#Silhouette Extra Tale 改訂版 第3章「束の間の平穏」前編 !v27=2 !v28=1 !v35=2 !wait60 ある日……私は全ての記憶を失った……。 自分のことも、家族や友人のことも、 何一つとして思い出せない……。 身近な人さえ遠くに感じてしまう毎日……。 目の前には、目隠しをされたかのように 真っ暗な世界が広がっていて……。 自分のいる場所も分からないまま…… たった一人で、暗闇の中を\r[彷徨,さまよ]っていた……。 ……。 !wait60 だけど……。 彷徨うばかりだった毎日の中で…… 私は、ようやく一つの記憶を見つけた……。 暗闇の中に差し込んだ、思い出の光…… \sまだ小さいけど、とっても\r[眩,まぶ]しい……。 そんな思い出の中に出てきた、 ある、一人の人物……。 私が最初に思い出した、その人は…… \s今、私の一番近くにいるんだ……。 !wait100 \f[22]Silhouette Extra Tale 第3章 \s\f[40]束の間の平穏 \s\m[46]\f[32]-Temporal- !se(System)キー3 !wait120 !v5=1 !mv住宅地 !bgm夜の静けさ !wait40 !se(Action)学内歩き !wait35 !se(Action)学内歩き !wait50 @102 ……\sふう。 ようやくアクアフロートまで 戻って来れたね……。 @202 予想はしてたけど…… だいぶ遅くなっちまったな。 さすがに陸路はキツイぜ……。 @402 もう、すっかり日も暮れちゃいましたね。 @100 そうだね、もう11月だし……。 日没の時間も早くなったよ。 @202 ……はぁ。 そういや、まだ11月なんだな……。 明後日から普通授業に戻っちまうし、 冬休みが待ち遠しいぜ……。 @102 それは気が早すぎじゃない? @200 健全な男子高校生だったら、 誰だってそう考えるさ。 @102 悪かったね、不健全で……。 @200 まあ、授業とテストが無くなれば 学校も楽しいんだけどな……。 みんなでワイワイ騒いでるだけで、 簡単に一日が終わりそうだぜ。 @102 そんなの学校って言わないよ……。 @400 ……。 学校かぁ……。 @202 おっと、悪い……。 セト、今は休学中なんだよな。 @400 いえ、気にしないでください。 何も覚えてない状態で学校に行ったら、 色々と迷惑かけちゃいますからね。 ……。 @402 それに、授業の予習や復習も しないといけませんし……。 @102 記憶を取り戻す以外にも、まだまだ やることがいっぱいあるね……。 @202 この分だと、学校行くには もう少し時間がかかっちまうな……。 @404 でも、私は大丈夫です。 少しずつでも思い出していくのが、 一番の近道ですから……。 今は我慢して、記憶を 取り戻すことに専念します。 @200 ああ、まずはそれからだな。 焦らず頑張っていこうぜ。 @404 はいっ! !wait20 @200 ……。 けど……安心したぜ。 @400 えっ……? @200 セト、記憶喪失になってから ずっと無理してるようだったからな。 オレたちには何も言わなかったけど、 実際、すごく辛かったんだろ? @402 あっ……。 @102 やっぱり……リョウヘイも 気付いてたんだね。 @200 まっ、なんとなくだけどな……。 でも……もう、大丈夫そうだ。 今のセト、なんだか とっても元気に見えるぜ。 @403 そ……そうですか? @100 やっぱり、一つでも思い出せたのが 大きかったんだろうね……。 小さな収穫だったけど…… 今日の訪問は大成功だったよ。 @202 これで収穫なかったら、 プリクラ撮りに行っただけで 終わってたもんな……。 @102 うん、全くだ。 @400 \f[12]私には、すごく大きな収穫でしたけどね……。 @100 ……\sセト? @402 ……へっ? @102 なんか、さっきから僕のこと ちらちら見てた気がしたんだけど……。 どうかしたの? !se(Action)跳ね @401 い、いえっ!! ななっ、何でもありません!! @100 まあ、ならいいけど……。 @102 何かあった時は、我慢しないで 遠慮なく言ってよね……。 じゃないと、逆に心配しちゃうから……。 @403 は、はい……。 分かり……ました……。 @200 (……\sふーん) (なるほど、そういう事か……) (そりゃあ元気も出るはずだぜ) (……) @202 (シシトの方は、全く気付いて  ないっぽいけどな……) !wait30 !se(Action)学内歩き @100 ……っと、ようやくウチに着いたね。 @200 おっ、もう着いたか……。 じゃ、オレこっちだから…… 二人とも、今日はお疲れさん。 @100 うん、お疲れ。 @404 岸さん、今日は本当に ありがとうございました! @200 おう。 もう、あれこれ考えすぎて、 一人で悩んだりすんじゃねぇぞ。 辛くなった時は、シシトにでも どーんとぶつけちまえ。 分かったな? @402 えっ、でも……。 @102 なんとも人任せな言い方だね……。 @200 けど、今は一緒の家に住んでんだし、 必然的にそうなんだろ? だから、セトもシシトのことを、 彼氏とか兄貴くらいに思ったって いいんじゃないか? @401 えええええーっ!? @102 いや、セト慌てすぎだから……。 例えばの話だよ、例えば。 @402 そ……そうですよね。 ごめんなさい……。 @100 でも、確かに一人きりで 悩んじゃダメだよ。 ウチなら母さんや姉さんだっているし、 誰を頼っても構わないからね。 @202 (コイツ、やっぱ気付いてねぇな……) !wait20 @200 ……まっ、とにかくそういう事だ。 また新しい方法思いついたら、 すぐに連絡するからな。 じゃあ、オレは帰るぜ。 @404 は、はいっ! @100 またねー。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ !wait30 @400 ……。 @100 じゃあ……僕たちもウチに入ろうか。 @400 \f[12]彼氏やお兄さん、か……。 @102 ……セト? @400 ……っ! @404 は、はいっ! ウチに入るんですねっ! @102 ……。 セト……本当に大丈夫? @404 もちろんです! @100 ……とにかく、早く中に入ろう。 帰りが遅くて、母さんたちも 心配してるだろうから……。 @400 はーい。 !se(Action)学内歩き @0 !wait40 !mv自宅 !bgm !wait40 !se(Action)ドア開け !wait20 !bgm安らぎ @100 ただいまー。 @400 ただいまです。 @111 はいはーい、おかえりなさーい。 @120 おかえり、ずいぶん遅かったわね。 @102 僕も、こんなに遅くなるとは 思ってませんでした……。 @121 はぁ……全くもう……。 遠出するなら、ちゃんと 時間を決めて行動しなさいよ……。 もう高校生なんでしょ? @102 ……はい。 @402 ごめんなさい……。 @120 セトちゃんが謝ることじゃないわ。 引率者であるシシトの責任よ。 @111 これは罰として、\r[エアー,ご飯抜き]の刑かしら? @121 当然。 @104 ええーっ!? !se(Action)跳ね @404 ちょ、ちょっと待ってください! @110 えっ……? @120 ……セトちゃん? @404 シシトさんは、何も悪くありません! ホントは、もっと早く帰るはずだったけど、 私が何も思い出せないままだから、 遅くまで残ってくれたんです! 悪いのは私なんですから…… \s私のご飯をエアーにしてください! @102 あ、いや……別にいいんだよ。 ちゃんと予定も立てずに、 当てずっぽうで歩き回ってたのは 事実なんだし……。 それに、エアーはいつものことで もう慣れちゃってるから……。 @402 で、でも……シシトさん、今日は 朝ご飯も食べてませんし……。 私のために学校中を歩き回って、 すごく疲れてるはずなのに……。 その上、晩ご飯抜きだなんて……。 @102 いや、だからってさ……。 @110 ……。 @120 ……。 !wait40 @121 ……\sふう。 しょうがないわね……。 @100 おっ? @120 ……\s母さん? @110 ええ、分かってるわ。 さすがに、セトちゃんのご飯まで エアーにはできないもの……。 @400 えっ、それじゃあ……。 @111 セトちゃんに免じて、今日の エアーの刑は無しにしましょう。 !se(Action)爆発音 @103 \f[40]よっしゃぁぁー!! @401 ビクッ!! @121 シシト、喜びすぎ。 @102 いやぁ、つい嬉しくて……。 @111 毎日エアーの刑にすれば、 免除された時の喜びも倍増よ♪ @104 いえ、\r[滅相,めっそう]もありません! 僕は今のままで十分です! @111 ほほほ。 @120 ……まっ、今日だけは特別よ。 セトちゃんに感謝しなさい。 @102 おっと、そうだね……。 セト、ありがとう。 @403 い、いえ……。 私……別に、何も……。 @100 ……セト、熱でもあるの? 少し顔が赤くなってるよ? !se(Action)跳ね @401 きっ、気のせいですよー!! @102 ……そう? @111 (あらあら……) @120 (えっ、ちょっと……) (もしかして、セトちゃん……) @100 まあ……どっちにしても 制服のままじゃ寒いだろうし……。 早く着替えた方がいいよ。 @402 そ……そうですね。 じゃあ……。 @120 あ、待って。 どうせなら、先にお風呂 入っちゃえばいいんじゃない? @110 そうね、もうお湯も沸いてるし……。 帰ってきたばかりだから、 体も暖まって気持ちいいわよ。 @102 ああ……なら、それもアリだね。 @400 えっ、いいんですか? @120 もちろんよ。 着替えは準備しといてあげるから、 さっそく入ってきちゃいなさい。 @404 はいっ! じゃあ、お言葉に甘えて…… お風呂先に入らせてもらいます! @111 ごゆっくりど〜ぞ〜♪ !se(Action)学内歩き @1 スタスタ !wait30 @120 ……\sふーん。 @100 んじゃ、僕も着替えを……。 @120 ジロジロ @102 ……\sあのさ。 姉さん……なんで僕のこと ジロジロ見てるの? @121 ……人間国宝級のバカね。 @101 ちょ、なんでいきなりそうなるのさ!? @120 さあね。 それより、とっとと着替えて 晩ご飯の手伝いくらいしなさいよ。 @111 エアーの刑を免除してあげた分、 しっかりと働いてもらうわね♪ @102 ……は〜い。 !se(Action)学内歩き @0 !mvnil !wait60 !mv自宅 !wait40 !v27=1 !v35=1 @120 ……\sへえ〜。 シシトって、中学時代から 無茶苦茶なことやってたのね。 @111 ほほほ、『七影中の暴走列車』なんて 久しぶりに聞いたわ〜。 @102 ははっ……。 @400 シイナさん、知らなかったんですか? @120 私、大学時代はずっと 一人暮らしをしてたからね。 シシトの学校生活については、 ほとんど何も知らないのよ。 @400 なるほど。 @102 姉さんが知って得するような話は 一つも無いだろうけどね……。 @120 別にいいじゃないの。 こういう時くらい色々話しなさいよ。 @111 そうそう、面白い話は みんなで楽しまなくちゃね♪ @102 僕にとっては面白くないんですが……。 @121 シシトだから問題なし。 @101 その一言で全部通さないでー!! @111 ほほほ。 @833 ダメだ、話の流れについていけぬ……。 (モグモグ) @402 私も、ちょっと自信ありません……。 !wait40 @110 ……でも、本当によかったわ。 セトちゃんが、昔の記憶を 一つでも思い出すことができて……。 @120 そうね、これは大きな前進だわ。 おめでとう、セトちゃん。 @404 は、はいっ! ありがとうございます! @120 けど、まさか最初に思い出せたのが 学校の屋上だったなんてね……。 しかも、シシトと初めて出会った 思い出の場所、か……。 @402 それ以外には、まだ何も 思い出せないんですけどね……。 @120 うーん、せっかくここまで 思い出せたのに……。 シシト、あなた本当に何も覚えてないの? @102 残念ながら、僕もさっぱりです。 @121 ……使えない奴。 @105 ガーン!! @110 まあまあ、焦らなくても大丈夫よ。 時間が経てば、きっと思い出せるわ。 @111 なんたって、セトちゃんにとって すっごく大事な思い出なんですもの\wh @120 それもそうね。 @400 ……えっ? !wait20 @403 あっ、その……。 確かに、大事な思い出では あるんでしょうけど……。 たまたま覚えていただけで、 特別なことは何も……。 @120 そうかしら? 今まで色々と探し回ってきて、 やっと見つけた思い出なんですもの。 セトちゃんにとって、きっと 意味のある思い出だと思うわ。 @402 そ、それはそうですが……。 @111 ……実は、全部覚えてるんだけど 恥ずかしくて言えないとか? @120 ああ、なるほどね。 !se(Action)跳ね @401 ちっ、違いますって!! 本当に何も覚えてないんですよー!! @120 その割には動揺しすぎね。 @111 ほほほ。 @102 二人とも、その辺でやめときなよ。 セトが困ってるじゃん……。 @402 ……あっ。 @120 (おっ?) @100 セトの言う通り、まだ全部 思い出したワケじゃないんだ。 話を聞くのは、それからでも 遅くはないだろうし……。 だから、今はあれこれと 問い詰めないであげようよ。 @403 シ、シシトさん……。 @111 あらあら、シシトに説教されちゃったわ。 @120 ……確かに、少し悪ふざけが過ぎたわね。 @121 セトちゃん、ごめんなさい……。 @402 い、いえ……謝らないでください。 ちゃんと全部思い出してから、 改めてお話しますから……。 @110 そうね、それまで楽しみにしておくわ。 @404 はいっ! @120 シシト、ちょっと見直したわよ。 たまにはいいこと言うじゃないの。 @102 まあ、それがセトにとって いい思い出とも限らないしね。 今回はたまたま学校の屋上だったけど、 もっと印象深い思い出だって、 きっとあるだろうし……。 @121 (って、全く気付いてないのね……) !wait30 @400 ……\sあっ。 私、これでごちそうさまです。 @100 あれっ、もう終わりなの? @402 なんだか、今日はすっごく 疲れちゃったみたいで……。 申し訳ないですけど…… 先に部屋で休ませてもらいます。 @102 まあ、無理もないよね…… 一日中歩きっぱなしだったし。 @833 それは大変だったな……。 @100 じゃあ、セトが休めるように 部屋の中を少し片付けとこうか。 @402 あっ、いえ……別に大丈夫ですよ。 私、何もしませんから……。 @100 だけど、片付いた部屋の方が 気分も落ち着くと思うよ? これくらい大したことじゃないから、 気にしないで。 @403 ……。 あ、ありがとうございます……。 @102 まあ……本音を言っちゃえば、 少し心配なんだよね……。 セト、どうも様子がおかしくて……。 @830 そう思うのなら、我が側についていよう。 @100 えっ、いいの? @830 構わん、我も食事が終わったところだ。 @102 メス犬なのに、食べるの早いね……。 @833 だから、メス犬って言うな! お前たちの会話についていけなくて、 食べる以外に何もできなかっただけだ! @102 ああ、なるほどね……。 !wait20 @100 ……\sじゃあ。 セトはクロウに任せるとして、 ひとまず部屋に行こうか。 @830 うむ、\r[承知,しょうち]した。 @100 セト、行くよー。 @403 は、はい……。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ ……。 !wait40 @110 ……。 @120 ……これはカンペキね。 セトちゃん、とっても分かりやすいわ。 @111 ほほほ、若いっていいわね〜♪ @121 ……それに引き換え。 シシト、どうしてあそこまで 鈍いのかしら……。 @110 でも、全くその気が無いって ワケでもなさそうよ。 @111 あの子、なんだかんだで けっこう気を\r[遣,つか]ってるじゃない? @120 それは同感ね。 シシトがこんなに気配りできるなんて、 正直、ちょっと驚いた……。 @110 ええ、私もよ。 @120 うーん……一応、脈はありそうだし……。 あとは、きっかけがあればね……。 @110 ……\sシイナ。 @120 何? @111 ……何か考えてるわね? @120 ……\sまあ、ね。 セトちゃんの記憶は大事だけど、 こっちの線も何とかしてあげたいし……。 @111 あらあら、シイナは一体 どっちのお姉さんなのかしら? @121 べ……別にいいじゃない。 母さんは母さんで、この状況を 結構楽しんでるんでしょ? @111 もちろんよ〜♪ こんな面白そうなこと、 滅多にお目にかかれないわ。 @121 母さんらしいね……。 !wait20 @110 ……\sそれで。 シイナは、何かいい方法でも 思いついたのかしら? @120 ……。 こんな方法……どうかな? @1 \f[16]「ぼそぼそ……」 !wait60 @111 なるほど、それは名案ね♪ じゃあ、明日にでも決行しましょう。 @120 まあ、確かに明日も休みだから できなくはないんだけど……。 母さん、大丈夫なの? @110 私はいつだって平気よ。 それに、どうせやるんだったら 早い方が断然いいわ。 @111 「思い立ったら翌日」って言うしね♪ @121 母さん、それ吉日だから……。 !wait30 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ @102 ……ふう。 @110 あら、シシト。 @120 もう下りてきたの? @100 部屋の片付けしてきただけだから、 大して時間はかからないよ。 あとはクロウがいるしね。 @121 (ああ、もう……やっぱりダメね……) @102 ……。 姉さん……なんか怒ってる? @120 私のこと気にするより先に、 もっと違う方向に目を向けなさい。 @102 ……\s母さんとか? @111 あら、や〜ね〜\wh @102 言葉と表情が一致してません……。 @121 (……バカ) !wait20 @110 まあ、それはさておき……。 シシト、ちょっと話があるの。 @100 んっ、何? @110 ……。 突然で悪いんだけど……。 @100 ……うん。 !wait40 !bgm @111 私とシイナ、明日の朝から ちょっと出かけてくることにしたの。 帰ってくるのは月曜の朝だから…… \sそれまで、セトちゃんと留守番ヨロシク\wh @100 ……。 !wait40 !bgmコミカル @104 \f[32]はああぁぁぁーっ!? ちょ、ちょっと待って! @120 シシト、ウチで待つのはあなたよ。 !se(Action)殴打 @101 いや、それ意味違うから! !se(Action)ビシッ @111 ナイスつっこみ! !se(Action)爆発音 @105 \f[40]漫才するなぁぁぁー!! @120 じゃあ、何なのよ? @102 いや、だってさ……。 セトをウチに連れて来たのは、 母さんや姉さんが面倒見てくれると 思ったからなんだよ? いくらなんでも、僕一人でセトの面倒 全部見られるワケ無いじゃん。 @120 それなら心配しなくていいわ。 お金は十分に置いて行くから、 困った時は好きなだけ使いなさい。 はい、シシトのICカード。 !se(Event)アイテム入手A @102 ……って、いつの間に? @120 それより、中身を確認して。 @100 ……。 !wait30 @104 うわっ、何これ!? なんか、とんでもない金額が 入ってるんだけど!? @120 私の貯金、半分入れといたわ。 これなら文句無いでしょ? @111 さすがシイナ、用意がいいわね♪ @102 いや、確かに金額だけなら 言うこと無いけどさ……。 そんな大切なお金、簡単に 使えるワケ無いじゃん。 @120 いいのよ、セトちゃんの方が ずっと大切なんだし……。 食事は、近所のレストランにでも 連れてってあげなさい。 @110 そうね、シイナの言う通りよ。 @111 ついでに、もし面倒だったら そのままホテルにでも……。 @101 母さーん、別のこと考えてませんかー!? @111 ほほほ\wh @102 ……ってかさ。 ここまで僕に全部押し付けといて、 一体、どこに行くつもりなの? @120 ……\sえっ? そ、それは……その……。 @111 フランスパンツよ\wh @104 フランスパンツ!? @120 ちょ、ちょっと母さん!? フランスパンツって何よ、それ!? @111 それは着いてからのお楽しみ〜♪ @102 (これから出かけるはずの姉さんが、  なんで何も知らないのさ……) @120 というか、そんな怪しい場所 行きたくないんだけど……。 なんか、知るのも怖いし……。 @111 知りたくないと思っても、我慢してたら 気になりすぎて死んじゃうわよ〜。 @121 別に死んだりしないって……。 @102 (でも、少し気になるかも……) @110 まあ、こんな機会は滅多にないし、 たまにはいいじゃない。 @111 母と娘……女二人だけで ゆっくり楽しんじゃいましょう♪ @120 ……。 !wait40 @121 ……\sはぁ。 分かったわよ……。 行けばいいんでしょ? 行けば……。 @111 そうこなくっちゃ\wh @102 それでいいのか、姉さん……。 @121 (誰のためだと思ってるのよ、全く……) @102 ……でもなぁ。 急に出かけてくるって言われても やっぱり困るんだけど……。 なんで、もっと早くに 言ってくれなかったのさ? @111 「思い立ったら翌日」って言うからね♪ @102 母さん、それ吉日だから……。 @120 (あっ、私と同じこと言った……) @110 まっ、とにかくそういうワケで……。 明日一日、セトちゃんのことは シシトに全部任せるわ。 @120 せっかくの機会なんだし…… 一人で色々と頑張ってみなさい。 そうすれば、きっといいことあるわ。 @100 ……\sそうだね。 !wait20 @102 これも社会勉強だと思って…… やるだけの事はやってみま〜す。 @121 (いや、社会勉強って何よ……) @111 (ここまで来ると世界遺産級ね\wh) @102 (……\sやれやれ) (明日は大変そうだなぁ……) !mvnil @0 !mv !wait40 !bgm !wait60 @1 そして……夜は\r[更,ふ]ける……。 !wait60 @0 !mvシシトの部屋 !bgm夜の静けさ !wait30 @1 「すーすー」 @100 セト……ぐっすり眠ってるね。 @830 どうやら、相当疲れていたようだ。 シシトが下りた後、布団に入って すぐに寝付いてしまったぞ。 @100 ……やっぱり、僕やリョウヘイに 気を遣ってたんだろうな。 ずっと歩きっぱなしだったのに、 「疲れた」なんて一言も言わなくて……。 ホント……よく頑張ったよ。 @830 そうだな……。 その\r[甲斐,かい]あって、十分な成果も 得られたようで何よりだ。 シシトも、よく頑張ったぞ。 @102 僕は何もやってないって。 これも全ては、セトの頑張りと リョウヘイの提案があってのことさ。 @830 まあ、そう言うな。 シシトも疲れたであろう? 今日は、早めに休んでおけ。 @100 うん、そうするよ。 ……。 @102 明日は、僕一人でセトの面倒を 全部見なきゃいけないし……。 十分に体を休めとかないと、ね……。 @830 \r[案,あん]ずるな、我もできる範囲で 協力するつもりだ。 @100 じゃあ……クロウには 床の掃除をお願いしようかな? @833 おい、待てっ! 我をモップの代わりにでも するつもりか!? @102 \r[雑巾,ぞうきん]やスポンジの方がよかった? @831 大して変わらんわー!! @100 まあ、一日くらいだし…… 別に家事はやらなくてもいいか。 優先すべきなのは、セトの面倒を 見てあげることだもんね。 @833 (……ほっ) !wait40 @1 !se(System)決定 新着メールが届きました。 @100 あっ、メールが来た……。 ……。 @102 非通知……ジェイクさんかな? @830 何者だ? @100 セトのお父さん。 @830 ほう……。 @100 とにかく、読んでみよう。 !wait10 @1 !se(System)ピッ \c[2]\f[18]『突然ですまない』 送信者:??? \c[0]村上シシト、渡す物がある。今すぐ海岸公園に来てくれ。 @100 ……やっぱり、ジェイクさんからだ。 !wait20 @102 こんな時間に……ずいぶん急だな。 @830 しかも、海岸公園とは…… かなり遠い場所ではないのか? 渡すだけなら、直接家まで来れば 手っ取り早いと思うのだが……。 @102 なんでも、ジェイクさんは 危険な仕事をやってるらしくてね……。 あんまり人前に顔を出せないんだ。 @833 そ……そうなのか? @100 実は、かくかくしかじかで……。 @830 ……\sなるほど。 全ては……セトを初めとして、 無関係な人間を巻き込まないための 慎重な行動というワケか……。 立派な父親なのだな……。 @102 (便利な言葉だ……) @830 事情は分かった。 向こうにも都合があるだろうし…… 今は、早く海岸公園へ向かうべきだろう。 @100 うん、そうだね。 @830 ちなみに、マジカルステッキは 持ち歩いているか? @100 大丈夫、もしもの時に備えて ちゃんと常備してるよ。 @102 何が起こってもおかしくない 世の中だからね……。 @830 うむ、それならいい。 今回は我も同行するぞ。 @100 了解。 @830 では、さっそく……。 @102 ……っと、母さんに見つかると 面倒だし、窓から出よう。 @833 徹底してるな……。 @100 よっと……。 !se(Action)跳ね @0 !mvnil !wait40 !bgm !wait80 !se(Action)学内歩き !wait50 !se(Action)学内歩き !wait70 !bgmサスペンス @1 「……」 「\r[ア,・]\r[レ,・]を確認してから、すでに10日……」 「依然、反応は消滅したままで……  \s未だに進展は無し、と……」 「……\sやれやれ」 「彼らに期待して泳がせていましたが……」 「これ以上は、もう待てませんね……」 「やはり、ここは私自身が動くべきでしょう」 「さて……まず、どうしたものか……」 !wait40 !se(Action)学内歩き 「……\sおやっ?」 !wait20 @0 !mv住宅地 !wait30 @831 こらっ、シシト!! 我をクッション代わりにして 落ちてくるなんて聞いてないぞ!! @102 だって、普通に飛び降りたら痛いじゃん。 クロウは僕のサポートとして \r[派遣,はけん]されたんでしょ? なら、別にいいかなと思って……。 @831 よくないわっ!! 最初から言っておいてくれれば、 もっと別の方法を……! @102 クロウ、こっそり出てきたんだから、 もう少し小声で喋ってね……。 @833 う、ぐっ……。 @100 とにかく、海岸公園へ急ごう。 ジェイクさんが待ってる。 !se(Action)学内歩き @0 !mvnil !wait60 @1 「……\sふむ」 「誰かと会う約束があるようですね……」 「彼らだけで向かったということは……  \sつまり、今、家の中には……」 !wait40 「……いえ」 「まだ、焦る必要はありませんね……」 「全ての事実を知っているのは、  \r[私,・]\r[だ,・]\r[け,・]なんですから……」 「ひとまず……後をつけてみましょう」 「考えるのは、それからで……」 !se(Action)学内歩き @0 !mv !mvnil !wait60 !bgm !wait60 !mv海岸公園 !bgm夜の静けさ !bgs(環境)波の音 !wait40 !se(Action)学内歩き !wait35 !se(Action)学内歩き !wait50 @100 ……さて、着いたはいいけど。 ジェイクさん……どこにいるのかな? @830 シシト、あそこに人がいるようだが……。 @100 んっ……? @500 ← @100 ああ、あの人だ。 @833 何、そうなのか? セトの父親にしては 老けすぎだと思ったんだが……。 @102 いや……あれ、変装だよ。 @830 よくできてるな……。 @100 ちなみに、あの変装中してる間は セトのおじいさんって事になってるから、 みんなには黙っておくように……。 もちろん……セトにもね。 @830 うむ、心得た。 @100 ……\sさて。 !se(Action)学内歩き @0 !wait40 @100 こんばんは、ジェイクさん。 @500 ……来たな。 @102 思ったよりも早く再会しましたね……。 @500 そうだな。 こんな時間で申し訳ないが……。 @100 いえ、特に問題は無いです。 @500 ところで……その犬は? @102 最近飼い始めました。 @830 ワンッ! @500 ふむ、そうか……。 @100 ……\sそれで。 一体、渡す物っていうのは……。 @500 これだ。 !se(Event)アイテム入手A !wait10 @100 ……メモリーチップ? @500 中身は、結婚する前から セトが生まれるまでの間に撮った、 俺と妻のデジタル写真だ。 こいつを、セトに見せてやってくれ。 @100 そうですか……。 ……。 @102 でも、セトが生まれる前の写真だし、 直接的な記憶の回復には 繋がらない気が……。 @500 ……だろうな。 俺も、これがきっかけになるとは あまり期待していない……。 @100 じゃあ……どうして、今これを? @500 父親の顔を知らずに過ごすのも、 あんまりだと思ってな……。 いつか渡そうと考えていたんだが…… やはり、なるべく早いうちに済ませた方が 色々と都合もいいだろう。 もしかしたら、これが最後の機会に なるかもしれんのだからな……。 @100 えっ……? @500 ほんのたとえ話だ。 それくらいの心構えがなければ、 この仕事はやってられん。 用心に越したことはないと、 そう思っただけだ……。 @102 ああ、そうですか……。 !wait20 @500 ……\sそれで。 その後……セトの様子はどうだ? @100 一つだけですけど……ようやく、 昔のことを思い出しました。 他の記憶を思い出すのも…… きっと、時間の問題だと思います。 @500 そうか……それはよかった。 @102 とは言っても、まだ一つであることに 変わりはないんですけどね……。 今後も、色んな方法を考えて 試してみようと思います。 @500 ……。 !wait40 村上シシト……。 @100 はい? @500 まさか方法を試すと言いながら、 それを口実にセトに手を出そうなどと……。 @102 いや、そんな事しませんから……。 @500 保障なんて、どこにも無かろう。 @830 それなら心配いらん。 セトの安全は、我が 責任を持って保障しよう。 @500 ……その犬、今、しゃべらなかったか? @831 ギクッ!! @101 (クロウうっかりしすぎだー!!) @833 ペ、ペットロボ です ウィーン @500 ふむ……そうだったか。 確かに、ロボットなら安心だな。 @102 (簡単に信じちゃったよ……) (ってか、僕の信用はクロウ以下?) @500 いずれにせよ、早く記憶が 戻ってくれるに越したことは無い。 できる事なら、親父が帰ってくる前に 全て解決すればいいのだが……。 @100 そういえば、来週には 帰って来ちゃうんですよね。 @500 ああ、そうだ。 このままだと、今度は親父の面倒を 見る者がいなくなってしまう。 そうなった場合のことを想定して、 また別の方法を探さねば……。 @100 ……。 !wait40 あの……。 @500 ……\sなんだ? @100 ……。 もしもの時は……バルトさんも ウチで預かれるか聞いてみますか? @500 何? @830 ……。 @500 だが……いいのか? セト一人だけでも、相当な 負担だと思うんだが……。 @102 けど、このままじゃ困るんでしょ? 街中を徘徊しちゃったら、 それこそ大変じゃないですか。 @500 まあ、それはそうだが……。 @100 ウチなら、たぶん大丈夫です。 元々、住んでる人数の割に 家が広いので、少し人が増えても 場所には余裕あるし……。 前も言いましたが、ウチの家族は そういう事に関して話が……。 @500 ……。 @102 ……\sあの、ジェイクさん? @500 セトの周りから固めていく作戦か……。 @104 って、なんでそうなるんですか!? @500 まあ……\r[善,ぜん]\r[意,い]と受け取っておこう。 @102 最初からそう思ってください……。 @500 もっとも……今は、すでに セトを預かってもらってるからな。 その上で親父まで厄介になっては、 こちらとしても気が引ける……。 帰ってくるまでの間に…… 俺も、別の方法を考えておこう。 @100 はあ……。 @500 ……\sそれと。 @102 まだ何か? @500 いや、ちょっとした事だが……。 セトが使った力の正体について、 何か、分かったのだろうかと思ってな……。 @100 ……。 残念ながら、まだ何も……。 @500 ……そうか。 @102 (さすがに……魔法に関しての話は  分かっても言えないけどね……) @500 まあ……俺には見当もつかん話だがな。 とにかく……今は、セトが元の記憶を 取り戻してくれればそれでいい……。 全ては……それからだ……。 @100 僕も、そう思います。 !wait20 @500 ……\sさて。 そろそろ時間だな……。 では……俺は行くぞ。 @102 あっ、はい。 @500 セトによろしくな。 また会おう……。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ ……。 !wait40 @100 さて、じゃあ僕たちも……。 @830 ……シシト。 @100 何、クロウ? @830 ……。 あの男……一体、何者だ? @102 えっ、どういう意味? @830 最初から気になってはいたんだが……。 どうも、あの男からは魔物の ニオイらしきモノが漂っていてな……。 魔物と関係ある仕事をしているのか…… \sそれとも、何かに取り\r[憑,つ]かれて……。 @100 ああ、そういえば…… クロウには言ってなかったね。 !wait20 @102 実は……あのジェイクさんの正体、 ドッペルゲンガーなんだよ。 @833 な、なんだと!? では、本物はもう……。 @100 ……うん。 @830 シシト、お前はそれを知ってて……。 @100 ……確かに、黙ってたのは悪いけど。 でも……この件に関しては、 口に出して言いたく無かったんだ。 ジェイクさんは……まだ生きてる。 死んでなんて、いないんだから……。 @830 ……。 !wait40 そうだな……。 人間に変身したドッペルゲンガーは、 生前の人物と全く差が無い……。 我が見ていた男は…… \s\r[正真正銘,しょうしんしょうめい]、セトの父親だ……。 @100 ……\sありがとう。 !wait20 @102 最初は何かと不安だったけど…… クロウ、意外に物分りがよくて助かるよ。 @833 意外ってなんだ、意外って……。 @100 ごめんごめん。 @830 とにかく、これ以上の\r[詮索,せんさく]は無用だな。 では……我々も帰るか? @100 うん、そうしよう。 !se(Action)学内歩き @0 !mvnil !wait40 !bgs !wait60 !mv住宅地 !wait40 !se(Action)学内歩き @100 ……。 @830 ……。 しかし……いいのか、シシト? @100 何が? @830 場合によっては、セトだけでなく その祖父まで泊めることに なってしまうのだぞ? それが悪いとは言わんが…… お前の家族にも関わることなのだ。 ならば……あの場で即答する前に、 もう少し検討すべきではなかったのか? @102 うーん……そうかな? 母さんだったら、なんだかんだで 普通に\r[承諾,しょうだく]してくれそうだし……。 別に即答でも問題なかったと思うよ? @833 そんなものか? @102 そんなもんさ。 @833 うーん……。 @100 それに……これはひょっとしたら、 いいきっかけになるかもしれないんだ。 @830 きっかけだと? @100 うん。 セト、今までずっとバルトさんと 二人暮しをしてたから……。 また一緒の家で暮らし始めれば、 記憶がすぐ戻る可能性もあると思うんだ。 @830 ふむ……。 @102 まあ……母さんの負担は増えるし、 バルトさんもかなりショックを 受けるだろうけど……。 これも……全てはセトのためだしね。 みんな、きっと分かってくれるさ……。 @830 ……。 !wait40 なあ……シシト。 @100 んっ? @830 ……\sつかぬ事を聞くんだが。 お前は、\r[何故,なぜ]そこまで あの娘に肩入れするんだ? @102 えっ、そう言われても……。 僕、当然のことしてるだけだし…… 特に何も考えてないよ? @833 いや、何も考えてないのは さすがにおかしいと思うんだが……。 当然とは言っても、全くの他人では ここまでしてやれないだろう? @100 ……そうだね。 セトは、全くの他人じゃない…… \s僕にとって大事な友達の一人だから……。 僕は……ただ、困ってる友達を 助けてあげたいだけ……。 理由なんて……それで十分だよ。 @830 ……。 !wait40 ふっ……そうか……。 シシトは、本当に優しいのだな……。 @102 いや……いきなり何だよ? @830 思ったことを素直に述べただけだ。 特に意識せず人を助けるなど、 そう簡単にできることではあるまい。 変なことを聞いて、すまなかった……。 @100 これくらい、別に気にしないよ。 それに、僕は……。 !wait20 @830 ……さて、家に着いたな。 @102 おっと……そうだね。 @830 何か、言いたいことでもあったか? @100 ううん、別に大したことじゃないし……。 ともかく、家に入ろう。 @830 うむ、分かった。 @100 さて、と……。 @833 おいっ、待て! また窓から入るのか!? @102 だって……玄関から入ったら、 こっそり出てきた意味が無いじゃん。 @833 むう、それはそうだが……。 @100 というワケで、クロウ踏み台になってね。 @831 ガーン!! !mvnil @0 !mv !wait40 !bgm !wait60 @1 「僕は……ただ、困ってる友達を  助けてあげたいだけ……」 「理由なんて……それで十分だよ」 ……。 昔から……そうだった……。 リョウヘイが風邪をひいた時は…… 毎日、見舞いに行ったし……。 冬村さんがリュウゾウに捕まった時は…… 罠と知りつつも、指示に従い……。 そして今、セトが記憶喪失になって…… ウチで面倒を見ることにした……。 全ては……みんな、友達だから……。 友達を助けるのが当然だと思って…… 僕は、実際に行動で示し続けてきたんだ……。 !wait60 だけど……。 4年前の「あの時」から…… 僕は、現実を知ってしまった……。 いくら助けようと思ったって…… \s助けられなかったら、意味が無い……。 いくら助けようと努力したって…… \s助けられるだけの力が、僕には無い……。 助けようと行動していたはずなのに…… 実際は、その「真似事」をしていただけで……。 ジェイクさんの「真似事」をしている ドッぺルゲンガーと、少しも変わらない……。 ……。 それでも……。 ジェイクさんが生きてるんだって 主張している、今の僕は……。 助ける「真似事」を繰り返して…… 助けた気持ちに、なりたかったのかな? !wait60 ……まあ。 それでも……いいよね……。 助け続けることが、僕にとっての 生きる意味なんだから……。 こうしていれば……いつか、きっと……。 ……。 いつか……か……。 僕……ホントに、助けられるのかな? !wait80 !bgs(環境)波の音 !wait80 @0 !mv海岸公園 !wait60 @500 ……。 最後の機会になるかもしれん、か……。 俺は、とっくに死んでいるのにな……。 神の力とやらも……もう、時間切れか? !wait60 ……ふっ。 何を言っているんだ……。 !wait20 !se(Action)カチャッ @1 ←(携帯のカメラを取り出す) @500 ……。 確かに、俺の姿はカメラに映らん……。 だが……幽霊などでは無い。 こうして携帯を持つことも…… 夜風の寒さを感じ取ることもできる。 それに……まだ、最後には早いんだ。 今、セトを残して行くワケには いかないのだからな……。 !wait60 ……さて。 長居は無用か……。 そろそろ……ここを去ろう。 !wait60 !bgs @1 「おや……もう、お帰りですか?」 !bgmサスペンス @500 ……っ! 誰だ!? @1 「そんな大声を出さなくても大丈夫ですよ」 「私は、ここにおりますから……」 @500 ……。 キサマ……いつからそこにいた? @1 「ホホホ……最初からですわ」 「こっそり彼らの後をついてきて、  こちらで話を聞かせてもらいました」 「写真のことも……あなたのことも……」 @500 ……バカな。 俺が……全く気付かなかっただと? @1 「それは、お生憎様ですね」 「こう見えましても、私は何十年もの間  正体を隠し続けていまして……」 「気配を絶つのは得意なんですよ」 @500 ……。 !se(Action)学内歩き @1 「しかし、やはり予想通り……」 「肉体が本来のレベルに追いつけず、  失われてしまった魔力と記憶……」 「……『魔力の反動』こそ誤算でしたが」 「その原因まで理解しているのは……  \r[依然,いぜん]、私だけのようですね……」 @500 ……っ!? @1 「けど……安心はできません」 「計画そのものに狂いはありませんが……  予定より時間がかかりすぎている……」 「マジカルパレスの使者がいる以上、  \r[悠長,ゆうちょう]に構えてはいられません」 「あちらが私の計画に気付くより先に、  次の段階へ移行しなければ……」 @500 ……計画だと? キサマ……セトに何をするつもりだ? @1 「あなたの娘に用はありませんわ」 「必要なのは、彼女が持ってる力……」 「私は、それを手に入れるだけですよ」 @500 ……そこまで聞かされて、 俺が黙っているとでも思うか? キサマの好きにはさせんぞ……。 @1 「お黙り、\r[下,・]\r[級,・]\r[魔,・]\r[族,・]」 @500 ? @1 「……」 !wait40 「ああ……そうでした」 「変身した際には、外見だけでなく、  記憶も完全に転写されるのでしたね……」 「哀れな生き物ですこと……」 @500 ……。 何を……言っている……。 @1 「あなたには関係ないことですわ」 「とにかく、私には時間がありませんの……」 「そろそろ本題に入らせてくださいな」 @500 ……。 邪魔者は消す……といったところか? @1 「そんな物騒なことはしませんよ」 「私は……ただ、あなたの願いを  叶えて差し上げようと思っただけです」 @500 俺の願いだと? @1 「ええ、そうですわ」 「娘さんの記憶……取り戻したいのでしょう?」 「親としては、当然の願いですよね……」 @500 な……なんだと!? キサマ……セトの記憶を 戻せるというのか!? @1 「もちろんですわ」 「これだけ材料が揃っているのですから、  まあ、どうにかなるでしょう……」 「あとは……あなた次第です」 @500 俺、次第……。 ……俺にも協力しろと言うのか? @1 「それは少し違いますわね」 「そもそも……協力する気など  初めから無いのでは?」 @500 当然だ、キサマは信用ならん。 手など借りるつもりは無い。 @1 「だと思いました……」 「ですから……私も、あなたに  協力しろとは言いません」 @500 じゃあ……一体、俺に何を? @1 「簡単なことですわ」 「私には……あなたの意志など  全く関係ありませんの」 「まあ、要するに……」 !wait40 !bgm 「\r[あ,・]\r[な,・]\r[た,・]\r[を,・]\r[勝,・]\r[手,・]\r[に,・]\r[利,・]\r[用,・]\r[す,・]\r[る,・]\r[ま,・]\r[で,・]\r[で,・]\r[す,・]」 !bgm緊迫状況 @500 ……っ! @1 「さて、前置きはもういいでしょう……」 「では、さっそく……」 !se(Action)跳ね @500 くっ……! !wait8 !se(Action)カチャッ !wait10 !se(Action)カチャッ !wait12 @1 「……おやっ?」 @500 ……できれば、銃の使用は 避けたかったんだが。 どうやら、そうも言ってられんようだな……。 @1 「……」 !wait40 「ホホホホホ……」 「まさか……私と戦うおつもりですか?」 「こんな下級魔族……初めて見ました」 @500 \r[御託,ごたく]を並べる暇も与えん! くらえっ! !se(Action)カチャッ !wait10 !se(Action)銃声 !wait5 !se(Action)銃声 !wait10 !se(Action)銃声 !wait10 @1 「無駄なことを……」 「……\s『結界』!」 !se(Action)シュビー !wait12 !se(Action)バリア音 !wait8 !se(Action)バリア音 !wait10 !se(Action)バリア音 @500 なっ……バカな!? 弾が……弾かれただと!? !se(Action)学内歩き @1 「私としても、時間をかけるつもりは  毛頭ございませんわ……」 「すぐに決めて差し上げましょう……」 @500 (……くっ!) (ダメだ……こいつは危険すぎる……) (ここは、一度引くしかない……!) !se(Action)跳ね !wait10 !bgs../se/(Action)学内歩き !wait10 @1 「おやおや……」 \f[20]「敵わぬ相手と知って逃走ですか……  \s\f[16]気付くのが遅いですこと……」 \f[12]「……\sしかし」 !wait30 !se(Action)シュイーン !bgs @500 ……なっ!? @1 「もとより……逃がすつもりなど  全くございませんわ……」 !se(Action)カチャッ @500 く、くそっ……! !wait20 !bgm @1 「……\s『催眠』」 !se(Action)シュビー !wait15 !se(Shooting)レベルアップ !wait3 !se(Shooting)レベルアップ !wait3 !se(Shooting)レベルアップ !wait3 !se(Shooting)レベルアップ !wait10 @500 ……っ! な……\sなんだ……? 体が……\s急に、重く……。 @1 「ホホホ……ご安心ください」 「少しの間、眠ってもらうだけですわ」 「次に目覚めた時、どうなっているかは  保障できませんけどね……」 !wait60 @500 ……\sくそっ。 セ……\s\f[20]セト……。 \f[16]逃げ……\s\f[12]ろ……。 !wait60 !se(Action)ドゴン !mvnil @0 \> \