#Silhouette Sisters 「その後の彼等」前編 !v27=2 !v29=3 !v35=1 !v36=2 !wait30 ……運命に弄ばれた私の物語。 逆らうことのできない大きな流れの中で、 私はずっと1人ぼっち……。 いつからか助かることを諦めて、 流れに身を任せるようになっていた……。 流れに巻き込まれて、何もかも 消えてしまえばいいと思っていたんだ……。 !wait20 ……でも。 運命の出会いは……突然訪れた。 ずっと夢に見続けていた、もう1人の私……。 その夢が現実となり、私の前に姿を現した。 そして、私を救い出してくれたんだ……。 !wait20 ……こうして。 1つの大きな物語が幕を閉じた……。 ……でも。 私の物語は……ここで終わりじゃない。 あの時から止まったままだった、私の時間……。 それが今、再び動き始めたんだから……。 !wait40 \f[20]Silhouette Extra Tale 追章 \s\f[40]Silhouette Sisters \s\f[24]\m[46]〜その後の彼等〜 !se(System)キー3 !wait80 !v5=1 !mv中央公園 !bgm夜の静けさ !wait20 @130 ……\sふぅ。 今日の魔物はちょっと手強かったな。 @131 まっ、補助魔法とかのおかげで、 こっちは無傷だったけど……。 !wait20 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ @404 シシト先輩、今日もお見事でした! @130 ありがとう、セト。 他に魔物の気配は? @400 うーん、特に気配は感じませんね。 もう大丈夫みたいです。 @130 じゃあ、これで一安心か……。 !wait20 @131 ……\sそれにしても。 よりによって、こんな真夜中に たたき起こされることになるとはね……。 @402 私もびっくりしました。 @131 まさか寝ている間でも 魔物の気配が分かるなんて……。 さすがはリセットだ。 @1 \c[4]私なら、この島に出る魔物の気配は いつでも感じ取れるからね。 @130 あ、リセットにも聞こえてた? @1 \c[4]当然だよ、私たちは同じなんだもん。 \c[4]見たことや聞いたことも分かるし、 私から話しかけることもできるからね。 @131 しかも、セトの近くだと 僕にまでリセットの声が聞こえるし……。 @400 これも魔力のシンクロの おかげなんでしょうか? @131 おそらくは……ね。 @1 \c[4]さて、魔物退治も終わったみたいだし……。 \c[4]これからどうするの? @131 いや、どうするも何も、 後は帰って寝るだけでしょ? @402 明日も学校がありますからね。 @1 \c[4]そんなのもったいないじゃない。 \c[4]この時間なら誰もいないんだし、 \sゆっくりとデートでも楽しんで来なよ。 @401 ででっ、でぇとぉぉー!? @131 いや、なんでそうなるのさ……? @1 \c[4]だって2人とも、周りの目が気になるからって いつもこそこそ会ってるじゃない。 @402 そ、それは女神様との約束ですから……。 @131 リセットの魔力をチェックするために、 1日1回はセトと会うことになってるからね。 下手に会うといらぬ誤解を招くんだよ。 (すでに手遅れかもしれないけど) @1 \c[4]はいはい、それくらい分かってるよ。 (全く、この2人は……) @402 ……? @131 リセット……\sなんだか怒ってない? @1 \c[4]\f[32]そんな事無いもんっ!! @401 ビクッ!! @131 おーい、あんまり大声出すと セトが驚くからもう少し落ち着いてー。 @1 \c[4]……じゃあもう黙ってる。 !wait30 @131 ……\sやれやれ。 @402 すっかりスネちゃいましたね……。 @131 リセットもだいぶ性格が変わったなー。 あの時からは想像もできないよ。 @400 いくら神様の子供に生まれたとは言っても、 リセットさんも普通の女の子ですからね。 きっと、これが元々の性格なんですよ。 @131 セトも大変だね、毎日リセットの相手を しないといけないから……。 @402 うーん、確かにリセットさんには 困らせられる事も少なくは無いですね……。 !wait20 @400 ……\sでも、\sこれでいいんですよ。 @130 えっ? @400 これが本来のリセットさん…… \sリセットさんにとっての普通なんです。 @402 この子は、今までずっと大変な思いを してきましたから……。 苦しんだ分だけ、それを忘れるくらい 楽しんでもらわないといけないんです。 そうじゃないと、\sあまりにも可哀想で……。 @130 ……。 !wait20 @134 ……\sそうだね。 セトの言う通り、リセットは今までずっと 1人で苦労してきたからね。 それは正しいと思う。 !wait20 @131 ……\sでも、\s1つ訂正。 @400 えっ……? @130 ……つらい思いをしてきたのは、 リセットだけじゃないでしょ? セトも、あんまり無理はしないようにね。 何かあったら、僕が力になるから……。 @402 あっ……。 !wait20 @403 ……\sそ、そうですね。 ありがとうございます……。 @131 ……? !wait20 セト……\sひょっとして風邪でも引いた? 顔が赤くなってきてるよ? @401 だだだ大丈夫ですっ!! @131 ……\s本当に? @404 ほ、本当ですよっ! 今まで私は風邪を引いた事なんて 一度もありませんから……! @131 まあ、寒中水泳やってるくらいだから、 風邪なんて引かないか……。 !wait20 @130 ……\sじゃあ。 今日の見回りはこれくらいにして、 そろそろ帰ろうか? @131 まだまだ寒い季節だから、このままだと 本当に風邪を引いちゃうしね。 @400 はーい。 !se(Action)学内歩き @0 !mvnil !wait40 !mv住宅地 !wait20 !se(Action)学内歩き @400 ……。 !wait20 あの、\sシシト先輩……。 @130 何? @400 ……。 !wait20 時間が経つのって、 本当に早いですよね……。 あの騒動が起こったのも、 もう3ヶ月も前のことだなんて……。 @131 うーん、そうだね。 言われてみれば、 もうそんなに時間が経ったのか……。 !wait20 @130 ……\sでも、\sなんで急にそんな話を? @402 あっ、いえ…… 特に深い意味は無いんですけど……。 短い間に、私の生活も だいぶ変わったんだなって思って……。 @130 ……\sそうだね。 魔法が使えるようになったり…… \s魔物退治の手伝いを始めたり…… \sリセットが目を覚ましたり……。 たった3ヶ月の間に、 セトの周りでは色んな事が起こったよね。 @402 本当に、嘘みたいな出来事の 連続でしたからね。 リセットさんの声が頭の中に 聞こえてきた時も、すごく驚きました。 @131 確かその時、運悪く授業中で、 ビックリして大声を上げたら みんなに変な目で見られたんだっけ? @401 なっ、なんで先輩が そのことを知ってるんですか!? @131 冬村さんから聞きました。 @401 ガーン! @1 \c[4]こらっ、そんな事言わないのっ! \c[4]気にしてることを言われると、 女の子はすっごく傷つくんだよ! @131 あ、ごめん……。 (黙ってるんじゃなかったのか、リセット?) @402 わ、私は大丈夫ですよ、 そこまで気にしていませんから……。 @131 そう言われると、逆に気にしているように 聞こえるのは気のせいですか? @1 \c[4]悪いと思ってるなら、 罰としてずっと一緒にいてあげれば? @401 ずずっ、ずっとぉぉー!? @131 いや、なんでそれが罰になるのさ? @1 \c[4]細かいことは気にしないのっ! \c[4]それとも……\s一緒にいるのはイヤなの? @402 えっ……? @132 そ、そんな事ないからっ! リセットの思い違いだよっ! @1 \c[4]じゃあ問題ないじゃない。 @131 いや、簡単に言うようだけど、 家も学校も違うんだし……。 @402 そ、そうですよ。 私は先輩が悪いだなんて 少しも思ってませんし……。 それに、ずっとじゃなくても、 こうして毎日会ってるんですから……。 @1 \c[4]はいはい、分かったよ……。 \c[4]これからもちゃんと仲良くしてね。 !wait30 @131 ……。 @402 ……。 @131 セトも大変だね……。 @402 まあ、いつもの事ですから……。 @130 でも、さっきは確かに僕の失言だったね。 @131 ……ごめん、\sセト。 @404 いえ、私は大丈夫です! そういう事をいちいち気にしていたら、 先輩のサポートなんてできませんからねっ! @131 ……それってどういう意味ですか? @400 そのままの意味ですよ。 @131 ……? !wait30 !bgm !se(Action)学内歩き @1 スタスタ @130 ……っ! @400 ……\s足音? @131 いくらアクアフロートが安全だからって、 この時間に外を出歩く人がいるのか……。 @400 そのようですね……。 ……\sあっ。 誰かがこっちの方に歩いてきましたよ。 @130 んー……。 @250 !bgmちょっとマズい @132 げっ、アルバートだ! @400 あっ、本当だ……。 こんな時間にどうしたんでしょうか? @131 たぶん\r[僕,ネコミミ女]を探しているんだと思うよ。 @401 ええーっ!? @131 ネコミミ女がいる事は分かったって 言ったはずなんだけどね……。 今でも拉致の本を読んだり、 ゲーセンで鍛錬を積んだりしてるみたい。 @402 すごい執念ですね……。 @131 やれやれ、ある意味で 魔物よりもやっかいだな……。 これはどうしたもんか……。 !wait20 @404 シシト先輩! @130 んっ? @404 このままだと、家に着く前に アルバートさんに見つかってしまいます! ここは私が注意を引き付けておきますから、 先輩はその間に別の道を通って 家に帰ってください! @131 あっ、その手があったか。 !wait20 @130 ……\sじゃあ、\s後はセトに任せていい? @404 はい、分かりました! また明日お会いしましょう! (ピシッ) !se(Action)跳ね @133 うん、またねっ! @1 タッタッタッ ……。 !wait30 @404 よしっ、先輩が無事に帰れるように 私も頑張らないとっ! @1 \c[4](……\sうーん) \c[4](普段はなんだかんだ言ってても、  こういう時には息がピッタリなんだよね……) !wait20 \c[4](変なの……) @0 !mvnil !wait40 !bgm !wait40 !mv住宅地 !bgm夜の静けさ !wait20 !se(Action)学内歩き @250 ……\sむう。 これといって収穫は無しか……。 今日は何かありそうだと踏んで、 久しぶりに街中を探し回ってみたが……。 ……\sただの思い過ごしか。 !wait20 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ @400 あ、アルバートさん。 @250 むっ、犬山か。 こんな時間に何をしているんだ? @400 おじいちゃんを探しているところです。 @250 祖父を探している……だと? @400 はい。 @402 ウチのおじいちゃん、ちゃんとご飯を 食べさせないと徘徊してしまうんで……。 @252 徘徊!? @1 \c[4]あれっ、でも今日の夜は ちゃんとをご飯を食べてなかったっけ? @400 (それらしいことを言わないと、  嘘だってバレちゃいますからね) @1 \c[4]ああ、なるほどね。 (徘徊の方が嘘みたいだけど……) @250 そ、そうか、それは大変だな……。 俺も探すのを手伝うか? @402 あっ、いえ、私は大丈夫です。 いつものことなんで慣れてますから。 @252 慣れてるの!? @400 ところでアルバートさん。 @250 な、なんだ? @400 アルバートさんの方こそ、 なんでこんな時間に外にいるんですか? @250 いや、大したことじゃない。 !bgm 今日はネコミミ女に会えそうな気がしたから 夜の散歩をしていただけだ。 !bgmコミカル @401 ガーンやっぱり! @250 ? @402 ま、まだ探していたんですか? @250 ああ。 シシトやリョウヘイは、ネコミミ女の 存在を\r[概,おおむ]ね認めてくれたようだが……。 やはり実物を見せなければ 本当に納得してくれないと思ってな。 @402 で、でもシシト先輩は ちゃんと分かってると思いますよ? (なにしろ本人ですから……) @250 ……なぜお前がそう言い切れるんだ? @401 あ、いや、その……。 @250 ……。 !wait20 ああ、すまん……。 野暮なことを聞いたようだ。 @402 (なんか勘違いされた気がする……) @250 ……とにかくだ。 もしネコミミ女を見かけたら、 俺に連絡してくれ。 俺も犬山の祖父を見かけたら連絡しよう。 @402 は、はぁ……分かりました。 @250 では、俺はこれで失礼する。 また会おう。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ !se(Action)跳ね @401 あーっ!ちょ、ちょっと待ってください! (そっちにはシシト先輩の家がっ!) @250 むっ、どうかしたか? @402 あっ、えーと……。 そういえば、さっきそれらしい人が 海岸公園の方に向かっているのを 見かけたんですけど……。 @252 \f[32]なんだってぇぇー!? @401 ビクッ!! @251 犬山、それは本当かっ!? 間違いないんだなっ!? @401 は、はいっ、そうです! @250 ふふふ……。 やはり今日は 散歩に出て正解だったようだな。 @402 あ、あの、アルバートさん? @251 待っていろネコミミ女っ! 今日こそお前を仕留めてみせる! @401 仕留めるんですか!? @251 情報提供、感謝するぞ犬山! ネコミミ女を捕まえた時には お前にも見せてやろう! @401 いや、別にいいですからっ! (いつでも見られるし……) !se(Action)跳ね @251 うおーっ!待っていろネコミミ女ぁぁー! 今からそこに行くぞぉぉー!! @1 ドドドドドー \f[20]ドドドドー \f[16]ドドドー \f[12]ドドー \f[8]ド… !wait30 !bgm夜の静けさ @402 ……。 行っちゃった……。 @1 \c[4]あっちに行っても、何も無いのにね。 @402 うーん……。 でも、嘘をついたのは 良くなかったかもしれませんね。 アルバートさんには 悪いことをしちゃったかな……。 @1 \c[4]そこまで気にしなくても大丈夫だよ。 \c[4]別に悪い人でもないんでしょ? @400 根は真面目でいい人ですからね。 私が記憶喪失になってた時も、 親身になって励ましてくれましたし……。 @1 \c[4]だからって、浮気しちゃダメだよ。 @401 ななっ、何を言ってるんですか!? 私は別に……! !wait20 @1 チャラリーラリ、チャラリラリラー @402 あっ、電話がきてる……。 ……。 @400 ……\sシシト先輩からだ。 !wait10 !se(System)ピッ @1 ピッ @400 もしもし。 @1 "セト、アルバートの様子はどう?" @404 はい、こっちは大丈夫です! 今、アルバートさんは 海岸公園のほうに向かっています! @1 "海岸公園か、アルバートもよくやるなぁ……。" @402 もっとも、私が嘘をついちゃった 結果なんですけどね。 ちょっと可哀想な気もしますが……。 @1 "いや、アルバートだったら問題無いよ。" "それにさ、上手くいけば  探し疲れて懲りてくれるかもしれなし……。" "そうなったらセトのお手柄だよ。" @400 ……っ! @404 そ、そうですねっ! アルバートさんが諦めてくれたら、 シシト先輩も安心ですからね! @1 \c[4](……へぇー) \c[4](たまには気の利いたことを言うじゃない) @400 ところで、先輩の方は大丈夫でしたか? @1 "うん、ついさっき家に着いたよ。" "これもセトのおかげだね、ありがとう。" @400 どういたしまして。 それじゃ、私も自分の家に帰りますね。 @1 "うん、気をつけてね。" "おやすみー。" @404 はい、おやすみなさいっ! (ピシッ) !se(System)ピッ @1 ピッ ……。 @400 先輩も無事に家に着けたみたいだし、 これで一安心ですね。 @1 \c[4]ずいぶん早い連絡だったね。 \c[4]やっぱり、それだけ大事にされてるんだ。 @401 ちょ、ちょっとリセットさん、 さっきから変な事を言わないでくださいよ! @1 \c[4]変な事じゃないもん、 良かったねって言ってるだけじゃない。 @402 と、とにかく、早く家に帰りましょう。 明日も学校がありますから……。 @1 \c[4]……そうだね。 (もう、本当に素直じゃないんだから……) !wait30 !bgm !se(Action)学内歩き スタスタ @400 えっ……? @1 \c[4]……さっきとは別の足音だね。 @402 今度はいったい誰が……。 @1 \c[4]あっ、向こうの方から来るみたいだよ。 @400 んー……。 @500 セトー、どこに行ったんじゃー? !bgmちょっとマズい @401 お、おじいちゃん!? 本当に徘徊してたの!? @500 おお、そこにいるのはセトじゃないか。 @402 おじいちゃん、こんな所で何をやってたの? @500 飯の時間になっても セトがいないから探しに来たんじゃ。 飯はまだかのぅ? @402 おじいちゃん……\s今はもう寝る時間だよ。 それに、今日の夕飯は ちゃんと食べたじゃない。 忘れちゃったの? @500 おお、そういえばそうじゃったか。 !wait20 ところで……\s飯はまだかのぅ? @401 今食べたって言ったばかりじゃない! @500 ZZZ…… !se(Action)跳ね @401 ちょ、ちょっと、おじいちゃん! こんなところで寝たら風邪引くよ!? ちゃんと家に帰って寝ようよ! @1 ゆっさ、ゆっさ…… !wait20 @500 う、うーん……。 @402 おじいちゃん、ちゃんと起きてる? @500 だーいじょーぶじゃー。 @400 じゃあ、早く家に帰ろう。 @500 うーむ、そうじゃな……。 ……\sむっ!? @400 ? @402 おじいちゃん、どうかした? @500 ……。 !wait20 おのれぇ……\s出おったな野犬めっ! @401 野犬!? @500 ふんっ、老いぼれと思って ずいぶん甘く見られたものじゃな……。 ワシはそう簡単には喰らえんぞっ! @401 おじいちゃん、周りをよく見てっ! \s野犬なんてどこにもいないよ!? 寝ぼけてないでちゃんと起きてっ! !se(Action)跳ね @500 むう、あくまでワシを襲うつもりか!? ならばこれでも喰らえ! \s\f[32]ワシの黄金の左フック!! !se(Action)ミス !wait10 !se(Action)殴打 @401 ぎゃん! ←(当たった) @500 ふっ、恐れ入ったか……。 これがワシの……\sじつ……\sりょく……。 !wait20 !se(Action)ドゴン @1 バタンッ @500 ZZZ…… @401 うわーん!また寝ちゃったぁぁー! @1 \c[4]おじいさん、すごく満足そうな顔して寝てるね。 @402 ……\sはぁ。 この様子だと、もう朝まで 起きてくれそうにないですね……。 @1 \c[4]じゃあ、起こさないように運んであげよう。 @401 そんなの無理ですよっ! 私の力だけじゃ、おじいちゃんを 引っ張っていくこともできないのにっ……! @1 なーに、大丈夫だよ。 !wait10 !bgm \r[私,・]\r[に,・]\r[任,・]\r[せ,・]\r[と,・]\r[い,・]\r[て,・]。 @400 えっ……? !se(Action)シュイーン !mvnil @0 !mv !mv住宅地 !wait20 @500 ZZZ…… @400 ……。 !wait20 !se(Action)跳ね @1 ←(バルトを担ぎ上げる) @400 ……\sさてと。 !wait30 @404 \s『転移』! !se(Action)シュイーン @260 !mvnil @0 !mv !wait60 @1 これが……\s今の私の生活。 もう1人の私の意識の中で暮らし、 困った時には表に出て助けてあげる……。 本当は、他にもやりたいことが いっぱいあるけれど……。 私の今一番やりたいことは、 もう1人の私を陰から応援してあげること。 あの子の物語は……\s私の夢……。 あの子に幸せになってもらうことが、 私にとっての幸せにも繋がるんだよね。 !wait20 だから……\s私は頑張るんだ……。 もっとすてきな夢を見られるようにね……。 !wait60 @0 そして、次の日の朝……。 !v5=0 !mv住宅地 !bgm緊急事態 !se(Action)ドア開け !wait12 !se(Action)ドア閉め !wait12 !v35=2 @401 きゃあああ遅刻しちゃううぅぅー!! @500 セトや、気をつけて行っておいで。 @402 ごめんね、おじいちゃん。 朝ごはんは冷蔵庫に入ってる物を 適当に出して食べてね。 @500 む、冷蔵庫の中の物だけなのか? ワシはそこに出とった 食パンでも食べようと思ったんじゃが……。 @401 ああもう、どっちでもいいよ! とにかく行ってきまーす!! @500 ほいほい。 @1 タッタッタッ !mvnil !mv住宅地 !wait20 @402 はぁ……\sはぁ……\sはぁ……。 @1 \c[4]ほらほら、もっと速く。 \c[4]急がないと本当に遅刻しちゃうよ。 @401 ムチャ言わないでくださいよ! 私にはこれが限界です! @1 \c[4]あーあ、もう少し早く起きられれば 良かったのにねー。 @402 しょうがないですよ。 昨日は魔物退治をしていたせいで、 あまり眠れなかったんですから……。 @1 \c[4]寝ていたところを私が起こしちゃったからね。 @401 ってかリセットさん、だったら今朝も 起こしてくれれば良かったじゃないですか! @1 \c[4]そんな事言ったって、 私だっていつも起きてるわけじゃないもん。 \c[4]入れ替わったり魔法を使ったりすると すっごく疲れるんだよ。 @402 私が起きられない原因の一つは そのせいだと思うんですけど……。 @1 \c[4]とにかく、今は早く学校に着くことを考えよう。 \c[4]私はまだ十分に回復しきってないから 表に出ることもできないんだし……。 @400 ここまで来れば大丈夫ですよ。 後はあの角を曲がってまっすぐ進めば……。 !wait20 @1 \f[16]「ドゥオオオオオリャアアァァァァー!!」 @402 えっ……? !wait10 @101 \f[32]間に合えええぇぇぇぇぇー!! \f[24]←(根性ダッシュ中) @401 !? !se(Shooting)撃破C !se(Shooting)撃破B @1 \f[44]ドゴォォォン!! @401 キャアアアァァァー!! @1 \f[20]キャアアアァァァー!! \f[16]ャアアァァー! \f[12]アァー。 \f[8]ァ… !wait20 @102 ……\sんっ? 今、誰かにぶつかったような……。 気のせいかな? !wait20 !se(Action)跳ね @104 ……って、\sそれどころじゃなかった! @101 うおおおお急げえぇぇぇー!! @1 ドドドドドー \f[20]ドドドドー \f[16]ドドドー \f[12]ドドー \f[8]ド… @0 !mv住宅地 !mvnil !wait40 !bgm !wait40 !mv薙島高校 !bgm高校 !wait20 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ @410 ほっ、どうにか間に合った……。 !se(Action)学内歩き @420 おりょ、サユキちゃんおはよう。 @410 おはようメガネちゃん。 @421 ぐしし、今日も遅刻ギリギリだったわね。 @412 そういうメガネちゃんこそ……。 @420 私は家がすぐ近くだからね。 ギリギリまで寝てても大丈夫なのよ。 @412 いいなぁー。 @421 その点、サユキちゃんは大変よねー。 毎日遅くまでゲームをやってて 朝起きられないから……。 @411 だだだだだって、 なかなか終わらないんだもん! @421 終わらないのはサユキちゃんが ゲームオーバーになりにくいからでしょ? やめようと思えば すぐにでもやめにできるじゃない。 @412 そっ、それは……。 @420 はいはい、続きは教室でね。 いくら学校に間に合っても、 \r[HR,ホームルーム]に遅れたら意味が無いわ。 @410 あっ、うん……そうだね。 !wait30 !bgm @1 \f[16]キャアアアァァァー!! @420 んっ? @410 あれ、なんか上のほうから声が……。 !wait20 @401 \f[40]キャアアアァァァー!! @411 !? !mvnil @0 !mv !se(Shooting)撃破B !se(Action)爆発音 !wait40 !mv薙島高校 !bgmサブコミカル @401 ピクッ、ピクッ…… @411 い、犬山さん!? @420 おや、セトちゃんじゃない。 今日はずいぶんと変わった登校ね。 @401 \f[16]あ、2人とも……おはようございます……。 @410 お。おはよう……。 !wait20 @411 ……って、\sあいさつしてる場合じゃないよ! 犬山さん血が出てるじゃない!? @420 保健室まで連れてってあげようか? @401 \f[16]あ、いえ……。 \f[16]私は大丈夫ですから…… 2人は教室に行っててください……。 @412 で、でも……。 ……。 !wait20 @410 ……あっ、\sそっか。 @420 サユキちゃん、どうかした? @412 うっ、ううん、何でもない……。 メガネちゃん、犬山さんもこう言ってるし、 先に教室に行ってよう。 @420 えっ、ほっといてもいいの? @410 うん、思ったよりも大丈夫そうだし……。 @420 ……うーん。 私にはそう見えないんだけどね……。 !wait20 ……まっ、\sいっか。 2人が大丈夫って言ってるんだし、 大丈夫なんでしょう。 @410 じゃあ犬山さん、また後で。 @420 先に教室で待ってるわよー。 @401 \f[16]は、はい……。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ ……。 !wait30 @402 いたたたたぁ……。 と、とにかく回復しないと……。 @1 ……。 !wait20 @400 (……) (誰も見てないかな……) !wait20 \f[16]……\s『治癒』。 !se(Action)シュビー @1 キュゥゥゥン…… !wait5 !se(Event)アイテム入手A !wait15 @402 ふうっ、回復完了っと……。 @1 \c[4]遅刻しなくて良かったね。 @401 良くないですよっ! 私はすごく痛かったんですから!! @1 \c[4]それより、早く教室に 行ったほうがいいんじゃない? !se(Action)跳ね @401 はっ、そうだった! @1 タッタッタッ !mvnil @0 !mv !wait40 !bgm !wait40 !mv301教室 !bgmStation !wait20 @402 ……\sはぁ。 まだ授業も始まってないのに、 すでにクタクタです……。 @410 朝から大変だったね、犬山さん。 @400 まあ、結果的に遅刻しなかったから いいですけどね。 怪我の方も軽傷で済みましたし……。 @420 にしても、あれだけ派手に落ちてきたのに ずいぶんピンピンしてるのね。 @421 いったい誰に似たのやら……。 @402 えっ……? @412 まるでシシト君みたいだよね。 !se(Action)跳ね @401 ふっ、冬村さん、 いきなり何を言い出すんですか!? @421 ぐしし、彼氏の真似をして トラックに撥ねられ登校ですか? @402 べっ、別にそんなんじゃないですよ。 それに、今朝私が飛んできたのは、 トラックじゃなくてシシト先輩に ぶつかったからで……。 @421 あらっ、彼氏のおかげで 遅刻せずに済んで良かったじゃない。 このラブラブちゃんめ〜♪ @401 だから違いますってばーっ! @420 まあまあ、そう隠さなくてもいいじゃない。 @421 2人がいつも一緒にいるのは みーんな知ってることなんだから……。 @402 だ、だからそれは……。 @420 はいはい、ちゃんと知ってるわよ。 @410 記憶喪失の再発を予防するための 『治療』なんだよね。 @404 そういうことです! @1 あの出来事から3ヶ月……。 私は女神様との約束どおり、 毎日シシト先輩と会うようにしています。 それはシンクロ効果でリセットさんの魔力を 安定させておくためなんだけど……。 魔法のことを\r[公,おおやけ]にはできないから、 みんなには嘘の理由を教えることになりました。 その理由というのが、 記憶喪失の再発を予防する『治療』目的……。 昔からの知り合いである シシト先輩に会って話をすることで、 精神面のケアを続けているというわけです。 ちょっと強引だけど、冬村さんの協力もあって、 今はみんなを納得させることができました。 ……\sでも。 @421 まあ、そんな事言いながら、 実は『恋の病』の治療なんでしょ〜? @401 ええーっ!? @1 どうやら、別の意味で 勘違いをしている人もいるみたいです。 まあ、魔法のことが バレてしまったわけではないので、 特に問題はありませんが……。 こう何度も言われると、 さすがに恥ずかしいです……。 ……\sイヤではないですけどね。 @401 (……って、何考えてるの私!?) !wait20 !se(環境)キンコンカンコン !wait200 !se !se(Action)ドア開け @1 ガチャ @520 はい、授業を始めますよー。 @410 あ、もう時間みたいだね。 @420 ちぇっ、せっかく話が 盛り上がってきたところだったのに……。 @402 盛り上げなくていいですよ……。 @420 じゃあ、私は席に戻るわね。 @410 うん。 @421 セトちゃん、続きは授業の後でね〜♪ @401 もういいですってばーっ! @520 犬山さん、静かにしなさい! @402 あっ、す、すみません……。 @412 あはは……。 @0 !mvnil !wait40 !bgm !wait40 !mv住宅地 !bgm住宅街 !wait20 @400 うーん……。 !wait20 !se(Action)ビシッ @404 やっと今日も授業が終わりました! @410 犬山さん、なんだか嬉しそうだね。 @402 最近は学校にいる間中、 みんなから質問攻めにあいますからね。 答えないわけにもいかないので、 学校だと気の休まるところが無いんですよ。 @410 なにしろ女子校だからね。 みんな犬山さんのことが 気になってるんだよ。 @402 うーん……。 やっぱり、まだ治療中なんて言い訳を したのがマズかったんでしょうかね? みんなに余計な心配を かけちゃってるのかなぁ……。 @410 それは違うと思うよ。 @400 違う? @412 どちらかと言うと、犬山さんが シシト君とうまくいってるかどうかが……。 !se(Action)跳ね @401 ちょ、ちょっと、冬村さんまで そんな事言わないでくださいよ! 冬村さんは本当の事を 知ってるじゃないですかっ! @410 もっちろん。 そうじゃなかったら、 今朝だって犬山さんを置いて 先に教室に行ったりしてなかったしね。 @400 あっ……。 そういえば…… \sまだお礼を言ってませんでしたね。 !wait20 @404 ……冬村さんっ! \s今朝は本当にありがとうございました! @410 これくらいお安い御用だよ。 私にできることなら何でも協力するから、 困った時は遠慮なく言ってよね。 @400 それはお互い様ですよ。 私も冬村さんにしてあげられることは、 何でも協力しますからね。 @412 ありがとう犬山さん。 !wait20 @410 ……でも、\s無理はしなくていいからね。 私と違って、犬山さんには やることがいっぱいあるんだから……。 @402 確かに、家事や勉強に加えて、 今は魔物退治のお仕事もしてますからね。 朝から晩まで大変です。 @410 それに、そろそろテストも始まるから ますます忙しくなっちゃうよね。 @404 しかも聞いてくださいよ冬村さん! \s昨日はさらに大変だったんですよっ!? 真夜中に魔物が現れたり、 帰り道でアルバートさんに会ったり、 本当におじいちゃんが徘徊してたり……。 @401 おまけにリセットさんが魔法使っちゃって、 今朝は全然起きられなかったんですよ!? @412 あはは、それは大変だったね……。 @402 ……\sはぁ。 もうすぐテストも始まるのに、 今からとっても不安です……。 @410 そこまで忙しいなら、シシト君か女神様に お願いして仕事を減らしてもらったら いいんじゃないかな? @404 いえ、私は大丈夫です! 魔物退治の手伝いをしたいって言ったのは 他でもない私なんですから……。 私1人のために、先輩や他のみなさんに 迷惑をかけるわけにはいきません! @412 やっぱり犬山さんは真面目だねー。 でも、無理して体を壊しちゃだめだよ。 @400 それなら心配いりませんよ。 @404 私はいつでも元気いっぱいですから! @410 なんてったって、女神様の妹だもんね。 それに、シシト君もいるし……。 @400 そうですね、魔力のシンクロも 元気の要因なのかもしれません。 @410 それだけじゃないでしょ? @400 へっ……? @412 だってさー。 犬山さんがお仕事を休みたくないのは、 シシト君の側にいたいからなんでしょ? !se(Action)跳ね @401 なななななんでそうなるんですか!? そそっ、そんな事ありませんから!! @412 犬山さん……動揺しすぎだよ? @404 ふ、冬村さんまで からかわないでくださいよっ! これ以上そんな事言うなら、 もう宿題で分からないところがあっても 教えてあげませんからねっ! @410 別にいいよ、宿題なら 他の友達に聞けばいいだけだし……。 @412 それに犬山さんがそうするなら、 私は本当のことを みんなに喋っちゃおっかなぁー? !se(Action)跳ね @401 わーっ、ごめんなさい! 私が悪かったですからっ! \s魔法のことは秘密にしておいてください! @412 いえ〜い、私の勝ち〜♪ @402 ……\sはぁ。 なんか、最近みんないじわるですね……。 @412 だって、犬山さんの反応が とっても面白いんだもん。 真面目な子ほどいじり\r[甲,が]\r[斐,い]があるんだよ。 @401 私にとっては面白くないですよっ! ただでさえ毎日忙しいのに、 これ以上心労を増やさないでください! 私が困った時には力になるって 言ってくれたばかりじゃないですか!? @412 あ、そういえばそうだったね。 ごめんね犬山さん、 今度からは気をつけるよ。 @402 ちゃんとお願いしますよ? 冬村さんのことは 頼りにしてるんですから……。 @412 うん、頼りにされてるなら 私もしっかり期待に応えてないとね。 !wait20 @410 ……ところで、\s犬山さん? @400 何ですか? @410 ……。 今からリセットちゃんと 話をしたいんだけど……\sいいかな? @400 いいですよー。 冬村さんの声はリセットさんにも 聞こえていますから、 後は私が代わりに返事を……。 @412 あっ、その……。 できれば、直接お話したいんだけど……。 @400 直接……ですか? @410 うん。 ちょっと長くなるかもしれないから、 犬山さんに代弁してもらうのも 大変だと思うし……。 @400 そうですか……。 じゃあ、リセットさんにも聞いてみるので ちょっと待っててくださいね。 @410 うん、分かった。 @402 そういう事なんですけど、 リセットさんは大丈夫ですか? @1 \c[4]私はいつでもオッケーだよ。 \c[4]サユキ姉さんとお話しするのは楽しいからね。 @400 うーんと、どうやら大丈夫みたいです。 @410 わざわざごめんね、犬山さん。 @400 これくらいは問題ないですよ。 @402 元に戻った時に、どうなっているかが 少しだけ不安ですけれど……。 @412 大丈夫だよ。 私がちゃんと見てるから……。 @1 冬村さんとリセットさんは、 ときどきこうやって話をしています。 私はリセットさんが表に出ている間の事を 何も覚えていないのですが……。 2人はかなり仲良くなったみたいで、 リセットさんは冬村さんの事を 「サユキ姉さん」と呼んでいるそうです。 でも、話の内容については あまり教えてくれないんですけどね……。 いったいどんな話をしているんだろう……。 !wait20 まあ……\sそれはさておき。 @400 それじゃ、リセットさんと交代しますね。 @410 うん。 @400 というわけでリセットさん、いいですよー。 @1 \c[4]うん、いくよー。 !wait20 !bgm !se(Action)シュイーン !mvnil @0 !mv !mv住宅地 !bgmほんわかムード !wait20 @400 ……\sふぅ。 @410 えーと……\sリセットちゃん? @400 うん、そうだよ。 !wait20 @404 こんにちは、\sサユキ姉さん! @412 こ、こんにちは……。 @400 あれっ、サユキ姉さんどうかしたの? なんだか顔がちょっぴり赤いよ? @412 あ、うん……。 私、今まで姉さんしかいなかったから、 そう呼んでもらえるのが少し嬉しくて……。 @400 ふーん、そんなものなのかなー。 @410 でも、実際はリセットちゃんの方が ずっと年上なんだろうけどね。 @404 いいのっ、生きてる時間が違っても 私にとっては姉さんだもん! 細かい事は気にしないっ! @412 あはは、ごめんごめん。 !wait20 @410 ……\sところでリセットちゃん。 @400 なーに? @410 最近の犬山さんってどう思う? どっか変わったところとかはない? @400 うーん、特にこれといって 変化はないかな……。 いつも通りだと思うよ? @412 じゃあ、シシト君とはうまくいってそう? @404 そう、それが問題なんだよ! あれだけ毎日顔合わせてるのに、 2人とも全く進展してないんだもん! @410 そうなんだよねー。 すっごく仲は良さそうなんだけど……。 犬山さんは見ての通りあんなだし、 シシト君は気付いて無いっぽいからね。 @404 全くもう……。 これじゃあ、ただの毎日の習慣と 変わらないよね。 @412 あはは、本当にその通りだね。 犬山さん、毎日忙しそうだから……。 あまり気を回す余裕が無くて、 そういう風に思ってるだけなのかもね。 !wait30 !bgm @410 ……\sでも。 @400 ……? @410 ……。 !wait20 今の犬山さん……\sとっても楽しそう……。 !bgm黄昏 @400 えっ……? @410 ……。 !wait20 犬山さんはね……。 4ヶ月前、私が\r[ここ,アクアフロート]に引越して来てから 初めてできた友達だったの。 @400 4ヶ月……。 私が目を覚ますちょっと前だね。 @410 そう、だいたい一ヶ月くらい前だね。 だから、私も昔の犬山さんについて あまりよく知らないんだけど……。 !wait20 最初会った頃の犬山さん…… \s今とは少し違ってたんだ。 @400 今とは……違う? @410 うん……。 私が1人暮らしだったこともあって、 犬山さんは学校から生活のことまで 分かりやすく丁寧に教えてくれた……。 犬山さんがとっても真面目で、 そしてとっても優しい子だってことは すぐに分かったよ。 !wait20 ……でも、\s私気付いちゃった。 犬山さんと話をするときは、 決まってそういう話ばかりだって……。 いつも話をしているのに、 普通の女の子らしい話をしたことは ほとんどなかったって……。 @400 ……。 @410 最初は、私が転校生だから 話しづらかったのかなって 思ってたんだけど……。 犬山さんを見てると、誰に対しても そういう態度をとっていてね。 休み時間とかも勉強ばかりしてて、 みんなと話をすることも多くはなかった……。 優等生って、犬山さんのような子のことを 言うんだろうなって、そう思ってたんだ。 ……\sあの時までは。 @400 あの時? !wait20 @410 リセットさんが魔法を使って、 犬山さんが記憶喪失になった時……。 私はアルバートさんから こんな話を聞いたの。 親が日本人じゃない人たちは、 ずっと日本で暮らしていても周りからは 浮いて見えちゃうんだって……。 @400 ……。 !wait20 周りと……\s普通と違うからね……。 @410 ……\sこれは、あくまで私の推測なんだけど。 きっと昔の犬山さんも、 そのことでずっと苦労していたんだと思う。 本当はみんなと仲良くしたかったけど、 違いのせいでそれができなくて……。 みんなと話をする機会が少なかったから、 自然と今のような態度を取るように なってたんだよ……。 !wait20 @412 ……\sそれに。 私がシシト君やアルバートさんと 初めて会ったときも……。 犬山さん、自分1人だけが 転校生じゃないって……。 自分だけ仲間はずれだってこと…… \s気にしてた。 @400 ……。 @410 ……でも、\s今の犬山さんは違う。 確かに普段の生活は 忙しくなったかもしれないけど……。 以前よりみんなと話をするようになったし、 内容もずっと日常的なものになった。 そんな犬山さんは、 本当に活き活きしているように見えるんだ。 @400 ……。 !wait20 彼の……\sおかげだね。 @410 ……\sうん。 普段からあまり進んで話をしなかった 犬山さんだったけど……。 シシト君と話す時だけは、 なぜか普通にしゃべってたからね。 それはたぶん中学校の時、 2人の間で何かがあったから……。 そして、リセットちゃんの騒動が きっかけになって、犬山さんの中で 何かが大きく変わったんだと思う。 それは、たぶんシシト君も同じ……。 @400 ……。 @410 ……\sなんていうかさ。 魔力のシンクロとか…… \s好きとか嫌いとか……。 2人にとって、そういうのは あまり関係ないんだと思うんだ。 @400 関係ない? @410 うん……。 犬山さんがシシト君に心を許し、 \sシシト君が犬山さんを助けようとした理由。 私たちには分からない、 2人にとってすごく大事な何か……。 それがあるからこそ、 2人はより深い意味で繋がっている……。 お互いの存在を身近に感じるだけで、 十分に満足できるんだよ……。 @400 ……。 !wait20 そうだね……。 私も、そんな気がする……。 @410 ……\sやっぱりさ。 誰だって、1人ぼっち寂しいからね。 仲間だって心から思える人が 1人でもいれば、それだけで幸せなんだよ。 あの時、女神様が 犬山さんをシシト君に任せたのにも、 そういう意味があったんだと思う。 2人が寂しくないように……。 !wait20 @412 ……\sううん、\s3人が寂しくないようにってね。 @400 ……。 !wait20 あのさ……。 @410 何? @400 サユキ姉さんにはそんな人がいるの? @410 えっ……? !wait20 @400 ……\sなんかさ。 普段のサユキ姉さん見てると、 誰とも同じように話してるから……。 ちょっと気になって……。 @410 ……。 !wait20 そっか……。 私って、そういう感じだったんだ……。 !wait20 @412 自分で言うのもなんだけど…… \sリセットちゃんって、私と似てて鋭いね。 言われるまで気付かなかったよ。 @400 ……\sごめんなさい。 私、変なこと聞いちゃって……。 @412 あっ、ううん、全く気にしてないよ。 !wait20 @410 ……それに、\s私なら大丈夫。 私にとっての仲間は…… \sちゃんと目の前にいるからね。 @400 えっ……? @410 ……\s忘れないでね。 私だって、リセットちゃんの仲間だよ。 !wait20 @412 ……\s同じ妹どうし、\sこれからもよろしくねっ! @400 あっ……。 !wait20 @404 ……\sうんっ! 私の方こそ、よろしくお願いします! @410 よしっ、じゃあ妹同盟も結んだところで……。 !wait30 !bgm @412 さっそく本題に入ろっか♪ !bgmコミカル @400 本題? @410 そっ、本題。 2人が今の生活をするようになって、 かれこれ3ヶ月くらい経ったけど……。 全く進展なしなんて、 見てるこっちがやきもきするからね。 !wait20 @412 ここは1つ…… \s私たちでなんとかしてみよ〜♪ @400 ……っ! @404 ホ、ホントに……? サユキ姉さんも協力してくれるの!? @410 もっちろん。 @412 誰かにちょっかい出すのも、 女の子の楽しみの1つだからね。 リセットちゃんも覚えておくといいよ。 @400 へー、そうなんだ。 !wait20 @410 それでさ……。 やっぱり一番の問題は、 最近の犬山さんの忙しさだと思うんだよね。 @404 うーん、結局はそこなんだよね。 今の生活にもう少し余裕ができれば、 きっと変化があると思うんだけど……。 いったいどうしたら……。 @412 ふっふっふっ……。 実はね……\sとっておきの方法があるんだよ。 @400 とっておきの方法? @410 うん。 こういう方法なんだけど……。 @1 「ぼそぼそ……。」 !wait30 @404 す、すごいっ! それなら全部いっぺんに解決できるねっ! @412 でしょー? 後はリセットちゃん次第だけど、 これならきっと上手くいくよ。 @404 うん、私がんばるよっ! !wait20 @400 あ、でも……。 @410 でも? @400 そうなると、あの人はどうなるの? そのままにしておいたら マズい気もするんだけど……。 @410 あの人……? !wait20 @411 はっ、忘れてた! せっかくいい方法だと思ったのに、 これじゃ実行できないじゃない! @400 あっ、でもやっぱり大丈夫かも。 @410 えっ? @400 ちょっと考えたんだけど…… \sこうするのはどうかな? @1 「ぼそぼそ……。」 !wait30 @410 ……\sなるほど。 確かに、それなら安心だね……。 @412 リセットちゃんかしこーい♪ @404 ありがとう、サユキ姉さん! @410 でもその場合、今度は向こうが オッケーしてくれるかどうかが問題だね。 @404 私に任せといてっ! 私がお願いすれば、 ちゃんと分かってくれるからっ! @410 じゃあ、これで作戦は決まったね。 後はいつ決行するかだけど……。 @400 どうせなら、できるだけ早くやりたいな。 今日とかはダメなの? @412 あはは、リセットちゃんなら そう言うと思ったよ。 !wait20 @410 ……\sそうだね。 今日は私も暇だし…… \sさっそく作戦開始しちゃおっか? @404 うん、分かった! @410 それじゃ、後は犬山さんを 説得するだけだね。 それは私が上手い事言っておくよ。 @404 了解! サユキ姉さん、また後でねっ! !wait20 !bgm @0 !mv住宅地 !se(Action)シュイーン !mvnil !mv住宅地 !bgm住宅街 !wait20 @400 ……っ! @402 あれっ、今日は特に変わってないな……。 @412 気が早いなぁ、リセットちゃんは……。 @402 ……。 !wait20 あの……\s冬村さん? リセットさんは大丈夫でしたか? @410 うん、ちょっとお話をしただけで、 特に問題なかったよ。 @400 そうですか……。 @410 ところで、犬山さん? @400 はい? @412 ……\s突然なんだけど。 今日、犬山さんの家に 遊びに行ってもいいかな? @402 えっ、今からですか? @410 うん、そうだよ。 @402 で、でも……。 今日はこれから買い物に行って 夕飯を作らないと……。 @412 だったらさ、今日は一緒に買い物に行って、 2人で晩ごはんを作ろうよ。 その方が楽しいと思うよ? @402 うーん……。 !wait20 @400 ……\sまっ、\sたまにはいいかもしれませんね。 他でもない冬村さんの頼みですし……。 @412 よしっ、決まりだね! それじゃ、1回家に帰って準備してから 犬山さんの家に行くよ。 @404 はい、分かりました! 冬村さんが来るのをお待ちしてます! @412 うん、また後でねー。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ ……。 !wait30 @400 ……。 いいとは言ったものの…… \s冬村さん、いきなりどうしたんだろう? @1 \c[4]サユキ姉さんにも色々あるんだよ。 @402 ひょっとして、リセットさんとの話に 関係のあることですか? @1 \c[4]さあ、それはどうかなー? @402 やっぱり内緒なんですか……。 @1 \c[4]サユキ姉さんが来れば分かるよ。 \c[4]それよりも、早く家に帰ろう。 \c[4]お客さんを待たせたら失礼じゃない。 @402 あっ、そうだった。 急いで家に帰って お茶菓子とか準備しとかないと……。 @1 \c[4](本当は別の準備もあるんだけどね……) @400 じゃあ、今日はこのまま 寄り道しないで帰りますね。 @1 \c[4]りょうかーい。 @402 (なんだか、リセットさん  すごくうれしそうだな……) (いったい何があったんだろう?) !se(Action)学内歩き @0 !mvnil !wait40 !bgm !wait40 This chapter advances to the latter half.