#Silhouette Extra Tale 第7章「救われた心」 !v27=2 !v35=2 !v36=2 4年前……。 僕は大切な友達を失った。 助ける事ができなかった……。 その時、僕の自信は コナゴナに打ち砕かれた……。 ……だが。 僕は……立ち止まらなかった。 そして、今もこうして助けようとしている……。 !wait40 \f[32]Silhouette Extra Tale 第7章 救われた心 -Relief- !se(System)キー3 !wait80 !bgmタイトル画面 !wait40 @1 (……) (……あれ?) (周りの雰囲気が……変わった?) !wait40 「シシトさん……。」 (えっ……?) (女神様の……声?) 「シシトさん……私の声が聞こえますか?」 「聞こえるなら、ゆっくり目を開けてください。」 (……) !wait40 !mvマジカルパレス !wait1 !mvnil !wait5 !mvマジカルパレス !wait2 !mvnil !wait5 !mvマジカルパレス !wait40 @130 ……。 ここは……。 @1 「あなたが今いるのは、 セトさんの意識の世界の入り口です。」 @130 これが意識の世界か…… まるで天国みたいな場所ですね。 あたり一面、 雲のような物しか見えないや。 @1 「その中へ進めば、 意識の奥に進む事ができます。」 「それと、後ろの方を見てください。」 @130 後ろ……? @1 そう言われて振り返ると、 そこには太陽のような光が輝いていた。 @131 なんかすっごく眩しいんですけど……。 @1 「それが、こちらの世界と 意識の世界をつなぐゲートです。」 「戻る時は、ここを通ればすぐ戻れます。」 「いつ戻るかはシシトさんの自由です。」 @130 ……。 @1 「意識の世界は、その人の理念によって 作られた未知の世界です。」 「他者にとって、 そこは巨大な迷路と同じような場所。」 「どこに何があって、どうすれば 移動できるのかは私にも分かりません。」 「私の声が届くのも、 この意識の入り口まででしょう。」 「私からは、これ以上の助力はできません。」 @130 いえ、これだけでも十分です。 後はこっちでなんとかします。 @1 「シシトさん、 くれぐれも無茶はしないでくださいね。」 「そしてできる事なら、 私が『送還』を使用する事態になる前に 戻ってきてください。」 「私たちはまだあなたの力を 必要としていますから……。」 @130 ……分かりました。 セトを助けたら、すぐに戻ります。 @1 「……\sそうでしたね。」 「これで私の方から話せる事は以上です。」 「何か質問はありますか?」 @130 いえ、大丈夫です。 時間もあまりないでしょうから、 早速行ってきます。 @1 「はい、分かりました。」 「もし何か聞きたい事がありましたら、 ここで私を呼んでください。」 「では、お気をつけて……。」 !wait40 @130 ……。 とは言ったものの…… どこに行けばいいんだろうな。 !wait20 @131 考えても仕方ないか。 とにかく、まずはどこでもいいから あの雲の中に入ってみよう。 !se(Action)学内歩き @1 僕はゲートのある方向とは 逆の方向に向かって歩き出した。 そして、雲の中に足を踏み入れた。 !wait20 @130 ……。 何も……\s見えない……。 @1 その中は、まるで濃い霧が 立ち込めているような場所だった。 自分の足元さえも霞んで見える。 少し歩いてから振り返ってみると、 歩いてきた方向は完全に見えなくなっていた。 いや、もはや歩いてきた方角さえも、 よく分からない状況だった。 ……\sそれでも。 !wait20 !se(Action)学内歩き @130 @1 僕は足を止めることなく進んでいった。 !mvnil !wait60 !mvマジカルパレス !se(Action)学内歩き !wait35 !se(Action)学内歩き !wait35 !se(Action)学内歩き !wait35 @130 ……。 どのくらい進んだのかな……。 @1 ひょっとしたら…… 全く進んでいないのかもしれない。 ここは意識の世界。 僕の生きる世界とは全く異なる世界。 僕の知っている常識は 通用しない世界なのだろう……。 @130 ……。 !wait20 なんでだろうな……。 @1 歩きながらふと考えてみる。 どうして僕はこんな所に来てしまったのだろう。 何の打算もなく、 自分の命を危険にさらしてまで……。 冬村さんには…… これは僕の背負っている罪だと言った。 ……。 過去の清算……。 確かにそれは間違っていない。 だからこそ、僕はあの事件以来ずっと 誰かを助けようとしてきたはずなんだから……。 ……\sでも、\sあの時リセットはこう言った。 !wait40 『あなたは……誰も助けてないじゃない。』 ……。 そうだ……。 僕は助ける事ができなかった。 今度こそ……\sもう2度と……。 そう思っていても、結局は何も変わっていない。 僕は……今も無力なままだ。 そんな僕が、たった一人で こんな所に来たところで結果は見えている。 !wait20 はっきり言って、\sこれはただの自殺行為……。 過去を清算するどころか、 自分から死にに行くようなもんだ。 そんなこと、自分でも分かっているのに……。 !wait40 どうして…… \sこんなことをしているのだろう……。 何が……\s僕を突き動かしているのだろう……。 自分でも……もうよく分からない。 !wait40 @134 ……。 考えるのはよそう……。 !wait20 @130 今は……セトを見つけなくちゃ。 !se(Action)学内歩き @1 僕は気持ちを切り替え、 再び見えない道の先を目指して歩き出した。 !wait40 !bgm !se(Action)ジュゴー !mvnil !wait20 @130 えっ? @1 その時だった……。 僕を包み込んでいた霧の世界が、 突然真っ暗な世界に変わってしまった。 @130 これは……。 !wait40 @1 「……じゃない、ちょうど良かったわ。」 @130 ん? @1 どこからか、声が聞こえた気がした。 @131 ……\s気のせいかな? 聞き覚えのある声だったような……。 !wait20 @1 「ほらこちら、中学校のとき一緒だったでしょ?」 「……えっ?」 @130 ……っ! @1 聞き間違いじゃない、確かに声が聞こえる。 しかも……この声は……。 まさかと思い、 声の聞こえた方向を振り返ってみると……。 !wait40 !bgm神秘 @400 @132 セ、セト!? @1 そこにいたのは、間違いなくセトだった。 僕は慌てて側に駆け寄った。 !se(Action)学内歩き !wait5 !se !se(Action)学内歩き !wait5 !se !se(Action)学内歩き !wait5 !se !se(Action)学内歩き !wait5 !se !se(Action)学内歩き !wait5 !se !se(Action)学内歩き !wait5 !se !se(Action)学内歩き !wait5 !se !se(Action)学内歩き !wait5 !se !wait20 @133 セト、無事だったんだ! @400 ……。 @130 でも、どうしてこんな所に? リセットは近くにいないの? @400 ……。 @131 ……\sあれ? @1 いくら呼びかけても、 セトからは返事が返ってこなかった。 そればかりか、 こちらの方を見ようともしていない。 僕の存在に全く気付いていないかのようだった。 @130 ……\sセト? !wait20 !se(Action)ミス @1 スカッ @130 なっ……。 @1 僕が伸ばした手は、 セトの肩をすり抜けてしまった。 !se(Action)跳ね 僕は慌てて手を引っ込めた。 手には、何かに触れたような感覚は 全く残っていない。 そしてセトの方も、 やはりその事に気付いていないようだ。 ……\sしかも。 よく見てみると…… \sセトの姿が少しだけ透けていた……。 @130 ……。 どういう……ことなんだ? !wait40 @1 「あ、セトか。」 @400 え……じゃあこれがシシト先輩? @131 へ? @1 僕がセトの向いている方を見てみると……。 !wait20 @100 懐かしいなあ、全然変わってないね。 @132 !? @1 そこにいたのは、間違いなく僕だった。 @132 えええええっ!? ぼ、僕がもう1人!? @1 さらにその隣には……。 !wait20 @250 @132 ア、アルバート!? なんで君がいるんだ!? !wait20 @131 ……。 僕の今の姿を見て無反応って事は、 やっぱり見えてないのかな……。 @1 「犬山さんの昔の先輩……なの?」 @130 ! @1 また別の声が聞こえてきて、 再びセトのいる方を振り返ると……。 !wait20 @410 @132 ふ、冬村さん!? さっきまで僕の部屋にいたはずじゃ!? @1 「名字が\r[犬山,いぬやま]で名前がセトちゃん……よね?」 @130 はっ! @1 最初に聞こえてきた声がセトに呼びかけている。 どうやら名前を聞いているようだ。 @131 そういえば、この声ってもしや……。 !wait20 @111 シシトー、この子もう高2になってるのよー。 @132 やっぱり母さん!? @1 もう1人の僕がいて、\sアルバートがいて、 \s冬村さんがいて、\sおまけに母さんまでいる。 ここはセトの意識の世界なのに……。 これって、一体どういうことなんだ? !wait20 @110 そういえば後ろのあなた、 昨日駅で見た気がするわよ? @410 えっ……私ですか……? @400 冬村さん、今日転校してきた ばっかりですよ。 @131 ……え? @1 今日……転校してきた? 僕たちが転校してきたのは 1ヶ月前だったはず……。 !wait40 待てよ……。 この会話……\sそしてこの顔ぶれ……。 確か、以前にもどこかでこんな状況が……。 !wait20 !v5=0 !se(Action)ジュゴー !mv住宅地 !wait20 @130 ……っ! @1 突然辺りが明るくなり、 見慣れた風景が広がった。 そこは……\s僕の家の前だった。 !wait40 @130 そうか……。 どこかで見たことがあると思ったら……。 @1 僕はある1つの記憶に思い当たった。 それは薙島高校への 初登校を終えた日の出来事。 学校が終わり、 僕はアルバートと一緒に帰り道を歩いていた。 そして寄り道をしつつ僕の家にたどり着き、 そこで立ち話をしている母さんを見つけた。 その立ち話の相手が、 セトと冬村さんだったのだ。 これは、その時交わされた会話の内容……。 僕の目の前で、その光景が そっくりそのまま再現されていたのだ。 !wait40 @400 あっ、私、塾ありますから、これで。 @110 はーい、じゃあねー、バーイバーイ。 @100 じゃあまた。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ !wait20 @130 ……。 ここで……会話は終わったんだっけ。 @1 こうして僕たちは解散し、 この後僕は家に帰って夕飯を食べて、 それで一日を終えたはず……。 !wait20 !se(Action)学内歩き スタスタ @130 ! @1 しかし、解散した後も場面は続いていた。 !wait40 @400 ……。 (シシト先輩かー。 \sホントに久しぶりだったな) (中学の時に先輩が転校して以来だから、 あれからもう3年近く経ったんだ) (時間が経つのって早いなぁ……) @130 ……。 @1 セトが独り言を言っているわけではない。 どこからともなく、 セトの声が聞こえてきたのだ。 !wait20 @403 (シシト先輩にまた会えて、 なんだか嬉しかったな……) (冬村さんともいい友達になれそうだし、 今日はいい出会いが続く日みたい) !wait20 @404 (よしっ、この勢いで塾もがんばろう!) !se(Action)学内歩き @1 スタスタ !wait40 @130 ……。 もしかして、これって この時セトの考えていた事なのかな? @1 周りにはもう誰もいない。 これはセトしか知らないはずの記憶……。 ……\s記憶? !wait20 記憶だから、\s触れることができない……。 セトが頭の中で考えていた事だから、 \s喋っていなくても聞こえてくる……。 ……\sそうか。 それなら全ての事柄に説明がつく。 人の持つ記憶や思いが作り出した世界……。 それが、意識の世界の正体なんだ。 !wait40 @131 なるほどね、これが意識の世界か……。 確かにこれじゃ、 セト以外にはどこに何があるかなんて 分かるはずがないよね。 !wait20 @130 ……。 とにかく、セトの後を追ってみよう。 !se(Action)学内歩き @1 この世界がセトの記憶で作られているなら、 セトについていけば何とかなるかもしれない。 そう思った僕は、 セトの向かった方向へと歩き出した。 !wait20 !se(Action)ジュゴー !mvnil !wait20 @130 ! @1 しかし歩き出した瞬間、 世界が再び真っ暗になってしまった。 @131 今度はなんだ? !wait40 @1 \c[2]「シシト先輩、 明日には引っ越しちゃうんですよね……。」 \c[4]「うん、そうだね。」 \c[2]「なんだか……寂しくなっちゃいますね。」 \c[4]「いやー、逆に僕の不運に巻き込まれることも なくなっていいんじゃない?」 \c[2]「ふ、不運なんかじゃないですよ!」 \c[2]「それが先輩のとりえなんですから!」 \c[4]「イヤなとりえだ……。」 !wait20 @130 また……\s僕がいる。 @1 再び、目の前に僕とセトが現れる。 だが、さっきとは少し様子が違う。 2人の姿は今より幼く見えるし、 声のトーンもちょっとだけ高い。 しかも、この会話の内容は……。 @130 ……。 !wait40 これは、僕が 七影中学から転校する前日の記憶か……。 確か、2年の春休みに引っ越したんだっけ。 !wait20 @131 ……ん? 誰かがこっちに来る。 !wait10 !se(Action)学内歩き !wait7 !se !se(Action)学内歩き !wait7 !se !se(Action)学内歩き !wait7 !se !se(Action)学内歩き !wait7 !se !se(Action)学内歩き !wait7 !se !se(Action)学内歩き !wait7 !se !se(Action)学内歩き !wait7 !se !se(Action)学内歩き !wait7 !se @1 \c[1]「シシトー!!」 \c[4]「ん?」 @130 ……\sリョウヘイ? @1 \c[4]「リョウヘイ、そんなに急いでどうしたの?」 \c[1]「おいおい、どうしたのはねーだろ。」 \c[1]「ダチがもうすぐ引っ越しちまうってのに、 慌てない奴なんているかよ。」 \c[4]「まあ……それもそうか。」 \c[1]「ってわけで、ゲーセン行くぞ!」 \c[4]「へっ?今から?」 \c[1]「とにかく行くぞ!!」 !se(Action)ビシッ ガシッ !se(Action)ズシャアアー \c[4]「あだだだだっ!!」 \c[4]「リョウヘイ!痛い、痛いから!!」 \c[4]「頼むからそんなに引っ張らないでー!!」 \c[2]「ちょ、ちょっと岸先輩!?」 \c[2]「いきなり何してるんですか!?」 \c[1]「どうせだからセトも一緒に来いよ。」 \c[1]「このままお別れなんてイヤだろ?」 \c[2]「えっ?」 \c[1]「まあ、ついて来りゃ分かるって。」 \c[2]「……。」 \c[2]「はぁ、分かりました……。」 !wait10 !se(Action)学内歩き !wait10 !se(Action)学内歩き !wait15 !se(Action)学内歩き !wait10 !se(Action)学内歩き !wait15 !se(Action)学内歩き !wait50 @130 ……。 行っちゃった……。 どこに行くつもりだろう? !wait20 !se(Action)ジュゴー !mvゲームセンター !wait20 @130 あ……。 @1 僕の言葉に応じるかのように、 場面が移り変わり再び視界が開ける。 そして現れた場所は……。 @130 ……。 ここは……\sゲーセン? @1 この場所には見覚えがある。 \s僕たちは昨日ここに来たばかりだったから……。 中学校の近くにあった、あのゲーセンだ。 そこに、さっきの僕たちがやって来ていた。 !wait40 \c[1]「よしっ、着いた。」 \c[2]「ふ……2人とも速すぎですよ!」 \c[1]「いや、セトも十分速いだろ……。」 \c[4]「で、どうしてこんな所に連れて来たの?」 \c[4]「まさか時間ギリギリまで遊ぶ気かい?」 \c[1]「ちげーよ。」 \c[1]「目的はこいつさ。」 \c[2]「えっ、これって……。」 \c[4]「……\sプリクラ?」 \c[1]「おうっ。」 \c[1]「シシトってさ、 学校には大量に置き土産してるじゃん。」 \c[1]「でも俺たちだけの思い出の品とかって、 あんまし残ってねーだろ?」 \c[4]「……言われてみればそうだね。」 (あれは好きで残したわけじゃないんだけど……) \c[1]「だからさ、シシトが引っ越す前に 簡単に思い出を残せるいい方法がないかって、 色々と考えてみたんだ。」 \c[1]「それで思いついたのがこれってわけ。」 \c[4]「さすがリョウヘイ…… ゲーセンの常連らしい発想だね。」 \c[1]「急だったから 他の連中は集められなかったけどな……。」 \c[4]「今時プリクラはね……。」 \c[2]「……。」 \c[2]「でも、確かに名案ですね……。」 \c[2]「シシト先輩、せっかく来たんですから みんなで撮りましょうよ。」 \c[1]「ほら、セトも乗り気みたいだし、撮ろうぜ。」 \c[4]「……。」 \c[4]「はいはい……。」 !se(Action)学内歩き スタスタ !wait40 !se(System)キー3 カチッ !se(System)ピロロロリン 『撮影は終了しました。』 『しばらくお待ちください。』 !wait40 ジー ←(印刷音) !wait40 \c[1]「……\sよーし、\sよく撮れてるな。」 \c[4]「そうだね。」 \c[2]「でも、シシト先輩なんだか表情が硬いですよ。」 \c[1]「まあ、シシトっぽくていいんじゃね?」 \c[4]「ははは……。」 \c[1]「じゃあ、こいつを3等分して……。」 !wait40 @130 ……。 そういえば、こんな事もあったな。 @1 こうして僕とセトは、リョウヘイに 半ば強引にゲーセンに連れてこられた。 そして、お別れ前に 3人で最後にプリクラを撮ったんだ。 中学校を再び訪れるきっかけとなった、 あのプリクラを……。 これは、その時の光景だった。 ……。 別れ……\sそして再会か……。 セトにとっては、 どっちも印象深い記憶なんだろうな。 ……。 もしも……。 これがセトの記憶でできた世界なら……。 セトの記憶を辿っていけば、いつかは 意識の深層にたどり着けるかもしれない……。 !wait40 @130 ……\sよしっ。 !wait20 @133 だったら、どんどん行くぞ!! !se(Action)ジュゴー !mvnil !wait10 !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se @1 考えたら行動あるのみ。 1つの打開策を思いつき、 僕は暗闇の世界を早足で駆けだした。 !wait20 !se(Action)ジュゴー !mv301教室 「みなさん、入学おめでとうございます。」 !se(Action)ジュゴー !mvnil !wait10 !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !wait15 !se(Action)ジュゴー !mv全体マップ \c[2]「ここがアクアフロートかー。」 \c[2]「本当に島が浮かんでいるんだね。」 !se(Action)ジュゴー !mvnil !wait10 !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !wait15 !se(Action)ジュゴー !mv塾 「表彰状、犬山セト殿。」 \c[2]「はいっ!」 !se(Action)ジュゴー !mvnil !wait10 !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !wait15 !se(Action)ジュゴー !mv自宅 「犬山さん、誕生日おめでとう。」 !se(Action)ジュゴー !mvnil !wait20 !se(Action)ジュゴー !wait20 !se(Action)ジュゴー !wait20 !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !wait40 次々と浮かんでは消えていく記憶の断片……。 僕は移り変わる光景を目にしながら、 意識の世界をがむしゃらに走り回った。 ……\sでも。 !wait40 @132 ぜぇ……\sぜぇ……\sぜぇ……。 @1 息切れするまで走って、 たくさんの記憶を見たはずのに、 深層に近づいている気が全くしない。 ……。 よく考えれば……それも当然の事か。 記憶をたくさん見たと言っても、 それはほんの一部に過ぎない。 覚えていない事まで含めれば、 人の持つ記憶はとてつもない量のはずだ。 いくら走ったとしても、 短時間で全てを見る事なんて不可能だろう。 しかも……。 !wait20 !se(Action)ジュゴー !mv住宅地 !wait20 @130 ……\s次はどこだ? !wait20 @110 あらシシトじゃない、ちょうど良かったわ。 ほらこちら、中学校のとき一緒だったでしょ? @400 ……えっ? @102 ……? @100 あ、セトか。 @400 え……じゃあこれがシシト先輩? @131 ……\sあれ? @1 これは最初に見たはずの光景。 ということは……。 @131 ……\sもしかして、\s戻ってきちゃったのか? @1 ……女神様の言ったとおりだった。 本人以外の人間にとって、 意識の世界はまさに巨大な迷路。 そこに目印や方角などは存在していない。 僕はいつの間にか、 この迷路に完全に迷い込んでしまったようだ。 !wait40 @131 まずいな……。 これじゃ進む事も戻る事もできないぞ。 こっちには時間が無いっていうのに……。 !wait20 @134 ……。 落ち着け……。 @1 今までのことを頭の中で整理してみる……。 ここは、セトの意識の世界。 意識の世界とは、 その人の記憶や思いが作り上げた世界。 ここにある記憶は、 セトにとって印象深い出来事ばかりだ。 !wait40 @134 ……\sおかしい。 @1 何かが引っかかる……。 今まで見てきた記憶の場面には、 どこか違和感があるように感じる。 ここまで見てきた記憶と言えば……。 ……。 アクアフロートでの再会…… \s3人で撮ったプリクラ……。 入学式……\s引越し…… \s表彰式……\s誕生パーティー…… \sその他もろもろの思い出……。 どれも……印象に残るいい思い出ばかりだ。 !wait40 ……\sいい、\s思い出? !wait20 !v36=1 @134 ……そういえば。 ここに来る前、確か冬村さんが……。 !mvnil @410 私は姉さんとの思い出を 今でも覚えています。 姉さんと遊んだり、けんかしたり、 仲直りしたり……。 \r[いい事,・・・]も\r[悪い事,・・・]も、たくさんありました。 !mv住宅地 !wait40 @134 ……。 そうだよ……。 !wait20 @130 思い出って…… \s普通はいい事ばかりじゃないはず……。 ここには……\s\r[それがないんだ,・・・・・・・]。 !wait40 !bgm !se(Action)ジュゴー !mvnil !mv\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx !wait20 @130 えっ……? @1 僕がそう言った瞬間、 再び辺りが真っ暗になった。 !wait40 \c[2]「……\sおじいちゃん。」 \c[3]「んっ、どうかしたのかい、セト。」 @130 あれは……。 @1 そこに現れたのは、 今まで見てきた記憶の中で最も幼い、 幼稚園児くらいのセトだった。 その近くには、バルトさんの姿もあった。 @130 ……セトの幼い頃の記憶か。 でも、どうして急に……。 @1 \c[2]「……。」 !wait20 !bgm別れ \c[2]「なんで……。」 @130 え? @1 \c[2]「なんで、私には お父さんとお母さんがいないの?」 \c[3]「……。」 \c[2]「私の友達は、 みんなお父さんとお母さんがいるんだよ。」 \c[2]「お父さんとお母さんは とっても優しいんだって。」 \c[2]「お休みの日になったら、 遊園地や動物園に連れてって もらえるんだって。」 \c[2]「……。」 !wait20 \c[2]「……でも。」 \c[2]「私には、お父さんもお母さんもいない……。」 \c[2]「私には、おじいちゃんしかいない……。」 \c[3]「……。」 \c[2]「おじいちゃん、 私のお父さんとお母さんはどこにいるの?」 \c[2]「私……お父さんとお母さんに会いたいよ。」 \c[2]「教えてよ……おじいちゃん……。」 \c[3]「セト……。」 \c[3]「……。」 !wait20 \c[3]「……もう少しじゃ。」 \c[3]「セトがもう少し大きくなったら、 お父さんやお母さんのことを教えてあげよう。」 \c[2]「……。」 \c[3]「その代わり……。」 \c[3]「今度の休みになったら、ワシが近くの 遊園地か動物園に連れて行ってあげよう。」 \c[2]「!」 \c[2]「ホント!?」 \c[3]「ああ、もちろんじゃよ。」 \c[2]「ありがとう、おじいちゃん!」 \c[2]「私、楽しみにしているね!」 \c[3]「ほっほっほっ。」 !wait40 @130 ……。 そうか……。 セトはこの頃からもう、 父さんも母さんもいなかったんだ……。 @1 それは幼き日の悲しい思い出……。 僕の言葉を否定するかのように、 その記憶は突然現れた。 そして、その記憶が引き金となり、 セトの暗い過去が 次々と明らかになっていく……。 !wait40 \c[5]「あーあ……。」 \c[5]「イヤだなー、今日は授業参観日か……。」 \c[5]「お父さんとっても厳しいから、 ちゃんと授業聞いてないと怒られちゃうよ。」 \c[5]「ふふふっ、私はお母さんにいいとこ見せれば ご褒美を買ってもらえるからがんばるんだ。」 \c[5]「いいなー。」 \c[5]「私なんて……。」 \c[2]「……。」 \c[5]「あれ?」 \c[5]「犬山さんどうしたの?」 \c[2]「あっ、ううん、なんでもない……。」 !wait20 \c[5]「そういえば……。」 \c[5]「セトちゃんの家は いつもおじいさんが来るんだっけ。」 \c[5]「1人だけ変だよね。」 \c[2]「……。」 !wait20 \c[5]「あっ、そろそろ授業が始まっちゃう。」 \c[5]「早く準備しないと……。」 \c[5]「きゃー!!」 \c[5]「もう外にお父さん来てるし!」 \c[5]「よしっ!」 \c[5]「今日はいつも以上にがんばるぞー。」 \c[2]「……。」 !wait60 \c[5]「犬山さんってすごいよね。」 \c[5]「すごく頭いいし、運動もできるし、 委員会とかも積極的だし……。」 \c[5]「うらやましい限りだよなー。」 \c[5]「それに結構かわいいし……。」 \c[5]「それはハーフだからそう見えるんじゃない?」 \c[5]「髪の色や目の色も私たちと違うし。」 \c[5]「すごいというより……変わってるよね。」 \c[5]「そうだね、なんか僕たちとは 住んでる世界が違うっていうか……。」 \c[5]「実は魔法の世界からやってきました、とか?」 \c[5]「あははっ、それサイコー!」 \c[5]「ちょっと、あんまり大きな声で言うと 聞こえちゃうわよ。」 \c[5]「あ、やばっ……。」 \c[5]「……\sでも、\s確かになんだか違うよね。」 \c[5]「そりゃ当然さ。」 \c[5]「半分日本人じゃないし、 両親いないみたいだし……。」 \c[5]「それが一番の違いだよな。」 \c[5]「それさえなきゃ、 カンペキな優等生なのにねー。」 \c[5]「案外、違う世界から来たって言うのも 嘘じゃないかもね……。」 \c[5]「言えてる言えてる。」 \c[2]「……。」 !wait40 @130 ……。 セト……。 @1 子供と言うのは、純粋だからこそ時に残酷だ。 セトはその外見や家庭環境の違いのせいで、 学校等ではずっと浮いた存在だったのだろう。 その違いが、どのような結果をもたらすのか。 この光景が……\sそれを物語っていた……。 !wait40 \c[5]「あら犬山さん、どうかしたの?」 \c[2]「あの、私の代わりに この仕事お願いしたいんですけど……。」 \c[5]「えー、私が?」 \c[5]「犬山さんがやればいいじゃない。」 \c[2]「私、明日塾で試験があるから その勉強をしないといけないんで……。」 \c[5]「大丈夫大丈夫。」 \c[5]「犬山さん頭いいんだから、 それくらい何とかできるでしょ。」 \c[2]「で、でも……。」 \c[5]「まあ、そういうことだから、 頼むなら他当たってよね。」 !se(Action)学内歩き \c[2]「あっ、ちょっと……。」 \c[2]「……\sどうしよう。」 !wait40 \c[5]「え、ウチのクラブに入りたいだって?」 \c[2]「ダメ……\sですか?」 \c[5]「うーん……。」 \c[5]「君が入ると、 色々と問題がありそうなんだよね。」 \c[2]「わ、私は大丈夫です!!」 \c[2]「問題のないように精一杯がんばりますから!」 \c[5]「君が良くても周りがね……。」 \c[5]「私は君だけを担当するわけじゃないんだ。」 \c[2]「あ……。」 \c[5]「……。」 \c[5]「そういう事で……\s悪いが諦めてくれ。」 \c[2]「……。」 \c[2]「はい……。」 !wait40 \c[5]「残念ですが、これでは無理です。」 \c[2]「え?」 \c[5]「これには保護者の方の承認が必要ですので。」 \c[2]「でも、それならちゃんと おじいちゃんの承認ならここに……。」 \c[5]「あなたのご両親の 承認でなくては認められません。」 \c[2]「そんな……。」 \c[5]「今すぐ連絡がつくのでしたら、 それでも構いませんが?」 \c[2]「……。」 \c[2]「連絡は……\s取れません。」 \c[5]「では、お引取りください。」 \c[5]「これ以上は時間の無駄です。」 \c[2]「……。」 \c[2]「分かり……\sました……。」 !wait40 @130 ……。 ひどい……。 @1 周りとほんの少し違うだけなのに……。 理不尽な偏見、差別、不遇……。 見ているこっちまで つらくなってくるような光景……。 ……。 セトは何も悪いことをしていないのに……。 どうしてこんな目に 遭わなくちゃいけないんだよ……。 僕たちの前では あんなに明るく振舞っていたのに……。 これほどつらい過去を背負っていたのか……。 !wait40 @1 \c[2]「なんで……。」 @130 ! @1 \c[2]「なんで……\s私はみんなと違うの?」 \c[2]「勉強だって、スポーツだって……。」 \c[2]「私なりに一生懸命がんばってるのに……。」 \f[22]\c[2]「なんで……\s私はみんなと仲良くできないの?」 \f[20]\c[2]「なんで……\s私にそんな態度をとるの?」 \f[18]\c[2]「なんで……\sなんで……。」 \f[16]\c[2]「なん……で……。」 \f[14]\c[2]「……。」 !wait40 どこからともなくセトの声が聞こえてきた……。 その声はあまりにも弱々しく、 今にも消えてしまいそうだった。 !wait20 セトは……\sずっと一人ぼっちだった……。 ずっと……\s1人で悩んでいた……。 この声には、 そんなセトの苦しみが詰まっていた……。 !wait40 @131 ……。 何が困っている友達を助けるだよ……。 僕は……\s今まで何をやってきたんだ。 @1 自分に腹が立ってくる。 僕は、身近な所にいる人の 苦しみにも気付いていなかった……。 物事の表面しか見ていなかったんだ……。 なのに……ずっと誰かを 助けられると思っていたなんて……。 こんなんじゃ…… \s誰も助けられるわけないじゃないか……。 !wait40 ……\sもういいよ。 セトがどれ程つらい思いをしてきたのかは 十分に分かったよ……。 だから、もうそんな事考えないで……。 お願い……だから……。 !wait40 もはや僕には、 そんな言葉しか浮かんでこなかった。 それはセトに対する慰めというより、 何もできない自分をこれ以上晒したくないという 気持ちから出た言葉だったのかもしれない。 こんな記憶は……\sもう見たくなかった……。 !wait60 !bgm しかし……。 あふれ出した記憶は止まらない……。 セトを取り巻く状況は、 さらに悪い方へと流れていった……。 !wait40 !se(Action)学内歩き !wait35 !se(Action)学内歩き !wait50 !bgmサスペンス \c[2]「……。」 \c[2]「こんな所に呼び出して、何の用ですか?」 \c[5]「何の用ですかって?」 \c[5]「自分の胸に聞いてみたら?」 \c[2]「……。」 \c[2]「私には、先輩方に呼び出されるような事を した覚えは全くありません。」 \c[5]「けっ、言ってくれるぜ。」 \c[5]「……\s目立ちすぎなんだよ。」 \c[5]「新入生のくせに、勉強も運動もできて、 先生からちやほやされてさ。」 \c[5]「おかげでこっちはいい迷惑だ。」 \c[5]「先生はすぐお前の話を 引き合いに出して注意しまくるし……。」 \c[5]「『もっと犬山を見習え。』だとよ。」 \c[5]「なんで俺たちが 新入生を手本にしなきゃなんねーんだよ。」 \c[5]「すっげー腹立つ……。」 \c[5]「あなた、少し調子に乗りすぎてない?」 \c[2]「私はただがんばっているだけです!」 \c[5]「ふんっ、すっかり優等生気取りね。」 \c[5]「そうやってカリカリしてっから、 もう白髪になっちまったんだろ?」 \c[2]「これは生まれつきです!!」 \c[5]「白髪の家系か?」 \c[5]「あーはっはっはっ!!」 \c[2]「……。」 @130 なっ……。 @1 そこには、 周りを上級生に囲まれるセトの姿があった。 いわれのない言葉の暴力を受けるセト……。 明らかな……\sいじめだった……。 !wait40 @133 こ、こいつら…… \s何好き勝手な事を言ってるんだ!! 悪いのはお前らだろ!! @1 もちろん僕の叫びなど聞こえるわけもなく、 場面はどんどん進んでいく……。 !wait40 \c[2]「……用事はそれだけですか?」 \c[2]「私これからやる事があるので もう帰りたいんですけど……。」 !wait20 \c[5]「待てよ……。」 \c[5]「お楽しみはこれからだぜ。」 \c[5]「実はね……今日は私たちから あなたにプレゼントがあるのよ。」 \c[2]「プ、プレゼント?」 \c[5]「聞いた話だと、 お前じいさんと2人暮らしなんだってな。」 \c[5]「かなり貧乏な生活してるんだろ?」 \c[2]「そんなことありません!!」 \c[5]「おー、こわっ。」 \c[5]「……\sまあ、\sそう怒るなよ。」 \c[5]「だからこそ、優しい優しい先輩たちが 貧しい後輩にいい事をしてやろうってんだ。」 \c[5]「ありがたく思いなさい。」 \c[5]「こんな事、滅多に無いわよ。」 \c[5]「あなたのようなはぐれ者には特に、ね。」 \c[2]「……。」 !wait20 \c[2]「何を……\sする気ですか……。」 !wait40 !bgm \c[5]「……\sこれ、\s何だか分かるか?」 \c[2]「……\sえ?」 @132 !? @1 そう言って、 そいつはポケットからある物を取り出した。 それは、\sいかにも切れ味の良さそうな……。 !wait40 !bgmなんだこれは \c[2]「は……\s\r[ハサミ,・・・]?」 \c[5]「ただのハサミじゃねーよ。」 \c[5]「こいつはヘアカット専用のハサミなんだぜ。」 \c[5]「俺の家、床屋やってるんだ。」 \c[2]「ま……まさか……。」 \c[5]「そうさ。」 \c[5]「今からこれで無料カットをしてやるよ。」 \c[5]「これで床屋代が浮くだろ〜?」 \c[2]「そ……そんな……。」 \c[5]「ついでにこんな物もあるわよ。」 \c[2]「!?」 \c[2]「そ、それは……。」 \c[5]「見りゃ分かるでしょ、\s\r[墨汁,・・]よ。」 \c[5]「その髪じゃ目立ちすぎるから、 これで黒く染めてあげるわ。」 \c[5]「まっ、制服についても クリーニング代なんて出さないけどね。」 \c[5]「せっかく親切に タダで髪を染めてあげるんだから、 そこは大目に見なさいよ。」 \c[5]「ふっふっふっ……。」 \c[2]「あ……あぁ……。」 !wait40 @1 みるみる青ざめていくセトの表情……。 それを見て、そいつらはずっと笑っていた。 この状況を、 心から愉しんでいるかのようだった……。 !wait20 @132 こ\n[2]…\n[2]…\n[2]こ\n[2]い\n[2]つ\n[2]ら\n[2]ぁ\n[2]ぁ\n[2]ぁ\n[2]…\n[2]…\n[2]。 !se(Action)学内歩き @1 \c[5]「じゃあ、さっそくやりますか。」 \c[5]「誰かに見つかったらヤバイしな。」 \c[2]「ちょ、ちょっと待ってください!」 \c[2]「こんな事していいと思ってるんですか!?」 !se(Action)学内歩き \c[5]「うるさいわねぇ……。」 \c[5]「優等生だったら、先輩の言う事は ちゃんと聞くものじゃないの?」 \c[2]「こっ、来ないでください!!」 !se(Action)学内歩き \c[5]「いいから大人しくしてろよ。」 \c[5]「すぐ終わるからよぉ……。」 !se(Action)跳ね @132 \f[32]やめろおおおぉぉぉ!! @1 もう我慢できなかった。 居ても立ってもいられなくなった僕は、 いじめをしていた連中に殴りかかった。 !wait10 !se(Action)ミス スカッ しかし、僕の拳はむなしく空を切った……。 @132 \f[36]\wx\f[24]くそっ!!\s\f[30]くそっ!!\s\f[36]くそっ!! 当たれっ!!\s当たれよっ!! \s\f[44]当たれえええぇぇぇ!! !se(Action)ミス !wait10 !se(Action)ミス !wait10 !se(Action)ミス !wait10 @1 何度殴ろうとしても、 記憶でできた存在に僕の攻撃は届かなかった。 @132 セトっ!\s逃げろっ!! \s早くここから逃げるんだ!! @1 しかし僕の声もむなしく、いつの間にか セトは屋上の端に追いやられてしまっていた。 !wait20 !se(Action)学内歩き \c[5]「さあ……\sもう逃げ場はないぜ。」 \c[2]「あっ……。」 \c[5]「いい加減に諦めなさい。」 \c[2]「……。」 \c[5]「……\sふん、\s怖気づいたか?」 \c[5]「何だったら、 助けでも呼んでみたっていいんだぜ?」 \c[5]「どうせ誰もこねぇだろうがなぁ。」 \c[5]「くっくっくっ……。」 \c[5]「……\sそうねぇ。」 \c[5]「おじいちゃんでも呼んでみたら?」 \c[5]「『おじいちゃん助けてー!!』ってか?」 !wait20 \f[44]\c[5]「あーはっはっはっ!!」 !wait40 @132 くっ……。 !wait20 \f[36]くっそおおおぉぉぉ!! !se(Action)ドゴン @1 僕は思いっきり足元を殴りつけた。 !wait20 また……\s僕は見ているだけ……。 また……\s何もする事ができない……。 !wait20 僕は……\sやっぱり無力なのか……。 僕には……\s誰も助けられないのか……。 !wait40 なんでだよ……。 !wait40 @132 \f[44]なんで僕はいつも こうなんだあああ!! !wait40 @1 !bgm \c[4]\f[12]「ドゥオオオオオリャアアァァァァー!!」 \c[5]「ん?」 \c[5]「え?」 \c[5]「なんだ?」 @130 ……\sへ? !wait10 !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)学内歩き !wait4 !se !se(Action)ジュゴー !wait5 !se(Shooting)撃破B !se(Shooting)撃破C !se(Action)爆発音 @1 \f[44]ズドォォォォォン!! \f[16]\c[5]「「「うわあああああ!!」」」 @132 !? @1 突然の出来事だった……。 目の前を何かが駆け抜け、 少し遅れて強烈な突風が巻き起こる。 その突風によって、 いじめをしていた連中が吹き飛ばされた。 @132 な、なんだ今のは!? @1 まるで新幹線でも 通り抜けたかのような衝撃的な光景だった。 一体……何が起こったのか。 僕は突風の吹きぬけた方向に目を向けてみた。 !wait40 \c[4]「はぁ……\sはぁ……\sはぁ……。」 @130 ……\sあ。 @1 その先には、1人の少年が立っていた。 灰色に近い黒髪に、 メガネをかけた1人の男子学生……。 !wait20 村上シシト……。 中学時代の……\s僕だった……。 !wait40 @130 それじゃ……\sまさかこれって……。 !wait20 !se(Action)ジュゴー !mv薙島高校 !wait20 @1 その瞬間、真っ暗だった世界が明るくなり、 予想したとおりの風景が広がる。 そこは、昨日僕たちが訪れた、 中学校の屋上だった……。 !wait40 \c[4]「……?」 \c[4]「あ、あれ……?」 \c[4]「何も考えずに突っ込んだだけなのに、 なんでみんな吹っ飛んでるんだ?」 \c[4]「それに衝撃音まで 聞こえたような気がするし……。」 \c[4]「僕って……こんなに足速かったっけ?」 !wait40 @130 ……\sやっぱり。 セトと初めて会った、 \sあの時のいじめの現場だ……。 !wait20 @131 道理で何があったか よく覚えていないわけだよ。 僕が突っ走っただけで、 いじめをしていた連中が 勝手に吹っ飛んでいったんだから……。 あんな走りができたのは、 魔力のシンクロのおかげってわけか。 @1 \c[4]「おっと、それどころじゃなかった。」 !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se \c[2]「……。」 \c[4]「……。」 !wait20 \c[4]「あー、\sその……\s君、大丈夫?」 \c[2]「……。」 !wait20 \c[2]「わ……\s私、助かったんですか?」 \c[4]「……\sうん。」 \c[4]「いじめをしていた奴らは、 もういなくなったよ。」 \c[2]「……。」 !wait40 !bgm黄昏 \c[2]「……\sうっ……。」 \c[4]「……へ?」 \c[2]「ぐすっ……\sひっく……。」 \c[4]「え、ええっ!?」 \c[4]「ど、どうしたの急に泣き出して……。」 \c[4]「僕、なんか悪い事しちゃった?」 \c[2]「ひっく……\sひっく……\sあ……。」 \c[2]「ありが……\sとう……\sございます……。」 \c[4]「……え?」 \c[2]「私を……\s助けてくれたんですよね……。」 \c[4]「あ、いや……。」 \c[4]「助けたというかなんというか……。」 \c[4]「……。」 !wait20 \c[4]「まあ……。」 \c[4]「この場合は、そういうことになるのかな。」 !se(Action)跳ね ガバッ @132 なっ!? @1 \c[4]「えっ、ちょっと君!?」 \c[2]「ありがとう……\sひっく…… \sありがとうございます……。」 \c[2]「私……\s私すごく怖かったんです…… \sぐすっ……\sひっく……。」 \c[2]「助けてくれて……\sぐすっ…… \s本当に……\s本当にありがとうございます……。」 \c[4]「あ……。」 \c[4]「……。」 !wait20 \c[4]「うん……\s安心して……。」 \c[4]「もう大丈夫だからね……。」 !wait40 @130 ……。 @1 セトは僕にしがみついてしばらく泣いていた。 最初は戸惑っていた僕だったが、 そのまま黙ってセトの様子を見ていた。 その時の僕は…… \s自分でも驚くくらい安らかな表情をしていた。 心の底から、ほっとしているようだった……。 !wait40 @130 ……。 !wait20 そうか……\sそうだったんだ……。 !wait20 @134 ……。 無理なんかじゃなかった……。 僕は、\sとっくの昔に 助ける事ができてたじゃないか……。 @1 何度くじけそうになっても…… \s助けられないと挫折しそうになっても……。 それでも立ち止まらずに 前へと進み続ける事ができた……。 その理由は……\sここにあったんだ……。 @134 ……\sすっかり忘れてた。 これが……初めてだったんだ。 あの事件以来、初めて……。 僕は自分1人の力で、 人を助けることができたんだ。 @1 あの事件以来、 ずっと落ち込んだままだった僕。 しかしある日のこと、 僕は屋上でいじめの現場に出くわした。 僕には、その光景が あの事件と重なって見えたんだ。 ……。 もうあんな事を繰り返したくない……。 そう思った僕は、とっさに 割って入っていじめをやめさせようとした。 そして、その時分かったんだ……。 自分の力だけでも、 誰かを助けられるという事を……。 自信がもてたんだ……。 だからこそ、僕は今まで 人を助けたいと思い続けてこられた。 自分の道を見つけることができたんだ。 人を守ると言う道を……。 それを教えてくれたのは…… \s他でもない、\sセトだったんだ……。 !wait20 @134 あの事件にばかり気をとられていて 全く気付かなかった。 きっかけは、こんな近くにあったのに……。 !wait20 @130 ……。 僕はこの時、 セトを助けただけじゃなかった……。 僕も……\sセトに助けられていたんだ……。 !wait40 !se(Action)学内歩き @1 \c[4]「一体どうしたのセト?」 \c[4]「こんな所に呼び出して……。」 \c[2]「あ、シシト先輩、来てくれたんですね。」 @130 ん? @1 気が付くと、いつの間にかそこには 別の記憶が映し出されていた。 @131 あれっ? こんなことあったっけ? @1 \c[4]「呼び出されたのに行かないのは悪いからね。」 \c[2]「……ありがとうございます。」 \c[4]「で、話っていうのは?」 \c[2]「……。」 !wait20 \c[2]「実は……\s先輩に相談したい事があって……。」 \c[4]「相談したい事?」 \c[2]「……\s先輩はイヤじゃないんですか?」 \c[4]「えっ、イヤって?」 \c[2]「私、周りの子とちょっと違うじゃないですか。」 \c[2]「髪の色とか、\s目の色とか。」 \c[2]「それに、私には両親がいないし……。」 \c[4]「……。」 \c[2]「そのせいで、 私はずっと人付き合いに苦労していました。」 \c[2]「誰と話をしても、みんな、 私にはちょっと違った態度をとるんです。」 !wait40 \c[2]「でも……\sシシト先輩は違った。」 \c[2]「私と話をする時も、 普段と同じように振舞ってくれた。」 \c[2]「普通に接してくれたじゃないですか。」 \c[4]「え、でも、それは リョウヘイとかも同じだと思うけど……。」 \c[2]「シシト先輩は特にそうなんですよ。」 \c[4]「そうかな……。」 !wait20 @131 (昔から引越し繰り返して 色んな人に会ってきたからなぁ……) (そのおかげで、あんまり 人見知りしない性格になったんだろうね) !wait40 @1 \c[2]「……なんで。」 @130 え? @1 \c[4]「え?」 \c[2]「なんで…… \s私はこうなっちゃったんですかね……。」 \c[2]「私は普通の女の子でいたかったのに……。」 \c[2]「もっと、普通の生活がしたかったのに……。」 \c[2]「いくら勉強や運動ができても、 私はみんなと普通に付き合えない……。」 \c[2]「どうすれば…… \s普通でいられるんですかね……。」 \c[4]「……。」 !wait40 \c[4]「……そのままでいいんじゃない?」 \c[2]「えっ……?」 \c[4]「セトはセトなんだしさ、 無理する必要なんて無いよ。」 \c[4]「いつも通りに振舞ってれば、 それでいいんじゃないかな。」 \c[2]「で、でも……。」 \c[4]「確かに、それで誰もが 受け入れてくれるわけじゃないかもしれない。」 \c[4]「でも、全ての人がそうじゃない。」 \c[4]「きっとセトの事を 分かってくれる人だっているさ。」 \c[4]「僕はそう思うよ。」 \c[2]「……。」 \c[4]「それにさ。」 \c[4]「僕から見れば、セトは十分普通だよ。」 \c[2]「……えっ?」 \c[4]「まあ……あくまで 僕の基準からすればの話だけどね。」 \c[4]「僕の普段の生活自体が、 すでに普通じゃないから……。」 \c[2]「ふ……普通じゃない?」 \c[4]「こう見えて、 僕も色々と大変な目に遭ってるからね……。」 \c[4]「まだ会ってから日が浅いから 分からないんだろうけど、もう少し経てば セトにも僕の日常が分かるようになるさ。」 \c[2]「はぁ……。」 \c[2]「……。」 !wait40 \c[2]「シシト先輩って……\s変わってるんですね。」 \c[4]「ははっ、よく言われるよ……。」 \c[2]「……\sでも。」 \c[2]「先輩は、 それがつらいとは思わないんですか?」 \c[4]「うーん……。」 \c[4]「確かにつらいと思う時もあるけど……。」 \c[4]「でも、いちいち考えてもしょうがないしね。」 \c[4]「そういう運命の元に生まれたと思って、 開き直って生活しているよ。」 \c[2]「運命……ですか。」 \c[4]「ある意味、セトも僕と同じなのかもね。」 \c[2]「先輩と……同じ?」 \c[4]「普通とはちょっと違うって所が……。」 \c[2]「あっ……。」 \c[2]「……。」 !wait20 \c[2]「そうかも……\sしれませんね……。」 \c[4]「だからさ、セトも 同じように考えてみればいいんじゃない?」 \c[4]「これが自分の人生なんだと割り切って、 もっと前向きに生きていけばいいんだよ。」 \c[4]「そうすれば、いつかはそれが 自分の普通なんだって思えるようになるさ。」 \c[4]「きっと……ね。」 \c[2]「……。」 \c[2]「私の……\s普通……。」 !wait40 !se(環境)キンコンカンコン !wait200 !se \c[4]「げっ、やばっ、もうこんな時間!?」 \c[4]「チャイムが鳴る前には戻るって リョウヘイに言ってあったのに……。」 \c[4]「ごめんセト、 僕ちょっと用事があるから先行くよ。」 \c[2]「あっ、いえ。」 \c[2]「こちらこそ、 いきなり呼び出したりしてすみません。」 \c[4]「もし他にも何か話したい事があったら、 また今度聞くよ。」 \c[4]「ってわけで、じゃあね。」 !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se \c[2]「……。」 \c[2]「行っちゃった……。」 !wait40 @130 ……。 自分の人生と割り切って、 前向きに生きてけばいい……か。 !wait20 @131 ……\sははっ。 やっぱり僕ってダメだな。 自分でこんなこと言っていたくせに……。 割り切れないでいるのは 僕自身の方じゃないか。 !wait20 @130 ……。 そうだよね……。 いつまでも 過去に縛られていちゃいけない……。 僕は、今この時を 生きているんだから……。 !wait40 @1 \c[2]「先輩……。」 @130 え? @1 \c[2]「……ありがとうございます。」 \c[2]「私、普通っていう言葉に 振り回されていたんですね……。」 \c[2]「本当は、そんな言葉に 意味なんてないのに……。」 @130 セト……。 @1 \c[2]「……。」 \c[2]「そうだ……。」 \c[2]「こんな事でくじけちゃいけないんだ。」 \c[2]「みんなとはちょっと違ってるけど、 これが私にとっては普通の生活なんだ。」 \c[2]「先輩が、そう言ってくれたんだから……。」 \c[2]「私は、\s私。」 \c[2]「これは私の人生なんだもん。」 \c[2]「もっと、前向きに頑張らなくちゃ!」 !wait40 @130 ……。 @1 再びセトの声が聞こえてきた……。 さっきのような弱々しさはすでに無く、 とても力強くはっきりとした声だった。 その変化は、セトの表情にも現れていた。 何かが吹っ切れたかのような、 晴れ晴れとした顔つき……。 過去の記憶の中では一度も見せなかった顔が、 そこには確かにあった……。 !wait20 @130 ……\sそういえば。 記憶を失くしてウチに来た日に、 セトはこう言ってたな。 昔、誰かに似たような事を 言われた気がするって……。 あれは、\sこの事だったのかな……。 @1 それは僕が全く覚えていなかった言葉。 その時の僕にとっては、 本当にささいな言葉だったのだろう。 だが、その言葉はセトの記憶の中に 鮮明に刻み込まれていたんだ。 たとえ記憶を失っても、 \sかすかに思い出せるくらい、\sはっきりと……。 ……\s僕は知らなかった。 この言葉によって、 セトがどれだけ救われていたのかを……。 僕は、2つの意味でセトを助けていたんだ……。 !wait40 @130 ……。 普通……か。 セトは、ずっと普通である事を 望んでいたんだ……。 !wait20 @134 ……\sそれなのに。 @1 周りとは少し異なった環境に生まれ。 その事にずっと悩み続け。 ようやく普通の生活を送れるかと思ったら、 今度は魔法の世界の非日常に巻き込まれ。 そして今は、セトの存在 そのものが消されようとしている……。 ……。 本人の意思を置き去りにして、 事態だけがどんどん加速していく。 降りる事の許されない列車に乗せられ、 敷かれたレールの上を止まることなく ただひたすらに走り続けている。 レールの先がどうなっていても、 自分ではどうする事もできない。 !wait20 たとえ…… \s列車と共に…… \s自分が壊れてしまうとしても……。 !wait40 @131 ……。 全く、ひどい話だよね……。 なんでたった1人の人間が、 ここまで重い人生を 背負わされないといけないんだ。 少しくらい、誰かにその重さを 分けてあげたっていいじゃないか。 !wait20 @130 ……\sひょっとして。 僕はそのためにここにいるのかな……。 @1 普通とはちょっと違った生活、 \s自分の思い描いた日常を求める日々。 全く違うようでいて、 2人の共通項は意外と多い……。 !wait20 ある意味で、\s僕たちは似た者同士だった……。 だからこそ僕は選ばれたのだろう…… \sセトを助けるために……。 なんとなく、そんな気がした……。 !wait40 !bgm !se(Action)学内歩き スタスタ @130 ! @1 突然、セトが 屋上の隅の方に向かって歩き出した。 !wait40 !se(Action)ジュゴー \f[32]シュバァァァァァ!! @133 ! @1 突然、セトの目の前に 黒いゲートのような物が現れた。 まるでブラックホールのような存在……。 そしてセトは…… \sそこに吸い込まれるように消えていった……。 !wait40 @130 ……。 !wait20 もう……\s偶然なんかじゃないよね……。 @1 ここまで何度も 僕の求めに応じて変化してきた記憶の世界。 その度に僕は、迷い、考え、苦しみ、 \sそしてここで全てを知った。 ……。 僕にとって、 意識の世界は迷路なんかじゃなかった。 きっと、最初から一本道だったんだ……。 !wait40 セトの記憶だ……。 セトの記憶が、 僕をここに導いてくれたんだ……。 !wait40 @130 ……\sそこにいるんだね。 あの時のように…… \sまた助けを求めているんだね……。 @1 この先にセトがいる……。 そう確信した……。 ……\sならば。 これから僕がすべきことは……。 @130 ……。 !wait20 @134 ……\s決まってる。 !wait20 !se(Action)学内歩き !wait35 !se(Action)学内歩き !wait35 @1 そのゲートに向かって、 僕はゆっくりと歩き出した……。 !mvnil !wait60 ……。 ……ごめん、セト。 ようやく分かったよ……。 今まで僕が助けようとしていたのは、 過去に囚われた自分だったんだ。 でも、もう見失わないよ。 2度も君に教えられたんだ。 これからは、僕は本当の意味で 人を助けることができると思う。 !wait40 だから……。 もう少しだけ待っていてね……。 今度も……\s必ず助けてあげるから……。 !wait80 @0 The boy reached one answer at last beyond swinging feelings. This story continues.