#Episode0「転機」 それは、3年前の出来事でした……。 !wait20 !mv警察署コンピュータ室 !wait20 !bgmほんわかムード @120 ドキドキ…… @1 「シイナさーん、本番入りまーす」 @120 えーと、本日の商品は……。 ←(原稿朗読中) @1 「……シイナさーん?」 @120 はっ、はいっ! 準備オッケーです! @1 「では、スタート!」 !wait40 @120 ……\sえー、\sコホン。 本日の商品は、先月発売されました……。 ……\sって。 ちょ……これ違う! 別の商品の原稿じゃない! @1 「カット!」 「シイナさん、しっかりしてくださいよ……」 @121 す、すみません……。 @1 「しょうがないですねぇ〜」 「じゃあ、もう一回いきますよ」 @120 ……はい。 !mvnil @0 !mv !wait30 !mv1F廊下 !wait20 !se(Action)学内歩き @121 ……\sはあ。 結局……やり直し16回して、 1分の宣伝収録するのに3時間か……。 私、何やってるんだろう……。 !wait20 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ @902 おはようございます。 @120 あっ、おはようございます、 プロデューサー。 @902 ……どうしましたか? なにやら、元気が無いようですが……。 @120 ……。 実は、今日も仕事でミスを しちゃいまして……。 @902 まあまあ、無理もないですよ。 シイナさんは、ウチのラジオ局に入って まだ1年も経ってないんですから……。 誰だって、最初の頃は 小さなミスの繰り返しです。 実際、私もそうでした。 @120 プロデューサー、社内では昔から 天然ドジっ子で通ってたようですしね。 @903 って、なぜその話を!? @120 先輩からお聞きしました。 @903 しくしくしく……。 シイナさん、勉強熱心ですね……。 @120 私も、先輩方のように 早く立派な仕事がしたいと 考えてますから……。 そのための苦労は惜しみません。 @902 それは感心なことです。 @121 ……。 でも、最近思うんです……。 いくら勉強をしても、発声練習をしても、 こんなに仕事でドジばかりしてて……。 もしからしたら、この仕事に 向いてないのかもしれません……。 @902 そうは思いませんけどね。 あなたを面接した時の対応は、 本当に見事でしたから。 @120 それについては、本当に感謝しています。 プロデューサーのお力が無くして、 私は、この場所にいなかったでしょう。 ……。 @121 ……だからこそ。 こうして、仕事でミスばかりしてしまい、 本当に申し訳ありません……。 これでは、プロデューサーに 会わせる顔も無いですね……。 @903 まあ、あなたがここまで 極度のあがり症だったとは、 想像もしてませんでしたからね……。 アドリブと朗読のギャップが……。 @121 ……。 好きで選んだ仕事だけど……。 やっぱり、好きなだけじゃ ダメなのかな……。 @902 ……。 シイナさん。 @120 はい、何でしょうか? @902 ……実は。 今日、あなたに対して リスナーの方からコメントが 届いてましてね……。 @120 ……えっ? わ、私に……ですか? @902 ええ、そうです。 @120 ……あ、あの。 よろしければ、そのコメントを 聞かせていただきたいのですが……。 @903 ……\sしかし。 実は、このコメント……。 @120 お願いします! @902 ……。 分かりました……。 これが……あなたに寄せられた リスナーからのコメントです。 !wait20 !se(Action)ページをめくる @1 \c[3]「単刀直入に言います。  村上さんの声はいつもガチガチで、  聞いているだけで疲労を感じてしまいます」 !se(Action)ページをめくる \c[3]「頼むから、やめてください」 @120 ……。 @902 ……\sこれがコメントです。 @903 まあ、苦情とも言えますがね……。 でも、シイナさん、これにめげず……。 @120 ……なるほど。 @903 へっ……? @120 疲労感を覚える声ですか……。 おそらく、緊張のせいもあるのでしょうが、 何度もやり直すうちに、私の疲労も 次第にたまってしまって……。 それが、リスナーの方にまで 伝播してしまったのかもしれません。 ラジオの放送はテレビと違い、 短時間に全てが集約されますし……。 私も、今以上に集中して、 今後も取り組んでいかなくては……。 @902 ……。 全く動じないんですね……。 今まで、このような苦情を受けて、 \r[凹,へこ]まなかった人は初めてです。 @120 苦情も感想も無いんですよ。 リスナーの皆様から頂けるコメントは、 貴重な資料であり、財産だと考えています。 提供者としての立場上…… これを踏まえて、より良い放送を 皆様に伝えていきたいんです。 @902 ……\sなるほど。 ちなみに、シイナさん。 @120 はい、何でしょうか? @902 ……これ、ラジオ局に届いた 別のコメントなんですが。 ちょっと見てください。 !se(Action)ページをめくる @1 \c[3]「パンツをくれー」 @120 ……\sまあ。 パンツが無くて困っているのですか……。 @121 ラジオ局に訴えるなんて……。 よほど金銭的に\r[逼迫,ひっぱく]した状況か、 もしくは、サイズが合わないのでしょう……。 非常に心苦しいです……。 ラジオを介して、みなさんに 呼びかけをしないと……。 @902 ……\sなるほど。 やはり、私の目に狂いは無かった……。 @120 ……えっ? @902 ……実はですね。 私、アクアフロートという場所に 転勤が決まりまして……。 そこで、新しい番組を一本作るよう お達しを受けたんですよ。 @120 まあ、それはすごい事じゃないですか。 おめでとうございます。 @902 いえ、本当に言いたかったのは そんな事じゃありません。 シイナさんにも、私と一緒に 来ていただきたいのです。 @120 ……\sえっ? @121 そ、そんな……。 私、まだ大卒1年目ですし……。 それに、プロデューサーは すでに意中の方が……。 @903 いや、違うますから! ってか、後者の話は なんだああああああああああああ!? @120 これも先輩からの情報です。 @903 ううっ……。 @120 ……\sでも。 そうでは無いとしたら…… 一体、なぜ私も一緒に行くんですか? @902 理由は簡単です。 シイナさんがいなくては、 私の番組が成立しませんからね。 @120 えっ……? @902 構想は、すでに出来上がってます。 リスナーの皆さんに良い番組を 提供したいのは、私も同じなんです。 そのためには、どうしても シイナさんの協力が必要なんです。 @120 ……。 @902 ……\s改めて問います。 !wait40 !bgm !mvnil @0 「シイナラジオ」のDJ……やってみませんか? !wait40