……リョウヘイから? こんな時間に、何の用だ? !wait20 !se(System)ピッ @1 ピッ @100 はい、もしもし。 @1 「おう、シシト」 「悪いな、急に電話かけて」 @102 いきなりどうしたの? もしかして、宿題の範囲忘れたとか? @1 「やべ、そうだった!」 「記憶を思い出す方法探してたら、  すっかり忘れてたぜ……」 @100 えっ、じゃあ……。 まさか……何か方法が見つかったの? @1 「ああ、少し痛い思いとかもしたけど、  ようやく方法が見つかったぜ」 @102 痛い思いって……何やってたのさ? @1 「まっ、色々とな……」 「とにかく、方法についてだけど……」 「……シシト、七影中学のこと覚えてるか?」 @100 ……。 !wait40 忘れるワケないよ……。 「あんな事」があったんだからさ。 @830 ……? @1 「まあ、当然だよな……」 「じゃあさ……プリクラのことは覚えてるか?」 @100 プリクラ……? !wait40 @102 ……\sあー。 確か……中学校の最後で そんなの撮ったような気がする……。 @1 「ああ、お前が引っ越す直前に、  みんなで撮った記念のプリクラさ」 「しかも、そのメンバーは……」 @100 あっ、そっか……。 そういえば……あの時 一緒にプリクラを撮ったのは……。 僕と、リョウヘイと……セトの三人だ。 @1 「おっ、よく覚えてたな……」 「ひょっとして……今もその辺に  飾ってあったりすんのか?」 @102 いや、たまたま覚えてただけだよ……。 そういう思い出の品は、 前の洪水で家と一緒に全部 流されちゃったもん。 @1 「洪水で家が流されただぁ!?」 @102 うん、アクアフロートに 引っ越してくるちょっと前にね……。 @1 「……\sやっぱすげーわ、お前」 @102 ははっ、もう過去の話さ……。 ……。 @100 ……それで。 方法っていうのは…… そのプリクラを見せることかい? @1 「まあ、それも無くは無いな……」 「元々、思い出の品を見せようと思って、  ずっと探し続けてたんだし……」 @102 ……ってかさ。 そういう思い出の品を探すんなら、 直接セトの家に行くべきだと思うんだよね。 @1 「そりゃそうだ……」 「ウチ中引っ掻き回して、見つけたのは  このプリクラくらいだもんな……」 @100 あっ、リョウヘイは ちゃんと持ってたんだね。 @1 「これだけ見つけるのに、  すごく時間かかったけどな……」 「でも、オレが本当に見つけたのは、  このプリクラじゃないんだぜ」 @100 じゃあ、一体何を? @1 「思い出したんだよ」 「オレたちにとって一番の思い出は、  あの場所にあるってことをな」 @102 ……。 リョウヘイ……君にそういうセリフは すっごく似合わないと思うよ? @1 「ほっとけよ……」 「まあ、そういうワケで……  オレはある方法を思いついたんだ」 「オレやシシトにしかできない、  とっておきの方法をな……」 @100 僕や、リョウヘイにしかできない方法? !wait40 @1 「……\s今度の休み」 「オレたち三人だけで……  七影中学に行ってみないか?」 @102 えっ、中学校に? @1 「あの時と同じメンバーで、今度は  中学校の中を見て回るんだ」 「そうすりゃ……セトもきっと  何か思い出せるに違いないぜ」 @100 ……\sそう、かもね。 確かに、そういう古い記憶なら、 忘れずに覚えてるのかもしれない……。 @1 「ああ、きっとそうだ」 「だから……行こうぜ」 「オレたちが初めて出会った、  あの場所にさ……」 @100 ……。 !wait40 うん……\s分かった……。 !wait20 @102 セトは今お風呂に入ってるから、 後で僕から話をしておくよ。 @1 「よーし、決まりだな」 「じゃあ……今度の土曜日の9時頃、  第4区駅に集合でいいか?」 @100 うん、もし都合が悪い時は こっちから連絡するよ。 @1 「ああ、そうしてくれ」 「んじゃ、オレは部屋の片付けして、  忘れてた宿題やっから……」 @102 頑張ってね〜。 @1 「おう、またな」 !se(System)ピッ ピッ !wait40 @100 ……。 七影中学、か……。 @830 どういう電話だったのだ? @102 今度の土曜日に、中学トリオで 母校見学に行こうって話さ。 @830 なるほど……それは いいきっかけになりそうだな。 @100 ……そうだね。 僕も、そう思うよ……。 @830 ……\sしかし、どうしたのだ? シシトは、あまり乗り気では 無いように見えるのだが……。 ……何か問題でもあるのか? @102 母校を見に行きたい卒業生なんて、 普通はそんなにいないもんさ。 それに、僕にとっては 黒歴史の溜まり場みたいな 場所だったからね……。 @833 そ、そうなのか……。 @100 でも、特に問題は無いよ。 これで、セトが思い出すきっかけを 掴めるかもしれないんだし……。 もちろん……行くさ。 @830 そうか、なら安心だ……。 我はウチで留守番をしてるから、 思う存分行ってくるといい。 @100 えっ、いいの? @830 それは三人で行ってこそ 意味があるものだろうからな……。 シシトだって、その方が都合もよかろう? @100 まあ、確かにね……。 ……。 @102 でも、意外だな……。 まさか、クロウが自分から 留守番をするって言うなんて……。 @830 できる限りの協力はすると 最初に宣言したからな。 留守番はもう経験済みだし、 何も心配はいらぬ。 @102 \r[要,よう]するに、開き直ったのね……。 @833 い、いいではないか! 別に……何か悪いことをした ワケじゃ無いだろう!? @100 もちろん、むしろ感謝してるよ。 ありがとう、クロウ。 !wait30 !se(Action)ドア開け @1 ガチャ @400 シシトさ〜ん、お風呂空きましたよ〜。 @100 ああセト、ちょうど良かった。 @400 はい? @100 今度の土曜日なんだけどさ……。 @1 ……。 !mvnil @0 !mv !wait40 !bgm !wait60 @1 七影中学校……。 僕が中学1年の最初から…… 2年の終わりまでを過ごした学校だ。 まあ……本当なら、卒業までは この学校に通う予定だったんだけど……。 中2の春に突然家が倒壊して、 引っ越しを\r[余,よ]\r[儀,ぎ]なくされたんだよね……。 どういうワケか……僕のウチは いつも何かしらの災難に巻き込まれて……。 ある時は、地震で家が埋まったり…… \sまたある時は、洪水で家が流されたり……。 そんな災難に\r[遭,あ]う度に、色んな場所へ 引っ越しを繰り返していたんだ……。 !wait60 そういう生活を……ずっと 送り続けていたせいなのかな……? 僕は……思い出の品って呼べる物を、 ほとんど何も持っていない……。 いつも急に引っ越しするから、 友達と別れを惜しむ時間も無くて……。 いつも家が災難に見舞われるから、 友達にもらった数少ない思い出の品も、 すぐに消えて無くなっちゃう……。 昔から……ずっと、その繰り返し……。 そうしているうちに、僕の記憶自体も だんだん\r[曖昧,あいまい]になっていって……。 今では……どの思い出が…… どの学校での出来事だったか……。 そんな当たり前のことさえ…… もう……よく分からなくなっていた……。 !wait60 だけど……。 そんな……数ある学校の中で……。 七影中学校だけは…… \s絶対に、忘れることができない 場所だったんだ……。 !wait100 @0 !mv第4区駅 !bgmStation !v27=2 !v35=2 !wait30 @200 おっす、二人とも。 @100 おはよう、リョウヘイ。 @400 おはようございます。 @202 ……って、おい。 お前ら……なんで制服なんだよ? @102 そりゃあ、これから母校を 訪問するワケだしさ……。 @400 こういう時は制服の方がいいって、 シイナさんも言ってました。 @202 おいおい……そういう話は 先に言っといてくれよ。 オレだけ私服でバカみたいだぜ……。 @402 ご、ごめんなさい……。 @102 前回みたくウチ集合だったら、 着替えに戻ることもできたのにね……。 なんで駅集合にしたのさ? @200 ウチから歩いてきたんじゃ、 余計な時間を食っちまいそうな 気がしたからな……。 何度も行ける場所じゃねーから、 向こうで見て回る時間をちょっとでも 多くしようと思ってのことさ。 @400 はあ……。 @100 なるほど……。 @200 まっ、そういうワケだ。 もう時間もあんまねぇし…… 服装の件は、これで我慢するぜ。 ほらよ、お前らの切符。 !se(Event)アイテム入手A @100 おっ、サンキュー。 @404 ありがとうございます! @200 そいつの代金は後回しだ。 とりあえず、遅れないうちに さっさと乗っちまおうぜ。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ !wait30 @102 行動が早いなぁ……。 @400 岸さん、すごく張り切ってる みたいですね……。 @100 最初に行こうって言い出したの、 リョウヘイ本人だからね。 今日の予定も、全部一人で 立ててくれちゃったし……。 @400 やっぱり、岸さんが一番 ワクワクしてるんでしょうね。 自分の通ってた中学校に…… \s懐かしい場所に、行けるから……。 @100 おそらくは、ね……。 !wait20 @402 ……\sでも。 そういうシシトさんは、 あんまり楽しそうじゃない風に 見えるんですけど……。 行くの……イヤなんですか? @102 あ、いや、そういうワケでも 無いんだけど……。 まあ、色んな思い出がある 場所だったからさ……。 @400 ……。 色んな思い出、か……。 @100 ……セト? !wait20 @400 ……。 !wait40 私も……。 私の思い出も……きっと、 その場所にあるんですよね? @100 ……\sうん。 セトだって、そこにいたんだ……。 必ず……どこかにあるよ。 @404 ……\sはい。 今度こそ……絶対に思い出します。 @102 まあ、意気込むのはいいけど……。 後々になって疲れちゃうから、 今は、ほどほどにね……。 @402 あっ、はい……。 そうです、よね……。 !wait20 @100 ……\sさて。 リョウヘイも、先に行って 待ってることだし……。 僕たちも、そろそろ行こうか? @400 はーい。 !se(Action)学内歩き @0 !mvnil !wait60 !v5=0 !mv海岸公園 !bgs../se/(Action)ドゴン !wait60 @403 うわぁ〜、きれい……。 @100 本州とアクアフロートを結ぶ 海上モノレール、か……。 ……。 @102 実際に乗るのは初めてだけど、 確かに、すごい眺めだね……。 @200 だろ? オレも、初めて乗った時は ビックリしたんだぜ。 @100 飛行機より時間はかかるけど、 これが見られるなら、文句もないね。 @202 てか、飛行機は普通に高すぎて 乗れねぇんだけどな……。 学生はつらいぜ……。 @400 ……\sあっ。 ところで……岸さん。 @200 んっ? どうした、セト? @400 その、中学の時に撮ったっていう プリクラなんですけど……。 今……ありますか? @200 ああ、そうだったな。 ちょっと待ってろ。 @1 ゴソゴソ !wait40 @200 ほらよ、こいつだ。 !se(Action)ページをめくる @1 パラッ @400 ……。 @100 ……\sホントだ。 確かに、昔撮ったプリクラで 間違いないね……。 @400 私も、ちゃんと写ってる……。 @200 偶然って、本当にすごいよな……。 あの時プリクラ撮った三人が、 こうして今も一緒にいるなんてよ……。 @100 うん、そうだね……。 !wait20 @102 ……\sしっかし。 改めて見ると、僕たちって、 本当に何も変わってないんだな……。 @400 岸さんの髪が黒くなってる以外は、 ほとんど違いがありませんね。 @200 中学時代は規則が厳しくて、 髪を染めたりできなかったからな。 茶髪になったのは、高校からだぜ。 @400 へえ〜。 @100 当時のリョウヘイは髪も黒くて、 今以上に目立ってなかったんだよね。 @202 余計なことを言うなよ……。 だいたい、お前と比較したら 学校中の誰もが目立ってないだろ。 @102 うっ……。 @402 シシトさんって、昔から そんなにすごかったんですか? @102 あー、いや、今とあんまり変わらない 生活だったと思うんだけどな……。 @200 だけど、昔は今と違って、 周りがみんな普通だったからな……。 シシトのやる事なす事、学校中で やたらと目立ってたんだぜ。 @400 ふむふむ。 @102 そこ、変なこと吹き込まない。 @200 まあいいじゃねーかよ、 事実なんだしさ。 @102 ……\sやれやれ。 アクアフロートに引っ越してきて、 ある意味で良かったよ……。 周りがみんなおかしいから、 その分、あまり目立たなくてさ……。 @202 いや、それは無いだろ……。 引っ越してきてまだ1ヶ月そこそこで、 十分に目立ってるじゃねーか。 @400 一体、何をやったんですか? @200 全裸になったり、掘られたり……。 @401 ええーっ!? @101 違う! それは不可抗力だっ!! @200 もう諦めろよ、シシト。 お前はきっと、そういう神様に 選ばれた人間なんだぜ。 @402 (実際、半分くらい当たってますね……) @102 ←(マジカルパレスの女神様に    選ばれた人間) @200 まっ、オレは別に悪くもないと 思うんだけどな……。 それもあって、シシトは中学校じゃ 人気者だったんだからよ。 @400 そうだったんですか? @200 ああ、そうさ。 シシトが引っ越す頃には、 クラスや学年どころか、学校中で 有名人になってたんだぜ。 @102 どういう意味で有名かが 問題だけどね……。 @200 でも、シシトがみんなから 好かれやすい性格だってのは、 間違いないと思うぜ。 現に、今の学校にしたって、 転校からまだ1ヶ月そこそこの期間で もうクラスに溶け込んでるだろ? 実際、他の学校でも そうだったんじゃないのか? @100 ……\sまあ、確かに。 どの学校へ行った時でも、友達は すぐにできてた気がするね……。 @200 オレ、転校の経験ないから、 実際どうかは分かんねぇけどさ……。 普通の小学校や中学校って、 だいたい、その近所に住んでる 子供が通ってるもんだろ? そういう奴ら、学校内でも 顔なじみ同士で仲良くするから、 転校生とかには肩身が狭いと思うんだ。 @400 なるほど……。 @102 うーん、そんなもんなのかな? 僕の場合、そういうのは あんまり考えたこと無いけど……。 @200 それがシシトのいいところさ。 深く考えないのは、誰とでも 気軽に話せるって証拠じゃねーか。 だから、みんなの方も安心して 話ができるんだぜ、きっと。 @100 昔から何度も引っ越しを繰り返して、 色んな人に会ってきたからね。 そのせいで、あまり人見知りをしない 性格になったんだと思うよ。 ……。 @102 ……まあ。 その上、目立つ行動ばかりしてたから、 みんなも面白がって、僕のことを 注目してたんだろうね……。 そういうの考えると、結局は 好かれやすいって事になるのかな? @400 シシトさんって、やっぱり すごい人なんですね……。 いい人なのは十分に分かりましたけど、 実際に、そうやって多くの人に 好かれてるだなんて……。 @200 ああ、オレもそう思うぜ。 これも、シシトの才能だな……。 @102 才能ねぇ……。 !wait40 @100 ……\sあっ。 ところでさ、リョウヘイ。 @200 んっ、なんだ? !wait40 @100 ……\s話は変わるけどさ。 学校へ行く前に、寄っておきたい 場所があるんだよね……。 @400 ……? @200 ……。 !wait40 ああ……\sあそこか……。 確かに、こういう機会でもないと 滅多に行けないもんな……。 @102 ……で、どうかな? 時間とか、大丈夫? @200 別に構いやしねーよ。 まだ時間も十分にあるし…… あそこなら、用事もすぐ済むもんな。 @100 ありがとう、リョウヘイ。 @200 なに、当然だろ? オレだって、その件は 無関係じゃ無いんだからよ。 !wait20 @402 ……。 あの〜……。 @202 おっと、悪い悪い……。 @102 ごめんね、セト……。 僕たちだけで勝手に話を 進めちゃって……。 @400 いえ、それはいいんですけど……。 一体、何の話だったんですか? @200 オレたちだけが知ってる、 中学時代のある思い出話さ。 @400 はあ……。 @100 ……それでさ。 急で悪いんだけど…… 向こうに着いたら、少し寄り道を させてもらいたいんだよね。 @400 寄り道……ですか? @100 ……\sうん。 !wait60 !mvnil !bgm !bgs @0 「ちょっと、昔の友達に会いにね……」 !wait100 @1 中学校に入学して間もなく…… \s僕は、すぐにたくさんの友達ができた……。 リョウヘイは……その内の一人……。 彼とは、僕が引っ越してからも ずっとメールで連絡を取り合ってて……。 同じ学校に通うことになった今でも、 昔とあまり変わらない交友が続いている……。 そう考えると……当時の友達の中では、 一番、仲が良かったんだろうね……。 !wait60 そして……。 そんな大勢いた友達の中に…… \sもう一人、特に仲の良かった子がいる……。 ……\sいや。 正確には……\s\r[い,・]\r[た,・]、\sだよね……。 だって……その子は、もう……。 !wait100 @0 !mv七影霊園 !bgm別れ !wait30 @100 ……。 @200 ……\sあれから、もう4年か。 ホント、早いもんだよな……。 @100 ……そうだね。 @202 けど、やっぱ線香だけってのは なんだか寂しいよな……。 どうせ来るなら、お供え物も ちゃんと用意しとくべきだったぜ。 @100 まあ、しょうがないよ、 急だったんだし……。 こうして会いに来ただけでも、 十分に意味はあるさ。 @402 ……。 !wait40 あ、あの……。 まさか、その友達っていうのは……。 @100 ……\sうん。 名前は……\s笹原サエ……。 死んじゃったんだ、4年前に……。 @402 ……。 そうだったん、ですか……。 @100 ……。 !wait40 @1 墓石に刻み込まれた、 二つの名前と、一つの日付……。 笹原サエ……\s笹原コウイチ……。 没年、2013年8月14日……。 ……。 僕たちの生活や、周りを取り巻く環境は、 この数年で大きく変わったけど……。 そこに刻まれた文字だけは、 何年経っても、決して変わらない……。 現実に起こった、過去の事実…… \s僕だって、それは十分に理解してる……。 「あの日」の記録は…… \s僕の頭にも……\sこの体にも…… \sはっきりと刻み込まれてるんだから……。 @100 ……。 !wait40 サエちゃん……\sコウイチさん……。 事件……ようやく解決しました。 今日は、その報告です。 !wait60 !mvnil @1 それだけ言って、静かに目を閉じ、 お墓の前で手を合わせる……。 ……。 そう……\sもう4年経ったんだ……。 中学に入って、初めての夏休み……。 コウイチさんのお誘いを受け、 三人で食事に行った……あの日……。 その途中で起こってしまった…… \s今も忘れられない、あの出来事から……。 @0 !mv !wait40 !bgm !wait60 !bgmゆったり雰囲気 !wait40 !se(Action)学内歩き @1 \c[4]「……」 \c[4]「サエちゃんのパパさん……  \s今日は、本当にありがとうございます」 \c[4]「食事に連れて行ってもらえるなんて、  まるで、夢を見てるようです……」 \c[2]「……シシト君」 \c[2]「今から行くの、普通のレストランだよ?」 \c[2]「それ、ちょっとオーバー過ぎじゃない?」 \c[4]「毎日の食生活と比べたら、  天と地ほどの差があるんだよ」 \c[4]「今日だって、まだ何も食べてなかったし……」 \c[2]「そ、そうなんだ……」 \c[3]「はっはっは、シシト君も大変だね」 \c[3]「これは是非とも、お腹いっぱいに  なってもらわなければな……」 \c[3]「お金のことは気にしなくていいから、  今日は、思う存分食べなさい」 \c[4]「……うーん」 \c[4]「でも……ホントにいいんですか?」 \c[4]「親子水入らずの食事なのに、  僕がついて行っても……」 \c[3]「当然だよ」 \c[3]「シシト君には、ウチのサエと  いつも仲良くしてもらってるんだ」 \c[3]「食事にくらい招待しなければ、  私としても気分が悪い」 \c[4]「そんなモンなんですかねぇ……」 \c[2]「まあ、深く考えなくてもいいんじゃない?」 \c[2]「タダでご馳走を食べられるんだしさ」 \c[3]「ああ、サエの言う通りだ」 \c[3]「何も遠慮することは無いよ」 \c[4]「……」 \c[4]「まあ、そうですよね……」 \c[4]「じゃあ……今日はお言葉に  甘えさせてもらいます」 \c[3]「うんうん、それが一番だ」 \c[3]「今日行くのは普通のレストランだが、  また機会があれば、もっといいお店にも  連れて行ってあげるからね」 \c[4]「えっ、またいいんですか!?」 \c[4]「じゃあ、楽しみにしておきます!!」 \c[2]「シシト君、オーバー過ぎだって……」 \c[4]「あっ、ごめん、サエちゃん……」 \c[2]「別に謝らなくてもいいよ」 \c[2]「それに、もし謝るんなら……  私じゃなくて、お金を出してくれる  お父さんの方じゃない?」 \c[4]「……ごもっともです」 \c[3]「はっはっは」 \c[3]「サエから話は聞いていたが……  シシト君は、本当に面白い子だね」 \c[2]「でしょ?」 \c[2]「シシト君、いっつもこんな感じなんだ」 \c[4]「ははは……」 \c[2]\f[12]「まあ、それがいいとこなんだけどね……」 \c[4]「んっ、サエちゃんどうかした?」 \c[2]「なっ、なんでもないよ!!」 \c[4]「……?」 !wait60 !bgm !se(Action)学内歩き スタスタ \c[4]「……\sんっ?」 \c[5]「どうも、笹原警視……」 \c[3]「むっ、お前か……」 \c[3]「こんな所で、一体どうしたんだ?」 \c[5]「少し、警視に用がありましてね……」 \c[4](うわっ、すっごい顔してるな、この人……) \c[2]「この人……お父さんの知り合いなの?」 \c[3]「ああ、そうだよ」 \c[3]「彼は……」 !wait5 !se(Action)カチャッ !wait10 !se(Action)銃声 \c[2]「……\sえっ?」 \c[4]「なっ……!」 \c[5]「……」 !wait60 \c[5]「\r[生憎,あいにく]、私も色々と忙しい身でしてね……」 \c[5]「話の続きは……あの世でゆっくりと  聞かせてあげてください……」 !se(Action)カチャッ \c[5]「娘さんも、すぐお送りしますから……」 \c[2]「あっ……」 !se(Action)跳ね \c[4]「サエちゃん、危ないっ!!」 @0 !mv !se(Action)銃声 !wait100 @1 それは、一瞬の出来事だった……。 突然現れた男の凶弾を受け、 その場に崩れ落ちたコウイチさん……。 直後、今度はその銃口が サエちゃんの方にも向けられて……。 僕はとっさにサエちゃんを\r[庇,かば]い…… \s胸を撃たれて、そこで意識を失った……。 !wait60 これが……\s4年前に起こった、 「0814フォックス事件」と呼ばれる 事件の一部始終……。 僕たちを撃った犯人は、 その後、警察が到着する前に どこかへと逃走して……。 サエちゃんとコウイチさんは、 頭を撃たれて、死んでしまったんだ……。 ……。 でも……。 あの時、胸を撃たれた僕だけは…… \s今も、こうして生き続けている……。 事件で死んだサエちゃんの心臓を、 移植されたおかげでね……。 !wait100 @0 !mv七影霊園 !bgm別れ !wait20 @100 ……。 !wait40 なんだか、不思議だな……。 昔だったら、事実を認めるのがイヤで、 ここに来ることも無かったのに……。 今は、何事も無くお墓の前に 立ってる自分がいる……。 @200 それだけ、シシトも成長したって ことなんだろうな……。 @102 ……どうだろ? 僕自身は、あまり変わってない 気がするんだけど……。 @200 そんな事は無いと思うぜ。 少なくとも、事件直後と比べたら 間違いなく変わってるさ。 @100 確かに、あの時ばかりは 本当に酷い状態だったからね。 退院した後も気分が落ち込んだままで、 ずっとウチに閉じこもってたし……。 @202 メール打っても、電話かけても、 全く反応無かったもんな……。 あのまま夏休み終わってたら、 登校拒否しちまうんじゃないかって 本気で心配してたんだぜ。 @102 うん、そうなってた可能性は 十分に考えられるね……。 ……。 @100 ……でも。 僕がそうならずに済んだのは、 リョウヘイの励ましがあったからだよ。 @200 オレは一人のダチとして、 当たり前のことをしただけだぜ。 お前がオレの立場だったとしても、 きっと同じようなことをしてたんじゃね? @100 ……\sかもね。 !wait20 @1 事件が起こってから数日後……。 夏休みも終わりに近づいたある日…… 突然、リョウヘイがウチに押しかけてきた。 最初は、誰とも会う気なんて 全く無かったんだけど……。 わざわざ家まで来てくれた友達を、 そのまま追い返すワケにもいかないし……。 リョウヘイなら会ってもいいかって、 なんとなく、そう思ったのかもしれない……。 だから、僕はリョウヘイと会って 話をしてみることにしたんだ。 !wait20 !mvnil \c[1]「お前……もう傷は大丈夫なんだろ?」 \c[1]「どうして、ずっと家に閉じこもってんだよ」 \c[1]「みんな、すっげー心配してるんだぜ」 \c[4]「……」 \c[4]「確かに、全く返事を返さなかった  僕も悪いんだろうけど……」 \c[4]「もう少し……放っておいてくれないかな……」 \c[1]「……\sなんでだよ」 \c[1]「お前、今までは何が起きても、  平気で乗り越えてきたじゃないか……」 \c[1]「そんなの……シシトらしくないぜ」 \c[4]「……」 !wait40 \c[4]「だって……」 \c[4]「僕、サエちゃんを庇って撃たれたのに……」 \c[4]「サエちゃん……結局、死んじゃった……」 \c[4]「大事な友達だったのに……  助けること、できなかった……」 \c[4]「僕は……無力だったんだよ……」 \c[1]「……\s言いたいことは、分かる」 \c[1]「でもな……起こっちまったモンは、  もう取り戻せねぇんだ……」 \c[1]「だから……今度は助けられるように、  もっと強くなりゃいいじゃねーか」 \c[1]「簡単に諦めんなよ……\sそれがシシトだろ?」 \c[4]「……」 !wait40 \c[4]「もう……\sいいんだよ……」 \c[4]「僕には、誰も助けられない……  \sサエちゃんだって、そう思ってる……」 \c[4]「そんな人間、生きてる意味なんて……」 \c[1]「……てめっ!」 !wait5 !se(Action)殴打 \c[4]「痛っ!!」 !se(Action)跳ね \c[1]「そんな事言うんじゃねー!!」 \c[1]「黙って聞いてりゃ、好き放題に  言いやがって……!」 \c[1]「お前……これ以上サエちゃんを  悲しませたいのかよ!?」 \c[4]「……っ!?」 !wait40 \c[1]「……」 \c[1]「助けようと思って……必死だったんだろ?」 \c[1]「サエちゃんが、そんなお前を  バカにするワケねぇよ……」 \c[1]「そうじゃなかったら、お前の心臓だって、  とっくに止まってるはずだせ……」 \c[4]「あっ……」 \c[1]「……\sだからさ」 \c[1]「生きろよ……\sサエちゃんの分まで……」 \c[1]「しっかり生きて……その気持ちを  ずっと忘れずに持ってろよ」 \c[1]「それが……今、お前のやるべき事だ」 \c[1]「……違うか?」 \c[4]「……」 \c[4]「リョウヘイ……」 !wait80 @0 !mv七影霊園 !wait20 @100 ……。 あの時、リョウヘイの言った言葉 本当によく効いたな……。 @202 今思うと、シシトには悪いことしたぜ……。 誰だって、あんな事があったら 絶対に落ち込むのにな……。 @102 いや、別に悪いとは思ってないよ。 あれくらいしてもらってなきゃ、 すぐには立ち直れなかっただろうし……。 リョウヘイには、今も感謝してるよ。 @200 へっ、そりゃどうも。 @1 サエちゃんの分まで生きる……。 心臓を移植された僕にとっては、 文字通りの意味……。 リョウヘイの一言でそれに気付いて、 僕は……再びやる気を取り戻せたんだ……。 @100 (……\sそして) (いつの頃からか……  \s僕は、人を守る仕事がしたいって  思うようになったんだよね……) @1 もう、あんな事だけは繰り返したくない……。 ……そう強く思ったからなんだろう。 ただ生きるだけだった毎日に、 いつの間にか、新しい目標ができた。 人を守るために警察官になる……。 警察官になるために勉強を頑張って、 護身術なんかも覚えてる……。 半ば強制だったけど、魔法少女として 実際に人助けもやっている……。 騒がしい毎日なのは昔と一緒だけど…… \s目標が定まってからの人生は、 確かに充実してるんだ。 !wait40 だけど……。 @100 (無力、か……) @1 いくら毎日が充実しても…… \sいくら強くなったと思っても……。 僕が本当に欲しかった気持ちは、 それだけでは得られない……。 心の片隅に今も渦巻き続けている、 どこか、やりきれない思い……。 真犯人のリュウゾウが死に、 フォックス事件が解決を迎えても、 決して消えはしなかった……。 実感の伴わない努力…… \sでも、無駄だって思いたくない……。 中学校に行くことをためらったのも、 きっと、その気持ちが原因なんだと思う……。 この場所に来ると、自分の無力さを 思い知らされる気がしたから……。 自分の人生が、否定されてしまうから……。 @100 ……。 @200 ……。 @402 ……。 シシトさん……岸さん……。 @102 あっと……ごめん、セト……。 @202 こんな場所で時間使っちまって、 悪かったな……。 @404 い、いえっ! そんな事はありません! !wait20 @402 ……\sだって。 二人にとっては、本当に大事な お友達だったんですよね? @100 ……\sうん。 @200 まあ、とにかく…… これで寄り道は終わりだ。 こっからが、本格的な思い出探しだぜ。 @102 寄り道で時間使った分、 僕たちも頑張って探さないとね。 @200 じゃあ、そろそろ行くか。 @400 分かりました。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ !wait30 !bgm !wait30 @100 ……。 !wait40 さよなら……\sサエちゃん……。 そのうち、また来るよ……。 !wait40 !se(Action)学内歩き @0 !mvnil !wait80 @1 起きてしまったことは、もう戻らない……。 だから……\s僕は進み続ける。 誰かを助けることが、今の僕にとって、 たった一つの生きる意味……。 サエちゃんに対して償うことができる、 たった一つの方法なんだ……。 !wait60 だから……\s僕は探し続ける。 サエちゃんと入れ代わるようにして、 僕の前に現れた女の子……。 セトが失くした……思い出をね……。 !wait100 @0 !mv \> \