#オーバ観察記録 !wait40 !se(Action)ページをめくる \> \<“観察記録” !wait40 !se(Action)ページをめくる @1 ○月△日 午前11時頃 晴れ !mv薙島高校 !bgm高校 !wait20 今日は薙島高校の体育祭。 全ての生徒が運動着に身を包み、 狭いグラウンドいっぱいにあふれかえっている。 木の葉を隠すなら森の中…… \s身を隠すにはこれ以上無い絶好の機会だ。 俺は人ごみに紛れながら校庭の隅まで移動し、 そこにあった芝生の上に身を伏せる。 そして\r[予,あらかじ]め準備しておいた双眼鏡を取り出し、 ある一点を見据えた……。 !wait20 @330 @1 ……やはり奴はそこにいた。 \r[人気,ひとけ]も明かりも消え失せ、無人となった校舎。 そして他の部屋と同様に 明かりのついていない保健室。 いくら昼間とはいえ、部屋の奥は 十分な日が差し込まずに薄暗さが残っている。 そんな部屋の中に、一際目立つ白い人影。 例の保険医が、何をするわけでもなく、 グラウンドをじっと見つめていた。 @330 @1 ……いや、『グラウンドを見つめていた』 というのは少し\r[御幣,ごへい]がある。 おそらく保険医の目には、グラウンド上にいる 生徒しか映っていないのであろう。 一人の生徒を目で追う……。 しばらくして、別の生徒を目で追う……。 その繰り返し……。 時折にんまりとした表情を浮かべながら、 生徒を一人一人じっくりと観察し続けている。 その様子はまるで、八百屋で野菜を 品定めしているかのようであった。 @330 @1 ……不意に、保険医の視線が こちらへと向けられた。 @330 ……。 !wait30 ニタァ…… @1 ……背筋が凍りつく思いがした。 保険医はこちらに向けて 一度だけ不気味な笑みを浮かべた後、 すぐに別の方へ視線を移した。 こちらの観察に気付いたのか? ……\sいや、考えすぎだ。 俺は今、保健室から最も遠い場所にいる。 そこで芝生に伏せている俺の姿を 肉眼で確認できるとは到底考えられない。 加えて、ここから保健室の間には、 俺以外の生徒が絶えず行き来している。 双眼鏡から覗き見る風景が、生徒によって 何度も遮られるが何よりの証拠だ。 きっと保険医は、俺以外の誰かを見ていたんだ。 ……そう信じたい。 !v27=2 !v28=2 @202 アイツ、さっきから何やってるんだ? @102 ……さあ? @1 ……これ以上の観察は無意味であろう。 今日の記録はこれにて終了する。 !mvnil @0 !mv !wait40 !bgm !wait40 !se(Action)ページをめくる @1 ○月□日 午後6時頃 くもり !v5=1 !mvショッピング街 !bgmショッピング街 !wait20 @1 学校が終わり、俺は夕飯の食材を求めて ショッピング街まで足を運んでいた。 日が沈んだ空は次第に暗くなり始め、 混雑のピークを過ぎた通りからは 人々が少しずつ減っていく。 そんな家路を急ぐ人の流れに逆らい、 俺はショッピング街の奥へと進んでいた。 食材は、すでに買い揃えている。 目的は別にあった……。 !wait20 !mv本屋 !wait20 程なくして、目的地にたどり着く。 ここは、ショッピング街にある一軒の本屋。 大型書店に比べればこじんまりとしているが、 置いてある本の種類は非常に豊富だ。 学校の参考書や、拉致の本を買う時は 大抵ここを利用することにしている。 さっそく、俺はいつもの調子で 目的の本を探し始めた。 そして探し始めて間もなく、 ある一冊の本が目に\r[留,と]まった。 !wait30 !se(Action)ページをめくる 『天才ストーカーが教える尾行の極意』 本を手に取り、内容を一通り確認する……。 ……\sこれだ。 今まで俺は、奴に悟られないようにするため、 ずっと遠目からの観察を続けていた。 しかし、奴の実態を詳しく調べるためには、 より近くから観察する方が有効である。 この本があれば、それも可能となるだろう。 見つけるのに時間がかかると思っていたが、 俺の目的はいとも簡単に達成された。 そう考えていた\r[矢先,やさき]だった……。 !wait20 !se(Action)学内歩き @330 @1 目の前のガラスに映りこんだ、 本屋に入ってくる見知った人物。 それは間違いなく、あの保険医だった。 不測の事態に陥り、動揺する俺の心。 俺はその気持ちを無理やり押さえ込み、 近くの本棚を背にして奴の死角に身を隠した。 そして、本棚からそっと\r[覗,のぞ]き込むと……。 @330 ひっひっひ、ようやく新刊が出たねぇ。 ずいぶんと待たせてくれたもんだ。 @1 本を手に取り、人目もはばからず 笑い声を上げる保険医。 こんなに近くで奴の声を聞いたのは、 思い出したくも無いあの日以来だった。 不気味なトーンが、静まり返った 本屋全体に広がっていくのを感じる。 それを受けて、俺は自分のやろうとしている 行為の危険さを改めて実感した。 だが、引き返してはいけない……。 俺の誇りを、\sそして薙島高校に平穏を 取り戻すためにも……。 俺は奴の実態を徹底的に 調べ上げなければならないんだ。 !wait20 !se(Action)学内歩き @330 @1 ふと気が付くと、保険医は そそくさと本屋を後にしていた。 なにしろ、ずっと待ちわびていた本だ。 今は一刻も早く家に帰って、 本を読みたいと思っているのだろう。 その気持ち……分からなくも無い。 しかし、奴と気持ちを共有できるというのは、 いい気分がしないものだ。 ……\sまあいい。 俺は気持ちを切り替えて、 先程まで奴のいた場所へと歩み寄る。 そこは……\s男性ヌード雑誌のコーナーだった。 奴が買ったのは、どうやら月刊雑誌らしい。 ……\s定期購読をしている本か。 これを読めば、奴に関する 有益な情報が手に入るかもしれない。 そう思った俺は、月刊雑誌を手に取り、 さっきの本とあわせて購読することにした。 二冊の本を持ってレジへと向かう。 そして本を差し出すと、いつもの店員が いつものような顔つきで丁寧にしまってくれた。 ……前の客と同じ本を買ったんだ。 疑わしく思われるのも無理は無いだろう。 だが、これも奴を観察するためだ。 俺に迷いは無い。 今日はこれから本を熟読するので、 記録はここまでにしておこう。 !mvnil @0 !mv !wait40 !bgm !wait40 !se(Action)ページをめくる @1 ○月×日 午後8時頃 雨 !mv住宅地 !bgs(環境)雨 !wait20 !se(Action)学内歩き @330 @1 どしゃ降りの雨となったこの日の夜。 俺は初めて、保険医の尾行を決行した。 黒いカッパに身を包み、 電柱や塀の影に隠れながら、 仕事を終え家へと帰る奴の後を追う。 雨は、こちらの出す\r[僅,わず]かな音や気配を 紛らわせるのにうってつけである。 加えて、音を最小限に防ぐ呼吸法と歩行術、 つかず離れずの距離を保つ追跡の仕方。 本に書かれていた尾行の基本に従って、 俺は慎重に行動していた。 !se(Action)学内歩き @330 @1 ……保険医は、傘を差していない。 黒ずんだローブのようなものを身に\r[纏,まと]い、 ひたひたと夜道を歩いている。 帰りを急ぐ気配は全く無い。 あの様子では、家に着く頃には 全身ずぶ濡れになると思うのだが……。 濡れてもお構いなし……という事だろうか。 !wait20 ……\sしかし。 妙な話だが、俺の目から見た奴の服は、 それほど濡れていないようにも見える。 そればかりか、奴の服の周りには、 何か薄い膜のような物があるようにも感じられた。 雨で視界が悪く、距離もあったために、 そう見えてしまっただけなのかもしれないが……。 あのローブには、何か秘密があるのだろうか? !wait20 ……\s余計な\r[詮索,せんさく]は無用か。 今は尾行をする事だけに集中せねば……。 !wait20 !se(Action)学内歩き !wait2 !se @330 @1 不意に、保険医が足を止めた。 それにあわせて、俺も電柱の影に身を隠す。 すると……。 @330 \f[16]……。 !wait30 \f[16]ひっひっひ……\sどうやらネズミがいるみたいだね。 !se(Action)雷光 !wait5 !se(Shooting)撃破B @1 その瞬間、まるで稲妻が 体を通り抜けたかのような衝撃に襲われる。 雨の音に混じって聞こえくる奴の声は、 確かにそう言っていた……。 まさか……\s俺の尾行がバレたのか? 俺は本の指示に従って カンペキに行動したというのに……。 @330 @1 電柱越しに、保険医の視線が こちらに向けられているのを感じる。 見えていないのに見えている、 鋭く突き刺さる、蛇のような視線……。 奴にとっては、\r[遮蔽,しゃへい]物など初めから 存在していないような物なのだろうか? 俺は身動きを取ることもできず、 電柱の影で背筋を伸ばし立ち尽くしていた。 まるで、蛇に\r[睨,にら]まれたカエルのように……。 @330 ……。 !wait40 !se(Action)ジュゴー !se(Action)雷光 !wait5 !se(Shooting)撃破B !mvnil @1 凄まじい落雷の音と光……。 突然の出来事に視力と聴力を奪われ、 目の前が一瞬真っ暗になる。 それと同時に、雷とは別の『何か』が 放たれるのを感じた。 !wait40 !se(Action)ドゴン ドサッ…… !mv住宅地 !wait20 @330 \f[16]……。 !wait30 \f[16]ひっひっひ……\s何かと思ったら黒猫じゃないか。 \f[16]ネズミよりも少し大きかったね。 @1 ……少し時間が経って、落雷の光により 奪われた視力が徐々に回復してくる。 そして物音のした方向に目を向けると、 1匹の黒猫が地面に横たわっていた。 状況から察するに…… 近くの塀の上から落ちたらしい。 一体……何が起こったんだ? !wait30 !se(Action)学内歩き @330 @1 ……保険医の足音が遠ざかっていく。 先程までの鋭い視線も、今はもう感じない。 どうやら、尾行していたのは黒猫だと思い込み、 俺の存在には気付かなかったようだ。 ワザと見逃した可能性もあるが……。 @940 @1 ……奴の姿が見えなくなったのを確認して、 俺は黒猫の元へと駆け寄る。 黒猫は、まるで人形にでもなったかのように ピクリとも動かなくなっていた……。 ……\sこれ以上は危険だ。 そう思った俺は、この日の尾行を断念して、 黒猫を連れて家へと引き返すことにした。 なぜ尾行がバレたのか……。 なぜ黒猫は動かなくなったのか……。 まずはそこから調べていく必要がある。 しかし、さすがにもう疲れた……。 今日の記録はここまでにして、 詳しい調査は明日から始めることにしよう。 !mvnil @0 !mv !wait40 !bgs !wait40 !se(Action)ページをめくる @1 ○月◇日 午後2時頃 くもり !mv警察署コンピュータ室 !bgmサスペンス !wait20 !se(System)キー1 !wait7 !se(System)キー1 !wait7 !se(System)キー1 !wait7 !se(System)キー1 !wait7 !se(System)キー1 !wait7 !se(System)キー1 !wait7 !se(System)キー1 !wait7 !se(System)キー1 !wait25 !se(System)キー2 !wait10 !se(System)キー3 @610 ……\sよし。 これで準備はOKだ。 @600 でも、いいんですか警部? 一般人に監視カメラの映像を 見せたりしても……。 @610 自分の学校の保健室を見るくらいなら 特に問題もないだろう。 大体、なんでお前までここにいるんだ? @600 警部達が変なマネをしないように 見張っているんです。 @610 あ、そう……。 @1 この日、俺は仮病を使って学校を休んだ。 そして学校へ行く代わりに、 警察署のコンピュータ室へとやって来ていた。 尾行を断念したあの日から早数日……。 打開策を見出せないでいた俺は、 別の方法で保険医を観察することにした。 その方法というのが、監視カメラを使って 保健室の様子を観察する事である。 これならば、奴に気配を悟られる心配もない。 そこでまず、俺は村上に頼んで 知り合いの警察官を紹介してもらい、 カメラについての交渉を試みた。 そして再三にわたる交渉の末、 今日一日だけの使用を認められたのだ。 まさかこんな所でアレが役に立つとはな……。 ……ダメ元でも聞いてみるものだ。 @940 ミー。 @610 おーよしよし、いい子だなお前。 @600 猫と引き換えにカメラを貸したと知れたら、 きっと\r[大事,おおごと]になりますね。 @610 男子校の内部を見たくて黙認した お前も同罪だけどな。 @600 犯罪はいつどこで起こるか 分かりませんよ? @602 これも市民の安全を守るためです! @610 (お前みたいな奴がいなくなるのが  一番の安全策だと思うがな……) @1 警察官にも色々な人間がいるもんだな……。 @610 よし、じゃあ画像を切り替えるぞ。 @0 !wait20 !mv保健室 !wait20 @330 @610 ……どうやら、部屋には保険医が いるだけのようだな。 @600 そのようですね。 @1 ディスプレイに映し出される、 薙島高校の保健室。 そこには、机に座って本を読む 保険医の姿があった。 読んでいるのは……\sどうやら例の雑誌らしい。 @610 あの保険医、昼間から なんちゅう本を読んでいるんだ。 @600 きっと人体の構造を理解するためですよ。 @610 俺にはそうは見えないがな……。 @1 すると、そこに一人の生徒がやって来た。 @102 ───。 @600 あら、あれはシシト君じゃない。 @610 見たところ、あまり体調が 良くなさそうだな。 @600 でも音声が無いせいで、 ここからじゃよく分かりませんね。 @1 イスに腰掛けた村上は、 保険医に何かを話し始める。 そして一通り話を終えたところで……。 @330 ───。 @104 ───。 @1 村上の表情がみるみるうちに変わっていく。 なにしろ相手はあの保険医だ、 どんな話をされたのかは想像に難くない。 そう思っていると……。 @101 ───。 @1 突然、村上がその場に倒れてしまった。 どうやら、気を失ってしまったらしい……。 その様子はまるで、 あの日の黒猫と同じように見えた。 @330 ───。 @1 保険医は慌てる様子も無く、 村上をベットまで引きずっていく。 見た目からは想像もできないが、 奴は腕力も相当なものがあるらしい。 そして……。 @330 ───。 !v27=0 @105 ───。 @610 ……これって職権乱用じゃないのか? @600 いきなり生徒が倒れたんですから、 これくらい念入りに調べるのは当然でしょう。 @610 おい孤狩、ディスプレイに近づきすぎだ。 @1 ……今度は村上が犠牲になってしまった。 俺も同じ目に遭っていたかと思うと、 恐ろしくて思わず逃げ出したくなってくる。 しかし、村上の犠牲を 無駄にするワケにはいかない。 これ以上の犠牲を出さないためにも、 必ず奴の本性を\r[暴,あば]いてやるんだ。 俺は心でそう誓いながら、 痛ましい光景から目をそむけることなく 奴の行動をじっと観察し続けた。 その詳細を書き表すのはためらわれるので、 俺の記憶の中だけに留めておこう。 ……今日の記録は以上だ。 !mvnil @0 !mv !wait40 !bgm !wait40 !se(Action)ページをめくる @1 ○月☆日 午前2時頃 天候不明 @0 !mv !wait80 !se(Action)学内歩き !wait10 !se !wait30 !se(Action)学内歩き !wait10 !se !wait30 !se(Action)学内歩き !wait10 !se !wait30 !se(Action)学内歩き !wait10 !se !wait60 !se(Action)ドア開け !wait25 !se(Action)ドア閉め !wait40 !se(Action)カチャッ !mv保健室 !wait20 @250 ……。 @1 静寂と暗闇に支配された空間が、 一瞬のうちに光に包まれる。 ここは……薙島高校の保健室。 !se(Action)カチャッ !mvnil それを確認したところで、 俺は電気のスイッチを再び切った。 こんな時間に学校の明かりがついていては、 誰かに通報される可能性もある。 それでは、忍び込んだ意味が 無くなってしまうからな。 事は慎重に運ばなければいけない……。 @250 ……\sさて。 例の場所は……こっちか。 !se(Action)学内歩き @1 俺は懐中電灯の明かりを頼りに 暗い保健室の中を歩き出す。 そうしてたどり着いた、 一見するとなんの\r[変哲,へんてつ]も無い壁。 何かあるとすれば、天井に 監視カメラがついているくらいである。 この場所は……\sカメラの死角だった。 @250 ……。 やはり、何も見当たらないな……。 @1 警察署で監視カメラの映像を見ていて、 特に気になった点がある。 それは、保険医の\r[不審,ふしん]な行動……。 奴は何度もこの死角に潜り込んでは、 数分に渡りカメラの前から姿を消していたのだ。 俺と一緒に見ていた警察官は、 「何かが置いてあるんじゃないのか?」と 言っていたんだが……。 俺の記憶が正しければ、 その場所には何も無かったはずである。 そして今回の侵入で、それが実証された。 @250 では……なぜ保険医はここに? @1 ここで、一つの疑問が浮かんでくる。 何も置いていないはずのカメラの死角に、 頻繁に移動を繰り返す保険医。 しかもカメラの死角はとても狭い範囲で、 人一人立つのが精一杯。 そんな場所に数分間に渡って留まることに、 何の理由があるというのか? @250 おそらく、俺の勘が正しければ……。 @1 俺は懐中電灯の光を当てながら、 手をゆっくりと壁に押し当てる。 コンクリートで作られた壁からは、 ひんやりとした感触が伝わってきた。 そして、壁に手を密着させた状態のまま 上下左右に動かしてみると……。 @250 ……\sむっ? @1 本来のツルツルとした触り心地とは 違った感触が手に伝わってくる。 壁から手を離してその場所を見てみると、 そこには小さな穴が開いていた。 穴の直径は数ミリ程度、 位置はちょうど俺の腰くらいの高さ。 注意して見なければ気付かないくらいの、 小さな小さなシミのような穴だった。 @250 なんだ……この穴は? !bgs(環境)心拍 @1 壁には他にこれといって不審な箇所は無い。 あるとすれば、この穴くらいである。 @250 ……。 !wait30 @1 俺はおもむろに腰をかがめ、 自分の顔を穴に近づける。 この穴は、ただの壁についた傷なのか……。 それとも、保険医の秘密に通じる物なのか……。 もしもそうだとしたら……。 @250 ……。 !wait30 @1 ……考えていても始まらない。 意を決して、俺は穴の中を覗き込んだ。 @250 ……。 !wait30 何も見えないな……。 @1 穴の中には、黒以外の色を 一つとして確認できない。 吸い込まれそうな暗闇だけが、 どこまでも広がっていた。 @250 ……\sうーん。 やはり懐中電灯の明かりだけでは、 これ以上よく見えないな。 どうしたもんか……。 !bgs @330 だったら部屋の電気でも つけりゃいいんじゃないのかい? @250 ああ、ちょうど俺もそう思ったところだ。 ……\sんっ? @1 唐突な質問に、素で受け答えをする俺。 その直後、自分とったの行動に ふつふつと疑問が沸き起こり……。 程なくして、それは恐怖に取って代わった……。 !wait40 !bgmなんだこれは !se(Action)跳ね @252 \f[40]うわあああああーっ!! !wait10 !se(Action)学内歩き !wait3 !se !se(Action)学内歩き !wait3 !se !se(Action)学内歩き !wait3 !se !se(Action)学内歩き !wait3 !se !se(Action)学内歩き !wait3 !se !se(Action)学内歩き !wait3 !se !se(Action)学内歩き !wait3 !se !se(Action)学内歩き !wait3 !se !se(Action)学内歩き !wait3 !se !se(Action)学内歩き !wait3 !se !se(Action)ドア開け !wait12 !se(Action)ドア閉め @1 俺は声のした方を振り返ることなく、 逃げるようにして保健室を飛び出した。 @0 !mv !wait80 @252 はあっ……\sはあっ……\sはあっ……! @1 どこをどう逃げたのか……。 気が付くと、俺は自分の教室にいて、 自分の机に突っ伏していた。 逃げることに必死だったせいで、 途中の事は何も覚えていなかった。 @252 な、なぜだ!? 奴はおろか、今の学校には 俺以外の人間は誰もいないはずっ! 実際、さっきまで人の気配は 全く無かったんだぞ!? @1 奴は一体どこから現れたのか……。 なぜ俺がここにいることがバレたのか……。 気が動転していて、上手く考えがまとまらない。 いや、たとえ落ち着いていたとしても、 俺に奴のことは分からない。 これ以上は、分かりたくもない……。 @252 と、とにかく……! 一刻も早く、この事を手帳に……! @1 ……直感した。 俺は……\sもう助からない。 だから、せめて俺の知った事実だけでも 書き留めておかなければならない。 もし、これを誰かが読んでいるなら。 これだけは忠告しておく。 アイツにだけは近づくな。 アイツに近づい !bgm @330 ひっひっひ、見つけたよ。 @252 @0 !mv !wait40 記録はここで途切れている……。 !wait80 !mv3F廊下 !wait20 @202 ……。 !v27=2 @102 ……。 @202 これ、アルバートの手帳だよな? @102 だよね……。 @202 で、肝心のアルバートは? @102 今日は無断欠席してるね……。 @202 じゃあ、なんでこんな物がここにあるんだ? @102 ……さあ? @202 ……どうする、これ? @102 どうすると言われても……。 @330 じゃあ、アタシが持ち主のところへ 案内してあげようじゃないか。 @201 @105 !mvnil @0 !mv !wait30 \f[40]「うわあああああーっ!!」 !wait40