#Silhouette Extra Tale 改訂版 第3章「束の間の平穏」後編 !v27=1 !v35=1 !wait60 !bgs(環境)鳥の鳴き声 !wait195 !mvシシトの部屋 !bgs !wait30 !bgm安らぎ @400 ……\sうーん。 もう朝か……。 えーと、今の時間は……。 ……。 !wait30 @402 うわっ、もうすぐお昼だ……。 ちょっと寝すぎちゃったな……。 !wait40 @1 「ぐ〜、ぐ〜……」 @400 ……あっ。 シシトさん、まだ寝てるんだ……。 @402 ……やっぱり、すごく 疲れちゃってたんですよね。 @1 「う〜ん……ぐ〜、ぐ〜……」 @400 ……。 全然、起きそうにないな……。 !wait40 @403 ……。 い、いま……クロウさんも いないみたいですし……。 もうちょっと近づいても…… 大丈夫、かな……? !wait40 !bgm !se(Action)跳ね @101 \f[40]うああああーっ!! 来るなあああぁぁぁぁ!! !bgmコミカル @401 \f[32]キャアアアアーッ!! @100 ……えっ? !wait20 @102 あっ……おはよう、セト。 どうかした? @401 ごごごごめんなさいいい!! (ガクガク) @102 ……なんで\r[謝,あやま]るんだ? !se(Action)ドア開け @1 ガチャ @830 おいっ、今の悲鳴はなんだ!? @100 あ、クロウ、おはよう。 @401 ガクガクガク…… @833 ……って、セトはどうしたんだ? @102 それが、起きたばっかりで よく分かりません……。 @830 ……とにかく、セトを落ち着かせよう。 @100 そうだね。 @102 おーい、セトー。 @400 ……はっ!? @830 大丈夫か? @402 あ、はい……。 取り乱してすみませんでした……。 @100 まあ、それはいいとして……。 一体、何があったの? @830 かなり\r[動揺,どうよう]していたようだが……。 @402 え、えーと、その……。 シ、シシトさんの寝言に…… ちょっと、ビックリしちゃって……。 @833 シシトの寝言だと? @102 ああ、さっきのアレね……。 なんか、夢の中でパンツ一丁の アルバートに追い掛け回されててさ……。 @831 はあーっ!? @401 どんな夢ですか、それ!? @102 僕に聞かれても困ります。 しかも、なぜかアルバートは僕のこと 「エシュター」って叫んでたし……。 @833 夢の話にしては、妙に具体的だな……。 @100 まあ……結局は夢の話だから、 別に気にはしないけど……。 @102 とりあえず、アルバートには もう少し注意しておこう。 @833 注意すべき相手なのか……。 @102 まあ、色々あってね……。 !wait30 @402 (……) (あ、危なかったぁ……) (もう少しタイミングが早かったら、  シシトさんとぶつかっちゃう  ところでした……) !wait40 !bgm安らぎ @100 あ、そうだ。 セト。 @400 ? @100 実は、昨日の夜バルトさんに会って、 セトに渡す物を預かったんだ。 @400 ! @404 お、おじいちゃん来たんですか!? @102 まあ……正確には、こっちから 会いに行ったんだけどね。 セトが寝た後、呼び出しの メールが届いてさ……。 @402 ……そうだったんですか。 私も、会いたかったな……。 @102 1週間以内には、また会えるよ。 @833 (その時は、別の人物かも  しれんのだがな……) !wait20 @400 ……\sえーと。 それで……何を預かったんですか? @100 セトの両親の写真が入った メモリーチップ。 @400 私の……お父さんとお母さんの写真? @100 うん。 なんでも……二人が結婚する前から、 セトが生まれるまでの物らしいよ。 @102 セトの記憶に、直接関係は なさそうだけどね……。 !wait20 @400 ……\sあの。 @100 んっ? @400 その写真……よろしければ、 ちょっと見せてもらえませんか? なんだか、すごく気になるので……。 @830 まあ……当然だろうな。 自分が生まれる前とはいえ、 実の両親が写った写真なのだから……。 @100 もちろん構わないよ。 ご飯食べたら、さっそく……。 !se(Action)跳ね @404 \f[32]今すぐ見たいんです!! @104 わっ!! @833 お、おいっ……セト! はやる気持ちは分かるが…… そんなに慌てなくてもいいだろう。 @400 ……あっ。 !wait20 @402 ご……ごめんなさい。 私、無理言っちゃって……。 @102 あー、いや……気にしないよ。 今、写真を見る準備するから、 ちょっとだけ待っててね。 @400 ……えっ? でも……ご飯は……。 @100 別に後回しでいいよ。 今すぐ見たいって言ってるんだし、 セトの都合に合わせるさ。 @402 そ、そんな……私のために……。 @830 まあ、よかったではないか。 ここは素直に喜んでおけ。 @100 ……さてと。 あとは……パソコンに メモリーチップを\r[挿,さ]し込んで……。 !bgs../se/(System)キー1 !wait20 @400 ……。 シシトさん……。 !wait60 !bgs !se(System)キー3 @100 ……\sよし。 これで準備オッケーだよ。 @400 \f[20]ぼー @102 ……あれっ? @830 セト……どうしたのだ? @402 ……へっ? @100 なんだか、ぼーっとしてた みたいだけど……。 @401 はっ!? ごごっ、ごめんなさい!! @102 ……で、写真見られるけど? @404 は、はいっ! ありがとうございます! @102 (……まだ体調悪いのかな?) @830 (……\sほう) (なるほど、そうだったのか……) @400 じゃあ、さっそく見せてもらいますね。 @100 はい、どうぞ。 !mvnil @0 !mv !wait60 !mvシシトの部屋 !wait40 @404 (じー) @102 さっきから食い入るようにして ずっと画面を見てるな……。 @830 やはり、それだけ気になるのであろう。 !wait20 @400 ……\sあっ。 @100 んっ、どうかした? @403 い、いえ……。 ちょっと、トイレに行きたく なっちゃっただけで……。 @102 ああ……そういう事ね。 @402 で、ですから……。 少し……トイレ、行ってきます。 @100 りょうかーい。 !wait10 !se(Action)ドア開け !wait20 !se(Action)ドア閉め @1 バタンッ !wait30 @100 ……。 @830 ……それにしても。 見始めてからたいぶ時間も経ったが、 一向に終わる気配がしないな……。 ……。 @833 一体、この中にはどれだけの 写真が入っているんだ? @100 ……ちょっと、先を見てみようか。 !wait20 !se(System)ピッ !wait8 !se(System)ピッ !wait15 !se(System)決定 !wait20 @102 うわっ、すごい量だ……。 縦一列に写真ファイルがずらっと……。 @833 これ……全部、写真なのか? @100 そのようだね。 @102 ちなみに、さっき見てた写真で ちょうど半分くらいだよ……。 @833 まだ先は長そうだな……。 @102 そうだね……。 こんなにたくさんある写真を、 よくここまで整理できたもんだよ。 しかも、一枚一枚にきっちりと タイトル書き込んであるし……。 @830 セトの父親は、意外とマメなのだな。 @102 見かけによらずね……。 !wait40 @100 ……\sんっ? @830 ……どうした、シシト? !wait30 !se(System)ピッ !wait8 !se(System)ピッ !wait30 !se(System)決定 !bgm @1 \f[22]□ 犬山.海岸.jpg □ ウェディング.jpg □ \c[2]子作り中!.jpg \c[0]……… @830 ……。 @100 ……。 !wait40 !bgm緊急事態 !se(Action)爆発音 @101 \f[40]はああぁぁぁーっ!? !se(Action)爆発音 @831 \f[40]なんじゃこりゃぁぁぁ!! @101 ジェイクさーん!! なんて物を残してるんですかー!! @833 こ、こんな写真、一体どうやって……。 !se(Action)ビシッ @101 クローウ!! 僕は頼まれても こんな写真開かないよ!? @831 誰が頼むかー!! !wait20 @102 ……と、とにかく。 こんな教育上ヤバい写真、 さっさとゴミ箱に……。 @833 ああ、それがいい……。 @1 トットット…… (階段を上る音) @831 げっ!! @104 ヤバッ! セトが戻ってきた! @831 シシト、急げっ!! @101 うおーっ!! 削除、削除、削除ー!! !wait10 !se(System)ピッ !wait8 !se(System)ピッ !wait8 !se(System)ピッ !wait10 !se(System)決定 !wait5 !bgm !se(Action)ドア開け @1 ガチャ !bgm安らぎ @400 さて……早く続きを……。 ……。 @402 ……あれっ? @104 ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……。 @831 ま……間に合った、か……。 @402 ……\sあのー。 お二人とも、そんなに慌てて どうしたんですか……? @102 な、なんでもないよ……。 ねっ、クロウ? @833 う、うむ……そうだな。 なんでもなかったぞ……。 @402 ……? @102 とりあえず……続きでも見る? @400 あっ、はい……。 !mvnil @0 !mv !wait60 !mvシシトの部屋 !wait40 !se(System)キー3 @400 ……\sふう。 これで、写真は全部みたいですね。 @833 そ、そうだな……。 @102 (よかった、残りは全部まともで……) @400 ……。 ここに写ってる二人が…… 私のお父さんとお母さん、か……。 私の髪や目の色って…… 全部、お父さん\r[譲,ゆず]りなんですね。 @830 女性の方も、顔立ちが どことなくセトと似ているな。 @100 実際に会ったことは無いけど……。 確かに……セトのお母さんで 間違いないんだろうね。 !wait20 @400 ……\sそういえば。 私、おじいちゃんと ずっと二人暮しをしてたって 聞きましたけど……。 私のお父さんやお母さん…… 一体、どうしちゃったんでしょうか? @100 ……。 前に……僕がセトから 直接聞いた話なんだけど……。 二人は、セトが生まれる直前に 離婚しちゃったんだって。 以来、お父さんは家を出てって、 セトは顔さえ全く知らなかったんだ。 @402 ……そんな。 まさか……私のせいで……。 @102 あっ、いや……それは違うよ。 @400 違う? @100 セトのお父さんって、かなり 危険な仕事をしてるみたいでさ……。 たぶん、家族を巻き込まないために そういう行動をとったんだよ。 @830 その点で言えば……セトの父親は、 父親と呼ぶに相応しい男だったのだろう。 @402 そ、そんなに危険なんですか……? @100 なんでも、探偵や警備の仕事を やってるみたいだね。 @830 あの用心深い態度や物腰は、 仕事によって培われたのだろうな。 @400 ……えっ? シシトさんとクロウさん…… どこかで、お父さんに会ったこと あるんですか? @833 ん、ああ……まあな……。 @102 (実際には、セト自身も何度か  会ってるんだけどね……) (ってか、クロウうっかりしすぎ……) @400 じゃあ……お母さんの方は? @100 セトのお母さんに関しては、 何も知らないや。 @402 そうですか……。 @102 ……ごめん。 @830 まあ、そう悲観するな。 たとえ消息が分からなくても…… どこかで、セトのことを強く想ってる。 それが……親という存在だ。 @400 ……\sそうですね。 いつか、お父さんとお母さんに 会えるといいな……。 @100 ……\s大丈夫。 いつか……きっと会えるよ。 @400 ……\sうん。 !wait40 @404 そのためにも……。 まず、自分の記憶を早く 取り戻さないといけませんね。 私の話、たくさん聞かせて あげられるように……。 @830 うむ、両親もきっと喜ぶであろう。 @100 焦らずに頑張っていこうね。 @404 はいっ! !wait40 @1 \f[16]キュ〜…… @102 ……んっ? @403 あっ……す、すみません。 @830 そういえば、二人は起きたばかりで 何も食べてないんだったな……。 @102 ずっと写真を見てたからね……。 @402 ごめんなさい、私のせいで……。 @100 僕は食べないの慣れてるし、 これくらい平気だよ。 @102 むしろ……セトがお腹空いてるか どうかの方が心配だったんだ。 必要なら、僕がご飯の支度を しないといけないから……。 @400 ……えっ? 今日は……シシトさんが ご飯を作ってくれるんですか? @830 シシトの母と姉は、用事があって 出かけてしまったからな……。 なんでも、明日の朝まで 帰ってこないらしい。 @402 ずいぶん急ですね……。 @102 ホントにね。 僕も、昨日の夜に突然 聞かされて、ビックリしたよ。 @400 ……。 でも……。 @100 んっ? !wait30 @403 ……。 そ、その……。 つまり……今日はシシトさんと 二人きりってこと、ですか? @102 一応、クロウもいるけど……? @830 邪魔になるのであれば、 どこかに退散しても構わんが? !se(Action)跳ね @401 い、いえっ!! そんな事ありませんから!! @102 クロウ、モップがイヤだからって 逃げたりしないでよ……。 @833 そういうつもりで言ったのではない! というか、掃除はしないと 決めたんじゃなかったのか!? @102 まあ……そうなんだけどね。 @833 やれやれ……。 @100 とにかく、今日は僕たちだけで セトの面倒を見ることになったから……。 ちょっと頼りないかもしれないけど、 今日一日……我慢してね。 @403 は、はい……。 よろしく……お願いします。 @102 (……\sうーん) (やっぱり……昨日からどうも  様子が変なんだよね……) (いきなり記憶を思い出したから、  少し戸惑ってるのかな……?) @833 (鈍いな、シシト……) !wait20 @100 まっ、とりあえず……。 写真も見終わったことだし、 そろそろ、ご飯にしよう。 @400 そうですね。 @830 では、いったん下におりるか。 !se(Action)学内歩き @0 !mvnil !wait60 !mv自宅 !wait30 @1 ゴソゴソ…… !wait30 @102 ……\sはぁ。 なんとなく予想はしてたけど…… 冷蔵庫の中、何にも入ってないや。 @400 スズナさんって、あんまり 買いだめとかしないんですね。 @100 母さん、\r[余程,よほど]の理由がない限りは 料理を作ってくれないからね。 エアーを除くと、ウチでは ご飯とみそ汁だけが標準だよ。 @833 ……それ、栄養偏らないか? @102 じいちゃんの作った味噌だから、 大丈夫なんだってさ……。 @400 えっ、シシトさんって おじいさんもいたんですか? @100 今は離れて暮らしてるけどね。 @400 へえ〜。 @830 それで、大丈夫というのは? @102 なんでも……この味噌を食べれば、 生活に必要な栄養素を全部 摂取できるらしい……。 @401 味噌だけで!? @831 どんな味噌なんだ、それは!? @102 僕にも全く分からないよ……。 アニメに出てくる豆で作ったワケないし、 一体、どんな怪しい科学技術が 使われているのやら……。 @402 シシトさんのおじいさんって…… 実は、すごい科学者なんですか? @100 いや、ただのマッドサイエンティスト。 @401 マッドサイエンティスト!? @833 そんな人物の作った物なんて よく食べる気になるな……。 @102 他に食べる物がないからね……。 味は普通の味噌と全く同じだし…… 気にしないで食べるのが一番の方法さ。 @401 ←(気付かずに食べてた) @833 ま、まあ……とにかく、 味噌の話はおいておこう。 シシト、これからどうするのだ? @100 そうだね、あんまりセトを 待たせるのも悪い気がするし……。 ここは、外で食べるのが無難かな? @830 うむ、そうだな。 その意見には、我も賛成だ。 @102 クロウは元から\r[三,・]\r[世,・]じゃん。 @833 いちいち揚げ足を取るな! @102 はいはい……。 ……。 @100 ……で、そういう事なんだけど。 セトも、それでいい? @404 は、はいっ! 特に問題ありません! @830 では、これで決まりだな。 @100 じゃあ……さっそく行こうか。 @400 分かりました。 !wait20 @100 ……あ、そうだ。 @400 ? @100 今、ちょうどお昼時だし…… リョウヘイとかも誘えば来るかな? @402 えっ……。 @102 ん……なんかマズかった? @402 あっ、いえ……。 そういうワケじゃないんですけど……。 @100 心配しなくても大丈夫だよ。 呼ぶとしても、リョウヘイや冬村さん、 アルバートくらいだから……。 @402 は、はあ……。 @830 ……\sシシト。 @100 何、クロウ? @830 ……。 !wait40 今日は……誰も誘わずに行かないか? @102 ……えっ? !se(Action)跳ね @401 ちょ、ちょっと……クロウさん!? 何を言っちゃってるんですか!? @830 せっかくの休日なのだ、みんなも 色々とやることがあるだろう。 いきなり食事に呼び出すのは、 少し都合が悪いと思うぞ。 @102 うーん……そうかな? みんな暇してると思うんだけど……。 @830 それにだ。 仮にみんなで食事へ行くとなったら、 集合などでさらに余計な時間が かかってしまいかねない。 セトを待たせるのが悪いと考えるなら、 このまま行くべきではないのか? @100 ……\sなるほど。 言われてみれば…… 確かに、その通りかもね。 !wait40 @102 じゃあ……前言撤回。 今日は、僕たちだけで食べに行こう。 @400 ……えっ? い……いいんですか? @102 まあ……もっともな意見だしね。 気が利かなくて、ごめん……。 @404 そ、そんな事はありません! 私、とっても嬉しいです! @102 (そんなにお腹が減ってたのか……) @830 よかったな、セト。 たまには記憶探しも忘れて、 ゆっくり楽しむといい。 @403 ……。 ありがとうございます……。 @100 それじゃあ、出発するよー。 @404 はいっ! !wait10 !se(Action)ドア開け !wait20 !se(Action)ドア閉め @0 !mvnil !wait40 !bgm !wait60 !mv住宅地 !bgm住宅街 !wait20 @830 ……さて。 これから、どういう店に行くんだ? @100 うーん、特に決めてはないけど……。 セト、行きたい場所とかある? @400 そうですね……。 !wait40 @402 ……。 というか、どういう店があるのか 分からないんですけど……。 @102 ああ、そっか……ごめん。 @403 だ、だから……その……。 私、シシトさんの決めた場所なら、 どこでもいいです……。 @102 そうは言ってもなぁ……。 僕、アクアフロート来て日が浅いから、 あんまり詳しくないんだよね……。 @833 ……って、お前はそれで 食事に行こうとしていたのか? @102 まあ、ショッピング街まで行けば 何か見つかると思ってさ……。 @402 でも、見つからなかった時は ちょっと困りますね……。 @830 仮に見つかったとしても…… 味や金額までは保障できないな。 @102 あー、それは確かに問題だね。 無駄な出費はなるべく避けたいし。 (姉さんのお金だから……) @830 シシト、本当に心当たりは無いのか? おいしい店なら、行ったことがなくても 評判くらいは聞いているだろう。 @102 う、うーん……。 !wait40 @100 ……あっ。 @400 ? @100 少し前に、リョウヘイから 聞いた話なんだけど。 確か、薙島高校の近くに おいしいレストランがあるって……。 @830 ほう……。 @400 そうなんですか? @100 うん。 ちょっと歩くことになるけど、 そこに行ってみる? @404 はいっ! @102 ごめんね、お腹空いてるのに……。 @402 あ、いえ……別に大丈夫ですから。 @100 でも、無理はしちゃダメだよ。 何か問題があるようだったら、 遠慮せずに言ってね。 @403 ……\sはい。 分かり……ました……。 @102 もっとも、僕には無理をしてるように 見えてしょうがないんだけどさ……。 @833 (それは違うぞ、シシト……) @100 じゃあ、目的地も決まったし……。 さっそく行ってみよう。 !se(Action)学内歩き @0 !mvnil !wait40 !bgm !wait60 @1 そして……着いた場所は……。 !wait60 @0 !mvトイレ !wait20 @1 「いらっしゃいませー」 @100 ……。 @830 ……。 @400 ……\sって。 !wait40 !bgmコミカル @401 なんですか、このお店は!? @100 レストラン「トイレ」。 @401 トイレ!? レストランなのにトイレ!? @102 僕自身、ここに来るのは 初めてなんだけど……。 まさか、名前だけじゃなくて 内装までトイレそのものとはね……。 !se(Shooting)撃破C @831 \f[32](このアホーッ!!) (お前には、デリカシーというものが  これっぽっちも無いのか!?) @102 ……\sどうする? この辺、他に食べ物屋っぽい ところは無かったけど……。 @402 ……。 !wait40 もう、ここでいいです……。 @102 ……ごめん。 !wait40 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ @570 え〜、次にお待ちのお客様〜。 @400 あっ、席が空いたみたいですね。 @100 んじゃ、行こうか。 @830 ワンッ。 @570 あ、お客様……。 @100 ……はい? @570 \r[誠,まこと]に申し訳ございませんが……。 \r[ペ,・]\r[ッ,・]\r[ト,・]\r[同,・]\r[伴,・]でのご入店は、 ご遠慮くださらないでしょうか? @102 あっ……。 @831 (ガーン!!) @402 そういえば、クロウさんのこと 考えてませんでしたね……。 @102 うーん、どうしたもんか……。 @833 (……しょうがない) (二人が食べ終わるまで、我は  外で待つことにしよう……) @102 (悪いね、クロウ……) @570 お客様……どうなされますか? @100 じゃあ、僕たちだけで……。 @400 ……\sあの。 @100 んっ……何、セト? !wait20 @402 ……\sその。 やっぱり……別の場所を 探してみませんか? クロウさんを待たせるのも、 申し訳ないですし……。 @830 ! @102 まあ、それが一番なんだけどさ……。 他に場所がね……。 @570 この付近ですと、中央公園の方向に コンビニが一軒あるだけですね。 @100 コンビニか……。 !wait40 @102 じゃあ……コンビニで何か買って、 そのまま公園行って食べるのはどう? @400 あっ、それは名案ですね。 コンビニなら、クロウさんの ご飯もありそうですし……。 @100 中央公園はすぐ近くだから、 時間もあまりかからないだろうしね。 それなら、セトもいいかな? @404 はいっ! @830 ワンッ! @102 ……というワケで、すみません。 今日は帰ることにします。 @570 申し訳ありません、お客様……。 またのご来店……お待ちしております。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ ……。 !wait40 @570 ……。 ふーむ……。 @1 「オーナー、どうされましたか?」 @570 ……\s少し、考えたのですが。 ペットを連れての入店も \r[検討,けんとう]すべきだと思いませんか? \sニオイ的な意味で……。 @1 「いや、さすがにそれはどうかと……」 @570 やはり……名前、見た目とくれば、 次はニオイだと思いますわ。 それでこそ、「トイレ」の名を \r[冠,かん]するに相応しい……。 @1 「はあ……そうですか……」 @570 ……\sでは。 私……これで失礼いたします。 @1 「ちょ、ちょっと……オーナー!」 「今日、まだ長いんですから、  もう少し仕事してってくださいよ……」 @570 のんびりはしていられませんわ。 さっそく、ニオイの調査から 始めてみなくては……。 @1 「……マジでやるんですか?」 @570 「善は急げ」とも言いますしね。 特別にボーナスを支給しますから、 お仕事、頑張ってくださいな。 @1 「まあ……それなら構いませんかね」 「お疲れさまです、オーナー」 @570 ありがとうございます。 それでは……。 !se(Action)学内歩き @0 !mvnil !wait40 !bgm !wait60 !mvコンビニ !bgmほんわかムード !wait20 @100 というワケで、コンビニです。 @402 (あっち、誰もいないような……) @833 (まあ、あえてツッコミはしまい……) @102 ごめんね、セト。 さっきから、あちこち歩き回る ハメになっちゃって……。 @400 いえ、いいんです。 別の場所にしたいって言ったの、 私なんですし……。 @100 まあ、それはそうだけど……。 !wait30 @1 \f[16]キュ〜…… @830 ……むっ? @403 あっ……。 @102 とは言っても……お腹の方は もうペコペコみたいだね。 @403 す、すみません……。 @100 とりあえず、ぱぱっと選んで ぱぱっと買っちゃおうか。 僕、自分の分選んでるから、 決まったら声かけてね。 @402 はーい……。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ !wait30 @402 ……\sはぁ。 みっともないな、私……。 こんなんじゃ、シシトさんに 嫌われちゃうよ……。 @830 ……。 !wait20 セト……。 @400 ! は、はいっ! @830 すまんな、せっかく二人きりで 食事ができるチャンスだったのに……。 我のせいで、迷惑をかけてしまった。 @402 あっ、いえ……そんな事ないですよ。 ……。 @400 ……だって。 私たちだけで食事に来られたのも、 クロウさんのおかげですし……。 一人だけ仲間はずれなんて、 可哀想ですから……。 @830 ……\sそうか。 セトは、とても優しいのだな……。 !wait20 @833 まあ、我としては願ってもない ことだったのだがな……。 あのまま外で待機していたら、 空腹に耐え切れず、ゴミ捨て場を 漁っていたかもしれん……。 正直……すごく感謝しているぞ。 @400 そうですか……。 !wait20 @403 お返しできて……よかったです。 @830 ふっ、そうだな……。 では……さっそく選ぶとしよう。 @404 はいっ! !se(Action)学内歩き @0 !mvnil !wait60 !mvコンビニ !wait20 @100 ……\sよし。 自分の分はこれでいいや。 次は、クロウのドッグフードだね。 @832 わ〜い\wh @102 ……しっかし。 ここ普通のコンビニなのに、 ドッグフードの種類多すぎだよ……。 @833 我も、少し驚いている……。 @100 ちなみに、何かリクエストとかは? @830 パッケージを見る限り、 大きな違いはなさそうだしな……。 ここは、シシトに任せる。 @100 じゃあ……これでいっか。 !se(Action)殴打 @831 さりげなく一番安いの選ばれたー!! @102 クロウ、僕に任せるって言ったんだから、 そんなイヤそうな顔しないでよ……。 @833 だ、だが、シシト……。 せめて、もう少し良い物を 選んでくれたって……。 @102 主婦の財布は固いんだよ。 @831 いつから主婦になったんだ!? @100 母さんいないから、 今日だけ一日主婦です。 @832 お〜ん。 @100 さて、これでクロウも決まりだし……。 あとは……。 !wait20 @400 ……。 うーん……。 !wait30 !se(Action)学内歩き @100 セト、決まった? @402 あっ……ごめんなさい。 お弁当いっぱいあって、 まだ、ちょっと……。 @102 まあ……お金のことは気にせず、 どれでも好きなの選んでね。 別に、二つとかでも構わないから……。 @833 我とは対応が全然違うな……。 @100 だって、メス犬だし。 @831 差別だー! @400 うーん、どうしようかなぁ……。 !wait40 @100 ……\sあっ。 これとかいいんじゃない? @400 ……ランチセット? @100 うん。 カラアゲ入ってるから、 どうかなと思ったんだけど……。 @400 あっ、ホントだ……。 じゃあ、これでいいです。 @102 即決ですか。 @403 シ、シシトさんが選んでくれた お弁当ですから……。 @102 とは言っても、味の保障はできないよ。 それでもいいの? @404 もちろんです! @830 (ほう、シシトもやるではないか……) @100 ……\sさて。 これで一通り決まったけど…… 買いたい物とか、もう無いよね? @400 私は大丈夫です。 @833 できれば、もう少し良い物に 替えて欲しいのだが……。 @100 すみませーん、会計お願いしまーす。 @1 「かしこまりましたー」 @831 ガーン!! @1 ピッ、ピッ、ピッ…… ←(会計中) !wait40 @400 ……。 @833 まあ、しょうがない……。 こうなったのは我の責任だし、 今回は我慢するか……。 !wait40 @830 ……\sさて。 支払いはシシトに任せて…… ひとまず、外に出よう。 セト、行くぞ。 @400 \f[20]ぼー @833 ……。 おーい……。 @402 ……へっ? @833 セト、聞こえているか? @401 はっ!? ななっ、なんですか!? @830 支払いが終わるまでの間、 外で待っていようと言ったのだ。 もう、ここに用は無いからな。 @402 そ、そうですね……。 じゃあ……行きましょうか。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ ……。 !wait60 !se(System)ピッ !wait5 !se(System)ピッ !wait5 !se(System)ピッ !wait30 !se(System)決定 「ありがとうございましたー」 「またお越しくださいませー」 @100 よし、これでオッケー。 早く行かないと……。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ \f[18]「お待たせー」 \f[18]「い、いえ……全然待ってませんから!!」 \f[18]「セト、落ち着け……」 \f[18]「そんなに力いっぱい否定することもないだろう?」 \f[18]「あっ……」 \f[18]「……」 \f[18]「ご、ごめんなさい……」 \f[18]「……?」 \f[18]「……まあ、とにかく」 \f[18]「買い物も済んだし……中央公園に向かうとするか?」 \f[18]「うん、そうだね」 \f[18]「行こう、セト」 \f[18]「は、はいっ!」 !mvnil @0 !mv !wait40 !bgm !wait60 !mv中央公園 !bgm公園 !wait40 !se(Action)学内歩き !wait35 !se(Action)学内歩き !wait50 @100 はい、到着ー。 @400 今日の公園、なんだか とっても気持ちいいですね。 @830 雲一つ無い見事な青空だからな。 少々寒いが、外で食事するには もってこいの天気だろう。 @102 ……でも、変だな。 これだけ天気のいい日曜日なのに、 僕たち以外、誰もいないや……。 @402 そういえば、\r[人気,ひとけ]が全然ありませんね。 @830 ちょうど昼時だからではないのか? もう少し時間が経てば…… きっと、誰かやって来るだろう。 @400 なるほど。 @100 じゃあ……誰か来る前に、 とっととご飯を済ませちゃおうか。 @102 クラスメイトや変な集団が来ると、 色々、面倒そうだからね……。 @402 へ、へんな……集団? @833 どんな集団だ、それは? @102 あんまり深く考えない方がいいよ。 @833 うーむ……。 @100 ……ってワケで。 とりあえず、あそこの ベンチにでも座ろうか? @400 はーい。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ !wait30 @100 ふう……。 @400 よっ、と……。 @830 では……さっそく食べ始めるのか? @100 うん、そうだね。 @404 それでは……。 !wait40 @1 「いただきまーす」 \f[16]「ワンッ!」 !mvnil @0 !mv !wait60 !mv中央公園 !wait40 @100 モグモグ…… @400 モグモグ…… @830 ……。 @100 ……\sあれっ? !wait20 @102 クロウ……どうしたの? さっきから難しい顔して……。 @400 ご飯……食べないんですか? @830 ……。 !wait30 @833 ……。 う……ぐっ……。 !wait30 !se(Action)跳ね @831 \f[32]ぬおおおおーっ!! わ、我が……こんな袋ごときにー!! @402 ……開けられなかったんですね。 @102 やれやれ……しょうがないな。 ……。 @100 ……クロウ、それ貸して。 代わりに開けてあげるから……。 @833 す、すまぬ……シシト。 !se(Event)アイテム入手A !wait10 @102 ……うわっ。 この袋、クロウのヨダレで すごいベタベタする……。 @402 だ……大丈夫ですか? @102 汚いのは我慢できるけど…… これじゃあ、開けるの難しそうだね。 @833 そ、そこをなんとか……。 @100 まあ……やってみるよ。 !wait30 @103 ふんっ!! はあっ!! !wait10 !se(Action)ズシャアアー !wait40 @102 ……あっ。 @401 ええーっ!? @831 うおーい!! 勢い余って中身こぼれたぞー!! @102 まあ、ちゃんと開けられたんだし、 そこは気にしない方向で……。 @833 ぬう、仕方ない……。 とにかく、我も食べさせてもらうぞ。 @100 はい、どうぞ。 @1 モグモグ…… @402 地面に落ちたエサも しっかり食べるんですね……。 @102 こういうところは、普通の犬と 変わらないんだなぁ……。 @832 おいし〜い\wh @403 でも、クロウさん幸せそうですね……。 @102 ……だね。 !wait20 @400 ……\sあれっ? シシトさん、もうご飯終わりですか? @100 あっ、うん……そうだよ。 僕、おにぎりしか買ってないから……。 @402 ……それで足りるんですか? @100 普段の食生活がアレだからね。 そんなに食べなくても平気なんだよ。 @400 はあ、そうですか……。 @102 それに、これ姉さんのお金だから 使いすぎると後が怖いし……。 @402 あっ……。 @100 でも、セトは気にしなくていいよ。 これは、元々セトのために使えって 言われたお金なんだからね。 @402 で、でも……それじゃシシトさんが……。 @102 いや、だから僕は大丈夫だって……。 !wait20 @400 ……\sあの。 @100 んっ、何? @402 ……でしたら、私のお弁当 少し食べませんか? @102 えっ、いいの? @400 はい。 私、もう十分食べましたから…… 残りは、全部シシトさんにあげます。 @102 うーん、でもなぁ……。 @830 まあ、せっかくなんだし…… 素直にもらっておいたらどうだ? あとで腹が減っては、何かと困るぞ。 @404 クロウさんの言う通りです! @100 ……\sそうだね。 じゃあ、遠慮なく……。 @1 モグモグ…… !wait40 @102 ……\sふう。 お弁当とはいえ、やっぱり ちゃんとしたご飯はおいしいなぁ……。 @833 毎度のことだが、シシトは 表現がオーバーだな……。 @102 クロウだってそうじゃん。 @832 はう〜ん。 @402 ……でも、ごめんなさい。 なんだか、食べ残しを 処分してもらってるみたいで……。 @100 そんな事ないよ。 おにぎりなんかと比べたら、 こっちの方が何倍もありがたいさ。 @403 そ、そう言ってもらえると…… 私も、嬉しいです……。 @102 ……セト? !se(Action)跳ね @401 は、はひっ!! 私は全然大丈夫です!! @102 ……? @833 セト、落ち着け……。 シシトは何も言ってないだろう。 @401 はっ!? !wait20 @402 ……。 ご、ごめんなさい……。 @100 まっ、とにかく……お弁当ありがとう。 感謝してるよ、セト。 !se(Action)跳ね @404 は、はいっ! どういたしたしまして! !wait40 !bgm !se(Action)ビシッ @1 \f[32]ピシッ! @100 ……っ! @830 むっ? @400 ……えっ? !wait40 @402 あ、あれ……? なんで……\s私、急に\r[敬,・]\r[礼,・]なんか……。 @833 どうしたんだ、一体……? @100 ……\sそれって。 まさか、セト……。 @400 はい? !wait30 !bgm黄昏 !wait10 @100 ……。 そうだよ……。 !wait40 !se(Action)跳ね @103 そうだよ……間違いない! ほんの少しずつだけど…… \sようやく、記憶が戻り始めたんだ! @833 な、なんだって!? @400 ! @404 ホ……ホントですか!? @100 うん、記憶そのものとは 少し違うけど……。 昔からのクセや習慣とか…… 普段はあまり意識しない記憶から 徐々に思い出してるみたい。 @400 私のクセや……習慣? @830 ……なるほど。 今の敬礼は、セトが無意識に行う 昔からの習慣だったのか……。 @102 セトは真面目だったからね……。 普段から、挨拶とかするたびに よく敬礼してたんだよ。 @403 な、なんだか…… ちょっと恥ずかしいですね。 @102 まあ、いいんじゃないかな? セトらしくて……。 @830 それにしても、まさかここまで 一気に進展するとは……。 今まで何も思い出せなかったのが 不思議なくらいだな……。 @100 やっぱり、一つでも昔の記憶を 思い出せたのが大きかったんだろうね。 これなら、全部元通りになる日も そう遠くはなさそうだ……。 @400 ……\sえっ? 全部……元通りって……。 @100 記憶さえ戻れば、今までと同じ、 元の生活が送れるようになるからね。 これで、また学校に通うことも、 みんなといつも通り話すこともできる。 バルトさんが戻ってくれば…… \s自分の家にだって、すぐ帰れるさ。 @402 あっ……。 @100 ? !wait20 @102 あ、あれ……? 僕……何か変なこと言っちゃった? @402 い、いえ……違うんです。 その……あまりにも突然すぎて……。 @102 おっと、そうだよね……。 ビックリさせちゃって、ごめん……。 @404 そ、そんな謝らないでください! 私は、ただ……! @100 ただ? @400 ……あっ。 !wait40 @402 ……。 ご、ごめんなさい……。 なんでも……ないんです……。 @102 ……? @830 ……\s少し、落ち着くべきだな。 気持ちを整理する時間も必要だろう。 @100 ……そうだね。 !wait20 @102 じゃあ……とりあえず、 何か飲み物でも買ってくるよ。 セトは飲みたいものある? @402 え、えーと……。 じゃあ……お茶で……。 @100 分かった、ちょっと待っててね。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ ……。 !wait40 @402 ……。 @830 セト……。 @402 ……。 !wait60 全部……戻っちゃうんですね。 私の記憶も……この生活も……。 全部、元通りになって…… それで、終わっちゃうんですね……。 @830 案ずるな、終わりなんかじゃない。 これから、ようやく始められるんだ。 セトにとって、本当の生活がな……。 @402 ……。 そうです……けど……。 @830 ……気持ちは分からんでもない。 だが、記憶や生活が元に戻るのは、 ある意味で必然なのだ。 こればかりは、誰であっても…… \sたとえ女神様でも変えられはしまい。 @402 うっ……。 @830 しかし……それは重要なのか? @400 ……えっ? @830 今、確実に言えることは…… いずれ記憶が戻るということだけだ。 裏を返せば、それ以外のことは 何一つとして決まっていない。 だから、本当に重要なのは…… 記憶が戻った時、セトがどう考えて どのように行動するか……。 ……そうではないのか? @400 ……。 私が……どうするか……。 !wait60 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ @100 ただいまー。 @400 あっ、シシトさん……。 @102 ……っと、何か話し中だった? @402 え、えっと……。 @830 なに、大した内容ではない。 ちょうど切りもよかったし、 気にしなくていいぞ。 @100 ふーん。 !wait20 @830 ……\sさて。 二人が休んでる間に…… 少し、散歩でもしてくるとしよう。 @400 えっ? @102 どうしたの、急に散歩なんて……。 @830 単なる食後の運動だ。 公園から出たりしないから、安心しろ。 @100 まあ、ならいいけど……。 @102 あとで探すの面倒だから、 迷子にはならないでね……。 @831 誰が迷うかー!! @102 冗談だよ、冗談。 @833 と、とにかくだ……! しばらくしたら戻ってくるから、 それまで、セトのことは任せたぞ。 @100 もちろんだよ。 クロウの散歩が済むまで、 僕たち、この場所で待ってるね。 @830 うむ、ならいい。 @402 (……\sクロウさん) (まさか……私のために……) @830 (……今、我にできるのは  これくらいだからな) (あとは……セトの好きにしろ) @403 (……) (ありがとうございます……) !wait20 @830 ……よし。 では、さっそく行ってくる。 @100 いってらっしゃーい。 @833 くれぐれも先に帰ったりするなよ。 @102 分かってるよ。 @400 お気をつけて……。 @1 トテトテ ……。 !wait40 @100 ……。 @400 ……行っちゃいましたね。 @100 ……そうだね。 !wait20 @102 とりあえず……お茶でも飲む? @400 あ、はい……。 ありがとう……ございます。 !wait20 !se(Action)飲む !wait30 !se(Action)飲む !wait30 @100 ……ふう。 @400 ……。 @100 お茶、それしかなかったんだけど…… 大丈夫だったかな? @400 はい、とってもおいしいです。 @100 そっか……。 @400 ……。 @100 ……。 !wait40 @102 (……なんだか、気まずいな) (他に人でもいれば、そっちに話を  持っていけるのに……) (今日の公園……どうしたんだろ?) @402 ……\sあの。 シ……シシトさん? @100 んっ、何? !wait20 @400 ……。 もし、このまま私の記憶が 元に戻っても……。 シシトさん……急に いなくなったりしませんよね? @102 ……えっ? セト、何を言って……。 !se(Action)跳ね @404 \f[32]大丈夫ですよね!? @104 わっ!! @400 あっ……。 !wait20 @402 ご……ごめんなさい。 私、急に大声出したりして……。 @102 ……。 !wait40 @100 ……\s当然だよ。 セトの記憶が無くなる前から…… 僕たち、この場所に住んでるんだし。 会おうと思えば、いつでも会えるさ。 @402 ……。 そうです……よね……。 私……何を言ってるんだろ。 @100 ……理由は、よく分からないけど。 少なくとも……記憶や生活が 元に戻ったからって、何かを失う ワケじゃないんだ……。 セトが今持ってる記憶は残るし…… また、みんなでショッピングに行ったり、 中学校を訪問したりもできる。 だから……何も心配いらないよ。 @400 ……。 !wait40 じゃあ……。 @100 んっ? @403 ……。 そ、その……。 また……シシトさんの家に 行ったりしても、いいんですか? @102 えっ、なんでウチに? @402 そ、それは……。 @100 ……\s居心地よかった? @400 えっ……? @102 いや……なんとなくだけど。 ウチの生活って、見ての通り 毎日にぎやかだからさ……。 セトにとっては、そういう生活が 心地よかったのかなって……。 @400 は、はあ……。 それは……確かに……。 !wait40 @402 ……。 でも……やっぱり迷惑が……。 @100 別に構わないよ。 @400 ……っ! @100 まあ、普段は学校とかもあるし、 毎日は無理だと思うけど……。 たまにウチへ遊びに来て、 みんなでご飯を食べるくらいなら 普通にできると思うよ。 ……。 @102 あと……事前に連絡くれれば、 カラアゲとか作ってもらえるかもね。 @403 ホ、ホントに……? ホントに……いいんですか? @100 うん、僕が保障するよ。 @102 セトが来てくれるなら、その日は 僕のご飯も\r[安泰,あんたい]だろうし……。 @401 って、そういう\r[魂胆,こんたん]ですか!? @100 けど、冗談でもないよ。 セトがそうしたいって言ってるんだ。 母さんや姉さんだって…… きっと、分かってくれると思う。 だから……安心して。 @402 ……。 シシトさん……。 @100 んっ? !wait60 @0 \c[6]トンッ…… @102 ……へっ? !wait10 @104 ちょ、ちょっと……セト!? どうしたの!? 急に、こっち倒れてきて……。 まさか……本当に熱が……。 @1 「……ありがとうございます」 @102 ……はい? @1 「私……怖かったんです」 「記憶が戻ったら……今までの私が、  私でなくなっちゃう気がして……」 「そうなったら、私自身の気持ちも……  助けてくれた人たちのことも……」 「全部、夢のように忘れてしまって……  消えてなくなっちゃうんじゃないかって……」 @100 あっ……。 @1 「……でも、違うんですよね」 「たとえ記憶が戻ったとしても……  それ以外のことは、何も変わらない……」 「私、これからも……シシトさんや、  みんなと一緒にいられるんですよね……」 @100 ……。 !wait40 うん……。 もちろんだよ……。 いつだって……みんな一緒さ……。 @1 「……」 「よかった……」 @100 ……。 セト……。 !wait60 @1 「……もう少し」 @100 ? @1 「もう少しだけ……こうしてて、いいですか?」 @102 ……えっ? @1 「安心できたから……なんでしょうか」 「なんだか、急に気が抜けちゃって……」 @102 あっ、うん……。 別に……いいけど……。 @1 「すみません……」 !wait60 @102 (……\sうっわー) (これはちょっと恥ずかしいな……) (まあ、周りに誰もいないのが  不幸中の幸いか……) (……) @104 (……って、ここ監視カメラあるじゃん!) (思いっきり録画されてるよ!) @1 「……」 @102 (……) !wait40 (はあ……しょうがないか) (今まで撮られた映像と比べれば、  全然マシだよね……) (早くクロウが戻ってくることを  期待しよう……) @0 !mvnil !wait40 !bgm !wait100 @1 失くした記憶は……いつか元に戻る……。 それは最初から分かってたことだし、 私自身、記憶を取り戻すために 必死で頑張ってきた……。 みんなと楽しい毎日を過ごすため…… \sみんなに心配をかけないため……。 そして、本当の自分を取り戻すため……。 そんな気持ちに背中を押されながら、 暗闇の中を必死で走り続けて……。 ようやく、いつか見ていた光に、 手が届くところまでやってきたんだ……。 !wait60 ……なのに。 今は、記憶が戻ってしまうことが……。 この生活が終わってしまうことが…… \sなんだか、とっても悲しい……。 記憶を探す日々の中で見つけた、 たった一つの小さな光……。 私にとって、それはあまりにも眩しすぎて……。 いつまでも、この光を近くで見ていたい…… \sその気持ちが原因なんだって、 自分でも気付いてる……。 でも、それは望んじゃいけない事……。 ここで私が立ち止まったら…… また、みんなに迷惑をかけちゃう……。 それだけは……絶対にダメ……。 !wait60 「……もう少し」 「もう少しだけ……こうしてて、いいですか?」 ……。 だから……。 これが……今、私にできる……。 精一杯の……わがままです……。 !wait100 @0 !mv \> \ \ \